強くなる為の第一歩
「………」
アルトはレナに専用スキルがないと言われ、激しく落ち込んだ。ないのならばレベル上げをする楽しみがなくなるからだ。
「なぁ…実際狩人って弱いのか?何か長所はないのか?」
希望を込めてレナに聞く。少しでも長所があればそこを伸ばせるのだが…
「…ステータス的には強いとは言えない、あなたからしたらハズレに近いわ」
どうやら現実は優しくないらしい。その事実に絶望するアルト。そんなアルトにレナが声を掛ける。
「でも、長所はあるわ。どんな職業にも負けない狩人だけのいい所が」
その言葉を聞いた瞬間、アルトの目に光が灯る。
「なんだ?!教えてくれ!」
アルトは必死でレナに聞く。
「長所はあなたの言った通り…誰よりも自由であることよ」
アルトは最初に自分が言った言葉を思い出す。この世界に来る前にレナに聞かれた時、自分自身が答えた言葉だ。
「この事実を知るものは限りなく少ないの…だから狩人は周りからは弱く見える。でもこの長所を上手く使えればそんな欠点なんて無いに等しい」
レナはアルトに希望を持つように言う。
「だから諦めないで、弱いからと言って自分の可能性を捨てないで…あなたは弱くないわ、だって…」
言葉の途中でレナの体が光りだした。
「時間みたいね…がんばってねアルト」
レナはそう言って消えていった。それと同時に周りの時が動きだす。
「……ん?アルト?どうした?そんなニヤニヤして」
アルトは今、弱くないと言われて絶望感が希望へと変わった。そして、ある事を決意する。
「フェルト、ルーゼ…二人に頼みたい事がある」
二人に振り向き、アルトはこう言った。
「俺と一緒に冒険者にならないか?」
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