間話 アルトの休日 後半
「で?何の用?まさか前回の敗北が認められないとか言って再戦を申し込むわけじゃねぇよな?」
アルトはめんどくさそうに言う。二時間ほど動いているので体力もそこそこ消費している。こんな状態では負ける確率が高いのだ。
「そうね、今のあなたを倒しても状態有利で勝っては意味がないわ…だから宣戦布告しに来たわ」
と、ルーゼはいってアルトに指を指す。
「力がダメなら学力よ!最初のテストで点数が高かった方が勝ちよ!」
ルーゼは自身たっぷりの表情で言う。
「いいぜ、受けて立つ」
アルトもニヤリと笑って応える。一見すると高レベルな人達の勝負にみえる。…が
(…あんな勝ち気な表情されると怖いわね、吹っかけておいてなんだけど…やめといたほうがよかったかしら…)
(やべぇ…俺勉強一切出来ないから学力勝負は部が悪いな…キャンセル出来ねぇかなぁ…)
と、内心お互いビビりである。
「じゃ、じゃあテストの日を楽しみにしてるわ…首を洗ってまってなさい!」
ルーゼはそう吐き捨てるとダッシュで帰っていった。
「…俺さ、この世界にきてからめんどくさい事ばっかじゃない?」
アルトは一人、悲しみに耽っているのだった。
夕方頃になり、アルトがもう帰ろうとすると
「アルト様、お迎えに参りました」
ルイゼが丁度いいタイミングで迎えに来てくれる。
「ありがとうルイゼ、家の方はなんかあった?」
「あるといえばそうですね…レーナ様がヨーゼフ様にクッキーを作ろうとして、焦がしてしまい…火事になりかけたぐらいでしょうか?」
ルイゼは思い出しながら言う。
「……ぐらいなのか」
アルトは困惑する。アルトの両親はとても仲が良く、喧嘩をしている所など見た事がない。ピリピリした雰囲気がなくていいのだが、子供の目の前でイチャイチャしたりする事があるので、アルトとしては恥ずかしかったりする。
「はい、これくらいは日常茶飯事ですので」
ルイゼが満面の笑みを浮かべながら言う。
(どうしよう、これからの生活がとんでもなく大変な気がする…)
そう思うアルトであった。
家に帰ると、疲れたような表情をしているヨーゼフがいた。
「おかえりアルト、晩御飯の準備が少し遅くなるが良いか?」
「お話はルイゼより聞いているので…大丈夫です」
「そうか、すまぬな」
幸せそうではあるが同時に同じくらい大変そうなヨーゼフであった。
アルトはご飯や風呂、歯磨きを済ませて布団に入る。
「今日は大変な日だったな…まぁいいや、明日も頑張りましょ〜」
と言ってアルトは眠りにつくのだった。
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