入学式
「あの…えっとですね…」
いきなり話しかけてこられたので困惑するアルト。
とりあえず何か言い訳をしないといけないと考えていると…
「ご心配なく…少し運動をしたいと思い、この方に声をかけた所…激しい運動になってしまっただけです」
ルーゼがこのことを予想していたかのようにスラスラ答える。
「ふむ、君はルーゼ=ヒストリアか…なるほどね理解した」
そう言うと女性はアルトに同情するような視線を送ってきた。
「君の名前を教えてくれるかな?」
「アルト…アルト=エルノートといいます。」
俺の言葉にはっとなる女性。
「君がアルト君か…わかったどうもありがとう、運動するのもいいけど入学式に遅れるなよ」
そう言って女性は学校の方に戻っていった。
「…はぁ、ありがとう俺の代わりに理由言ってくれて」
「大丈夫よ、これくらいの事は想定内だから」
と、ルーゼは肩をすくめて言った。
「さて、勝負はついた事だし…先生の言う通り入学式に遅れないようにしなきゃね」
「ええ、場所は分かる?」
ルーゼは心配そうな顔でみてくる。
「俺はこの学校が初見だからわかんねぇな…」
予想はついているがはっきりと場所はわからないアルト。
「じゃ、私が案内するからついてきて」
そう言ってルーゼは走って行った。
「はぁ…はぁ…めっちゃ早いんだけど…」
息を切らしながら、あの速さは元からだと悟ったアルトだった。
二人は入学式にギリギリで間に合った。
「んー?…あっ!アルト!ここ!ここ!」
フェルトがアルトを見つけて隣の席を指しながら呼ぶ。
「ありがとう、間に合ってよかった〜」
「それはこっちのセリフだよ」
二人が来たのは開始1分前だったため、本当にギリギリだったのである。
「ただいまより、入学式を初めます。」
と、安堵しているとアナウンスが入って入学式の開始を知らせた。
事は進んで行き、校長の話になった。
が、アルトはその人をみて驚愕する。
「おい!あの人は?!」
そこにいたのは、先程声をかけてきた女性であった。
「まず、またこの学園で入学式ができたことを感謝いたします。あまり長々と話すのは時間の無駄になってしまうので、簡単にさせていただきます。私は学生になるべく多くの事を学んでほしいと思います。学問もそうですが、常識や社交性なども学んで欲しいと願います。また、今年は質の高い学生が少数いるので皆さんはそんな人を手本にして欲しいと思います。以上です。ディルハイム校長エキドナ=ルーデル」
話が終わると拍手が起こった。
「いきなり校長に遭遇とか…俺イベント引きすぎじゃね?」
アルトはそう言って肩を落とすのだった。
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