3話 僕の能力
戻ってきたは良いが、どんな能力かもわからないしな。
あと、太一とかに異能力対象者のこと言うべきかな?
いやー、やらなければいけないことは多いな。
そんなことを考えていると、聞き覚えのある声が脳に直接入
ってきた。
「小林さん。お久しぶりです。」
「管理人さんですよね?詳しいこととは何ですか?」
「はい、それは、あなたの能力についてです。
能力は、異能力対象者1人に対し、3つまでもつこ
とが可能です。内容は、初期段階にもっているもの
と、成長していき覚えるもの2つです。」
「成長とは?」
「成長とは、人間として成長、いわゆる歳を重ねること、も
しくは、別の異能力対象者とのバトルでの経験値ですね。能力
と発動条件は、自動的に脳にレポートされます。」
「そうなのか。分かりました。ありがとうございます。」
「いえいえ、ご健闘お祈りします。」
そして、声がしなくなった。
えっと、初期段階の能力は、何々?
・・・"時間を操る能力"か。
えっ、まさか、いわゆる無駄無駄系男子の時を止めるやつと
か、ネコ型ロボットみたいなタイムトラベルができるってこと
か?今は一応のために自宅待機で体が悪化しないようにしてい
る。学校にもいけてないし、暇してたところだったから、少し
外出て試してみるか。
小林は、ひとけの少ない近所の公園へ向かう。
公園にあるベンチに座り、発動条件を覚える。
1+1を解くように、掛け算を解くように自然に頭の中に情
報が流れてくる。
・暇人狂想曲((ディクロスト))
…触れた対象物の時が進む早さを遅める
これを唱えればいいんだな。
えっと、まずは、あそこにいるカラスで試してみようかな。
小林は、誰も見ていないことを確認し、背後からごみをつつ
いているカラスにそっと近づいた。
・・・よーし、今だ!
小林は、すぐに呪文を唱える
「「暇人狂想曲((ディクロスト))!!!」」
見た感じ、変化はないな?
もしかして、呪文間違えたかな?
そう、思っていると、カラスは羽を広げ、飛ぼうとした。
しかし、その動きがぎこちなく、
まるで、スローモーションの映像を見ているように、カラがゆっくりと動いていた。
これが、ディクロストの力か!これは、すごい!
何て言うか、ものすごく、気持ちがいいな。他にも、試したい
けど、今日は遅いし。帰るか。
帰ってからでもできるしな。
「.....」
その光景を一人の女が見ているなんて小林は知るわけがなか
った。
次の日、小林は久々に学校に行くことにした。
教室へ入ると、小林の席に太一が座っていた。
「春斗!最近、学校来てなかったから、寂しかったんだ
ぞ!」
「ごめん、太一。これからは休まないようにするからさ。」
「ほんとだよ!ったく」
「小林春斗君、ちょっといいかしら。」
太一との話を遮るように、一人の女が話しかけてきた。
教室にいた男子は全員、その女に注目する。それと同時にひ
そひそ話し始めた。
こうなるのも無理はない。彼女は、井口楓。
他校からも告白されるくらいの超絶美少女だ。しかし、その
全ての告白を冷酷な目で断るから、当時流行っていた映画にち
なんで”氷の女王”と呼ばれている。
「はい、何ですか?」
「ちょっとついてきてくれる?話があるの。」
再び、クラスの男子がひそひそと話し始めた。
「分かった。」
小林は、彼女についていくと、普段、誰も通らない階段につ
いた。今は、閉鎖されている屋上につながる階段だ。
「なんのようですか?」
「ええ、率直に言うわ。昨日、あなたが公園にいるところを
見たの。」
えっ?まさか、全然気づかなかった。ちゃんと、確認したん
だけどな。
見たってことをわざわざ伝えるってことはそう言うことだよ
な。
「私には、あなたがカラスに触れたあとそのカラスがものす
ごく遅い動きになったように見えたのだけれど。間違いはある
かしら?」
「えっ、えーと・・・・・ないです。」
まずい、これで、皆にばらされたら、僕が、能力者だって、ばれちゃう、
でも、どうしよう。
「安心しなさい。」
「えっ、何が?」
「誰にも伝えることはないわ。」
「えっ、ありがとう。でも何で?」
「私も”対象者”だからよ。」
「・・・・えっ」
見てくださりありがとうございます。
内容薄いし、話の展開が早くてすいません。
改善していけるところは改善していこうと思います。