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路地裏の鍛冶師  作者: ゴン太
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第一話 鍛冶師

月に2~3話ほど更新できればいいかなと思っております。拙作ですがよろしくお願いします。


かまどで熱せられた鉄を取り出し、まだ鈍く赤色に光っている状態のものをハンマーでたたきつける。カーンカーンと一定の間隔で鍛冶場に音が鳴り響く。赤く光っていたものがやがて本来の鉄の色に戻る頃に打ち付ける音が止む。そこで一息つき、服の袖で汗を拭い、形を確認する。思い描いていた形に仕上がったそれを見て、満足そうに頷きながら魔法で柄に固定して完成させる。



「はいよ、これ頼まれてたクワ」

「おお、相変わらず早いな。助かるよ」

「いいってことよ。ダンのおっちゃんはうちのお得意様だからな」


そう言って先ほど完成させたクワをダンのおっちゃんに渡す。お礼と代金を受け取り出て行った扉を見つめながらため息をつく。


ここは王都にある鍛冶屋〈クリフト〉。俺はこの鍛冶屋五代目職人のリード・クリフトだ。母親は物心ついた頃からおらず、父親は三年ほど前に他界し、それからこの店を引き継ぐことになった。嫁はおろか彼女もいない三十路手前の行き遅れだ。


王都にある鍛冶屋といっても路地裏のさらに奥の方にある店で、普段は農具や台所用品の整備や作成をしており、時たま衛兵の剣の手入れを行ったりして生活をしている。二代目の頃は勇者の剣を作っていたらしいが、今ではそんな面影は一切ない。決して贅沢はできないが、それなりに余裕を持って生活ができており、不満は特にない。


確かに武器を作ったり整備するのは好きだし楽しいが、別に世界最高の武器を作りたいなどの野心も無ければ、今の生活を捨ててまで修行をしに行ったりしたいとも思わない。そのうち弟子になりそうな奴を見つけて、無事に後継ぎを育て鍛冶屋〈クリフト〉を続けていければそれで満足だ。


できればかわいい嫁さんと子供が欲しいところだ。そんなことを考えていると扉が開いて客が入ってきた。


「いらっしゃい、何が御入用で?」


さて、仕事だ。


鍛冶屋〈クリフト〉

王都の路地裏に店を構える鍛冶屋。王都の中ではかなりの老舗である。今は五代目のリード・クリフトが店主を務めている。

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