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歓迎の宴と贈り物


「お、アーロっちー。こっち来なよ」


 しばらくマガ長老と歓談を楽しんだ後、「集落の者にも異世界の話を聞かせてやってくだされ」と頼まれて席を離れたアーロは、それを見ていたウェインに呼び止められていた。

 ウェインの傍には長耳族の女性が数人いて、今まで和やかに話をしていたようである。

 手招きされるので、アーロはとりあえずその輪に混ざり、同じく敷かれていた毛皮に腰を下ろした。


「どうもみなさん。アーロ・アマデウスといいます。えーっと、丸耳です」


 さすがに今朝のように初めて長耳族の女性を見た時のように取り乱しはしない。だが近くでエルフ耳を見たことで気分はかなり上がった。やはり良い。


「はじめまして。マガ長老の娘、マヤです。先ほどまでここのみんなでアーロさんのことを話していたのですよ」

「あぁ、あの長老の娘さんか。これは丁寧にどうも」


 ウェインの隣に座っている、いかにも落ち着きのあるお姉さんといった感じの長耳族の女性が自己紹介を行うと、他の女性たちも次々と名乗りを上げた。

 そうして一通り名乗りを終えると、アーロは気になった言葉をお姉さん風の長耳族、マヤに聞いた。


「みんなして俺の話ですか? おいウェイン、何を話したんだ」


 マヤの隣でにやにやと気持ちの悪い笑みを浮かべるウェインを軽く小突く。


「いやいや、あはっ。ちょっとアーロっちのことで盛り上がっちゃってね。くふっ」


 笑いを堪えきれないという様子で話すウェインに、アーロは気の毒そうな目線を向けた。

 酔いが回って頭のねじが緩んだのだろうか、それとも笑い上戸か。と思ったアーロだが、その予想は間違いだとすぐ気が付いた。

 ウェインに限らず、その場にいたマヤをはじめとする長耳族の女性たち全員が、同じような表情を浮かべていたからだ。

 そして女性陣の中でも年上らしきマヤが促すように、自分の背後に隠れていた者に話しかけた。


「ほら、アーロさんに話しかけないの? エリー?」


 名前を呼ばれてマヤの後ろからひょっこりと顔を出した長耳族の女性は、アーロにとってはじめましての顔ではなかった。


 森の新緑を映したかのような緑色の髪。きりりと引き締まってはいるが不安そうな目。落ち着きがなくぴこぴこと動く長耳。宴会などの祭り向けなのか、羽や色鮮やかな植物の葉などの装飾を付けたゆったりとした衣を着ている。

 そんな長耳族の女性が、マヤの背中に半身を隠しつつアーロの方をちらちらと窺っていた。

 アーロが一目見て異世界に行くことを決心した長耳族の女性、エリーである。


「あはっ。アーロっちと話したいって言うからさ、みんなで待ってたんだ。ぶふぉっ」


 言葉の最後には笑いをこらえきれず吹き出すウェイン。今の状況を心から楽しんでいるその姿を見て、アーロは後で一発殴っておこうと心に決めた。

 しかし、今はそれよりも優先して片づけるべき問題があった。


「あー。知ってるかと思うが、アーロだ。よろしくな?」


 とりあえず当たり障りのない挨拶を行うアーロだが、自らに話しかけられたと分かったエリーは体をビクンッと強張らせると、マヤの背後から飛び出した。


「あ、あ、アーロ・アマデウス! ひ、し、久しぶりだなっ!」


 そして盛大にどもり、しかしそれでも気丈に叫んだ。


「悪いな、エリーは人見知りするから、名前呼ぶのが緊張するらしいんだ」


 そこで場にいた勝気そうな長耳族の女性からすかさずフォローが入った。

 そのフォローの言葉も聞こえていない様子のエリーは仁王立ちをする。しかし、目線はアーロと微妙に合わせてはおらず、顔と長耳が少しだけ赤かった。


「わ、私の趣味は編み物だ! 暇があれば布や服を編んだり、色で染めたりしてるぞ! す、す、好き、な食べ物は甘い果物だ!」

「えーっと。なんか質問されたことに対して答えなきゃって思ってるみたい。何回も練習してた」

 

 そして、聞いてもいないのに一気にしゃべり始め、周囲にいる冷静そうな長耳族の女性からフォローが入る。

 エリーが何かしらを話すと周りから通訳のような合いの手が入る。その何ともいえない会話方式に、アーロは一言おうと応えるしかなかった。


「あ、アロッ、アーロ……アマデウスの好きな食べ物はなんだ?」

「ほんとはウェインさんみたいにアーロっち、って呼びたいらしいんだけど、うまくいかないみたいー」


 のほほんとした長耳族の女性からのフォローを聞き、なるほどと解読できたアーロ。

 注意して聞いていないと自分のことを呼ばているのかが分からない程度には難解な話し方である。というより、フォローを挟まないと内容が分かりにくい今の時点で相当ひどかった。


「そうだな。何がと言われると肉が好きだな。味付けの濃い目の焼肉とか」

「……肉か! わ、私もだぞ!」

「ちなみにどんな返答が来ても同意するように助言したからね。ほんとは違うかも」


 落ち着いた口調の長耳族の女性から投げられたフォローにより、そうなのか、とアーロは相槌を打った。


「あははっ、お腹痛い! 甘い果物ってさっき言ったじゃん」

「ウェインさん、しっ。静かにしてください。エリーだって頑張ってるんですから!」


 笑い転げるウェインとそれをたしなめるマヤ。さらに周りを見回すと、こちらを生暖かい目で眺める長耳族の女性たち。

 それを見てアーロは確信した。こいつら、俺をダシにして楽しんでやがる。と。

 だが問い詰めようにも、エリーがつっかえながらも何事かを尋ねてくるので邪険にするわけにもいかない。


 しかし、とアーロはエリーの表情やしぐさを観察する。

 エリーは視線を感じてちらりとアーロの目を見たが、顔と耳をさらに赤くしてすぐに目を逸らすのだ。先ほどからのこの様子はどうしたことだろうか。


 相手の様子を観察し、得られた情報から状態の推測を行うのは冒険者の必須技能とも言ってよい。過酷な自然環境や危険な生物と相対するにはその対象の観察が何よりも重要であるし、それが出来ない冒険者は生き残れない。


 今のエリーの様子からは怒りや嫌悪という感情は読み取れず、興味や好感といった良い感情がもろに感じ取れていた。

 冒険者を引退してからしばらく経つが観察という技能はまだ錆ついてはいないという自負はあったので、興味や好感といったその推測は正しいのだろう。だが、いささか度が過ぎるので、冒険者ではなくてもすぐに気が付けるだろうが。


 つい今朝にいきなり手を取ったり『美しく愛しい君』を指すエルフという言葉を何度か叫んだことに対して、エリーは怒っているのだろうと思っていた。次に会う時は謝罪の言葉をかけようとも考えていたゆえに、アーロは戸惑った。


 そして会話の合間にちらりとウェインを見る。

 ウェインも視線から意図を察したのか、その時ばかりはまじめな顔つきになり、お互いに小さく身振り手振りだけで会話を行う。

 二人はつい昨日会ったばかりだが、エルフ耳の魅力について夜中まで語り合った、いわば同志である。即興の意思疎通くらいは余裕で対応できる。はずである。


 ――これは予想外。今朝のことを怒っている訳ではないようだ。

 ――むしろ好都合。軽く謝罪してなかったことにしよう。

 ――了解。もしも無理だった場合は?

 ――そのまま押し切るべし。相手はちょろそう。

 ――同感。


 おおよそそのようなやり取りが行われた、ように当人たちは感じていた。

 そしてわざとらしく咳払いをして会話を仕切り直すアーロ。


「んんっ、ところでエリー」

「う、うむ! どうした?」


 名前を呼ばれて相手を見ようとして、すぐ目を逸らすエリー。だが真っ赤に染まった長耳はぴこぴことせわしなく動き、声を拾おうとしていた。

 そのいじらしい様子を見て、アーロは素直に愛らしい子だなと感じた。愛らしいと感じているうちの八割は長耳の部分だったが。


「今朝はいきなりすまなかった。あの時も言ったが、まさかこんなところで会えるとは思っていなかったもんでな。つい詰め寄ってしまった」

「あ、ああ! 少し驚いたが気にしていない! 私の方こそすまない。いきなり殴ってしまって」


 エリーは今度ははっきりと顔を見て謝った。

 アーロは鼻頭に貼られた薬湿布をつんと指し、先ほどもマガ長老にしたように軽く笑う。


「これくらい気にしていない。おかげでよく目が覚めた」


 気にしていないので大丈夫。水に流そうぜ。という口調だったが、それを聞いてもエリーの顔は晴れず、すっかりしょげかえってしまった。


「いや、あぁ、悪かった……」


 エリーの長耳も今の気持ちを表すかのように、しょぼんと下にうな垂れていた。

 長耳の動きを興味深そうに眺めながら、どうしたものかと頭をかくアーロ。

 そんな様子を見ていたマヤから、助け船が入る。


「アーロさんがいいって言ってるんだから気にしすぎると迷惑よ。それにエリーは丸耳族の案内役でしょ? これから一緒に仕事をするんだから、そんなに気を使わせないの」

「……そうか! そうだな。すまない、アーロ・アマデウス」


 年上のお姉さんらしく優しく諭すマヤ。それを聞いて納得したのか、エリーも長耳をピンと立てて顔を上げる。

 そして自信たっぷりに再度の仁王立ち。アーロへ握手のため右手を差し出した。


「私はエリー! 守衛の一族が一人【貫く者】のエリーだ! 丸耳族の案内役を任されている」


 その元気いっぱい、自信たっぷりな話し方が彼女の自然体なのだろうか。

 自分の調子を取り戻した様子に軽く笑い、アーロも握手に応じる。


「神聖国家アガラニアの異世界調査団の一員。アーロ・アマデウスだ。しばらく世話になる」


 そうしてお互いにしっかりと手を握る。

 手が触れ合う瞬間にエリーの長耳がまた赤く染まりせわしなく動いたが、それに触れる無粋な者はいなかった。


 二人の様子を見ていた者たちが口笛を吹いたりはやし立てる。さらにを周りにいた、事情をよく知らない者たちがつられて歓声を上げた。今ここは宴の真っ最中。酒の席である。細かいことはどうでもよかった。


「改めてよろしくな。俺たちは仕事仲間、同僚だ。アーロと呼んでくれていい」

「わ、わかった! 私のこともそのままエリーと呼んでくれ」


 照れくさそうだが嬉しそうな様子に、アーロは胸をなでおろしたい気分だった。

 朝の一件も後腐れなく解決できたし、エリー個人もこちらに対して悪い感情は持っていないようだ。これから何日か一緒に行動することも予想されるので、よい印象や雰囲気というのは重要である。

 そしてアーロはエリーを見やる。異世界にいる間中、近くで長耳を観察できるのは悪くない。むしろ良い。


 しかも、長耳を一目見てこのエールバニア行きを決めたアーロだが、よくよく考えると長耳だけではなく、このエリーという女性のことも可愛らしいと感じていたような気がする。 さらに言葉を交わしてみて実感した、エリー個人の天真爛漫さ、素直さには好感を覚えていた。


 人間関係の軋轢に耐えながら擦れていくアガレアの女性と比べるようなことはしない。だが自然体、心の赴くままに活動する長耳族の純粋さ、純情さは眩しく思えた。


 今はあくまで仕事上の付き合い、同僚として接するつもりだが、いずれ良き縁となることもあるかもしれない。今朝までは仕事の責任感と浮ついた感情がお互いを弾き飛ばそうとしていたが、いつの間にか仲良く同列一位で存在していた。


「アーロ。ふふっ」


 自らに向けられた視線に気が付くとエリーは微笑み、握った手を開いたかと思えば指を絡めて再度握ってきた。

 指で指を挟みこんだ、いわゆる恋人つなぎである。


「お、おい、そろそろ手を――」


 おや、これはおかしい。とアーロが手を放すことを口にしようとした瞬間、突如として広場に大きな声が響く。


「皆の者! 今日という日、新たな友に出会えたことに改めて感謝しよう!」


 宴を楽しんでいた長耳族の注目を浴びたのは、一段高くなった舞台の上に立ち上がり声を張り上げているマガ長老である。

 普段話す際の枯れ木をこすり合わせたような年季の入った声ではない、朗々と響き渡るしっかりとした声音である。


「先日、我らは新たな友を集落に迎えた。皆も知っての通り異世界からの来訪者じゃ。文化や思想の違いからくる摩擦もあろう」


 だが、と声を張り上げるマガ長老。広場の誰もがその話に聞き入っていた。

 しかしエリーはと言えば、視線はマガ長老に向けているものの意識は握った手に向けられていた。握ったアーロの手の感触を確かめるように、にぎにぎと揉んでいたのだ。さらに摩擦がどうの、という言葉が出た時には、そのほっそりとした指をアーロの骨ばった指にすりすりと擦り合わせていた。


 そいう摩擦じゃない! と言いたくなるアーロだったが、今声を出すと確実に目立つ。さらには集落の長の演説の最中である。空気を読まざるを得なかった。


 腕を振りほどこうにも守衛の一族なためか、エリーの手の力は思いのほか強い。結果、しばらくにぎにぎ、すりすりとされるがままだった。


「彼らが友好を望むのならば、友好をもって返すのだ。我らは森と共に生きるもの。たとえ嵐や大雨があったとしても、森はただ受け入れるだけじゃ」


 片手で解けないならば、とアーロは左手でエリーの手をこじ開けようとしたが、そちらも伸びてきたエリーの左手に押さえつけられる。

 抜け出そうとする手を握りこむ、開こうとする手に指を絡めて抑え込む。水面下の攻防、静かな格闘を二人は続けていた。


「彼ら丸耳族との交流によって、我らの生活もより豊かになるだろう。これを見よ! 丸耳族からの友好の証じゃ!」


 マガ長老がそう言うと舞台に数人の長耳族が上がり、手に持っていた色鮮やかな織物を広げて掲げる。

 広場にいた長耳族たちから、ほぅ、ともおぉ、ともつかぬ感嘆の声が漏れた。

 アーロが先日マガ長老に渡したお土産である。集落に世話になるために持参した土産を貢物のようにアピールするあたり、抜け目がない。


 掲げられた緑、青、黄、白色に染められた生地に草花をモチーフにした丁寧な刺繍が施されている織物は、長耳族の者たちが着ている服に使われる生地とは全く違う。かれらは主に植物繊維を編みこんだ緑色や茶色の服や、虫の出す糸を編んだ白色の服を身に纏っている。染料による模様をつけたり、羽や花などの飾りをつけることで華やかさを加えているが、刺繍などの技術は無いようである。


「綺麗だな……」


 エリーも両手はアーロとの格闘を続けているが、視線はその織物に釘づけであった。


「見事な品であろう! 丸耳族の世界と結ばれることで、このような品を取引することができるのじゃ。皆の者、交流を前向きに考えてもらいたい!」


 我らの新しい友に! という宣言とともに、長老は酒の注がれた杯を掲げる。長耳族の皆も続いて杯を掲げ、歓声を上げて酒を飲み干し、嬉しそうに踊り出す者まで現れた。

 これにてマガ長老による演説は終了のようだ。長老は舞台から降り、織物を掲げていた者たちもそれを畳み、集落の真ん中にある《王樹》へと引っ込んでいく。


 エリーはその織物をいつまでも目で追っていた。

 そして、その隙をついてアーロはエリーの拘束からの脱出を成功させていた。


「あっ」


 手が離れたことに気が付きエリーは思わず声を上げるが、再び手を取ることは不自然と感じたのか、伸ばしかけた手は虚空を彷徨う。

 しゅんと下に垂れた長耳と心なしか悲しそうな表情をするエリーをよそに、アーロは背負い袋の中身を漁り、布で丁寧に包装された木箱を取り出す。

 そして箱が潰れたり壊れたりしていないことを確認すると、木箱をエリーに差し出した。


「……なんだ?」

「贈り物だ。開けてみてくれ」


 贈り物という言葉にエリーは耳をピクリと反応させ、周りにいた長耳族の女性やウェインも注目した。

 エリーは恐る恐るといった手つきで包装用の布を解き、丁寧に畳んで懐へと仕舞う。そして木箱を開け中に入っていた品物を取り出すと、驚いたように目を瞬かせた。


 木箱の中に入っていたのは、真紅のスカーフである。着けると首元に当たる部分には、刺繍により草花の模様が描かれている。

 先ほどマガ長老らが掲げた織物に劣らぬ逸品である。選んだのは野良猫商会のトラだが、年頃の女性が好みそうだが、決して派手すぎない、よいセンスだった。


「これを、私に?」


 手元のスカーフとアーロの顔を交互に見やり。顔を真っ赤に染めるエリー。

 いつまでもつける様子がないので、アーロはスカーフを手ごと首元へ押し付け、見た目を確認する。


「そうだ。いい柄だな。派手かと思ったが良く似合う」


 勝気そうなきりっとした目とや顔だちは赤色によく合っているし、巻いてゆったりした首元に近い長耳は良いアクセントになるだろう。

 そうしてエリーの鮮やかな緑色をした髪の毛と真紅のスカーフは、お互いに邪魔をすることなく調和していた。


「あ、あ、ありがとう!」


 驚きやら嬉しいやら何やらで耳の先まで真っ赤になって礼を言うエリー。

 さらに周りもそれを見てやんややんやと騒ぎ立てる。


「おい、これって……」

「信じられない」

「すごーい! 綺麗な赤色!」

「やったねエリー」


 冷静なお姉さん然としているマヤでさえ、驚いた様子であらあら、なんて呟いている。

 ちなみにウェインはアーロとエリーの様子をみて、なぜか腹を抱えて笑い転げていた。


「だ、大事にするからな! ちょっと待ってほしいけど、へ、返事もお返しもする!」


 スカーフを胸元でぎゅっと抱きしめ、先ほどまでの自身たっぷりの様子はなりを潜ませて、耳どころか手まで染めてどもりだすエリー。


「ん? 返事?」


 アーロの発した疑問の言葉はしかし、贈り物を貰ったエリーを祝福する声や真紅のスカーフを称賛する声にかき消された。後ほどに尋ねようにもエリーは心ここにあらず、といった様子であぁ、だのうん、だのという生返事しか返さない。

 なんだか嫌な予感がする。そう思ったアーロはウェインに尋ねようとするが、にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべて躱されてしまい、要領を得ないまま時間が過ぎていく。

 そうして宴は夕刻まで続いた。途中から何やら騒ぎ出した長耳族の若い衆の男と女にしこたま酒を注がれることとなり、残すわけにはいかないアーロはぐいぐいと飲み進め、ついにはべろべろに酔っぱらって潰れてしまった。

 楽し気な雰囲気に誘われた妖精たちがまだそこら中で光り瞬くなか、長耳族の集団はウェインとアーロを天幕へと送り、手伝っていたエリーは去り際に花のような笑みを浮かべて言った。


「アーロ。ありがとう。またあした、ね」


〈エリーと仲直り〉イベントをこなしました。

 エリーと同僚になりました。

 好感度が1上がりました。


〈エリーへの贈り物〉イベントをこなしました。

 好感度が4上がりました。


登場人物紹介

マヤ 20代中盤

 灰色髪(白髪ではない)。長耳族の女性。

 食料収集を担う部族の長であるマガ長老の娘。


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200ブックマークや1万アクセスを越えました! ありがとうございます。

これからも更新頑張ります。

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