恋の自覚
とある人が覚醒します
部長さんがやってきた。
「おはようございます、部長さん」
「おはよう、吹奏楽部に入って」
「あらら」
「あららじゃないわ! その才能を勿体ないと思わないの?」
「いや~別に。田中さんと一緒の方が良いので」
「ムムム」
私はプリプリしながら戻る。
部長さんがまたやって来た。
「こんにちは、部長さん」
「私手製のお弁当あげるから、吹奏楽部に入って!」
「あらら」
「凄く無口なあなたの知り合いから色々聞いて、あなた好みのおかずよ!」
「その知り合いって佐藤ですね?」
「え? そ、それは言えないわ!」
「まぁ良いですけど、お弁当は田中さんにあげたら喜ぶと思うので、田中さんにあげてください」
私は悲しさと怒りと、あと何かを感じながら戻る。
「ムムムムム」
そこで気づいた。
もしかしたら、私は。
懲りずに部長さんがやって来た。
「そろそろ部活では?」
「今日は休み」
「あらら」
「ねぇ、少し話があるのだけど」
「話? 吹奏楽部には入りませんよ?」
「良いから来なさい!」
やって来たのは屋上。
「はー、それで何だすか? 田中さんが待ってるんですけど」
「君は田中さんと付き合ってるの?」
「え?」
「付き合ってるの?」
「残念ながら付き合ってませんね」
「ふぅん」
「それがどうしたんです?」
「田中さんといて、そんなに楽しい? 付き合ってないのに」
「はい。一緒にいるだけで幸せです」
「・・・・・そう」
今日の部長さんはちょっとおかしい。
とても悲しそうな顔をしてる。何か気に触るようなことは、今日の場合言ってないはず。
たっぷり3分、黙ったままの部長さんは、いきなり顔を上げて、僕の方を向いた。
「決めたわ!」
「え、何を?」
「私はあなたが好き! それを今、きちんと認める!」
「えぇ!?」
と、突然どうした!?
「だけど、今のあなたは田中さん一筋。そうよね」
「は、はい」
「だから!あなたが私に振り向くよう、これから頑張るから!」
「は、はぁ・・・・?」
「何その顔は! シャキッとしなさい!」
「は、はいっ」
「うん、よろしい!」
ニカッと、歯を出してお日様みたいに輝いた笑みを見せる。
それから右手を差し出した。
「それじゃあ、よろしくね!」
「は、はい」
握手。しっかり少し湿った手を握る。
「じゃあ、また明日ね!」
部長さんは手を離すと、そう言って去る。
残された僕は握手した手をニギニギしながら、呆然と立ち尽くす。
「・・・・何だったんだ?」
その後の、私。
「~~~!」
熱くなる頬、早くなる胸の鼓動を振りきるように、廊下を早足で進む。
凄くドキドキしてる。
でも、私は後悔してない。
「うん!頑張るか!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!今回は、部長さん頑張りました。これからどうなるか、実は作者もわかりませんが、きっと彼女なら、という思いもあります。
ではでは、そろそろこの辺で。また次回でお会いできるよう、部長さんを見習って頑張ります!




