今日は別にそうじゃなかったのに本を手にいれてしまった
佐藤と本屋に来た。
「じゃあ、僕はこっちね」
「ん(じゃあ、私はこっち)」
「わかった」
「ん(覗いたら殺す)」
「こっちの台詞だ」
佐藤は隠れ腐女子である。
「何が好きで読むんだろうなぁ」
不覚にも所持しているため、つい笑ってしまう。
小説のコーナーで、僕がBL本を買ったときの店員さんと再会した。
「さ、さて面白い本あるかな~」
「い、いらっしゃいませ~」
(うわぁ、明らかに意識されてる)
(きょ、今日は小説の方なのかな?)
(く、気まずいなぁ)
店員さんの視線が気になるが、潔白を証明しようと真っ当な本をとる。
(信濃川乱走の、大陸の鬼! これは普通そうだ!)
「あっ」
「ん? あれれ?」
(あれって、主人公を好きな男の人が出るんじゃ)
(古典物かぁ!?)
そこに佐藤が現れた。
「や、やぁ見つかったの?」
「ん(いいえ、残念だけどなかった)」
「あらら」
「ん(でも、ふうん)」
「な、なに?」
「ん(それを読むなんて、あんたそっちもいけるの?)」
「ち、違うって!」
(何を話してるかわからないけど、もしかして二人っておなじ趣味なのかな? 女の子もBL本持ってるし)
はじめましての方ははじめまして。おひさしぶりの方はおひさしぶりです。今回は、ある意味で続いていたあの話の三話目です。
個人的には、その手の分野には知識はないのですが、取り上げている作者と本のモデルは読んだことはあります。なかなか面白くて、やっぱりすげーと思ったものです。
実は前回で30話いっていることに、投稿したあとで気づいてしまったのですが、まあ20話から考えてすぐにここまで来た感じがします。
これからも応援してください。それでは。