そういえば。
「田中さんに新たな意中の人が」
「ん(久し振りね、野球部の一件以来かしら)」 「ああ。腕が鳴るよ」
「ん(木村さんのね)」
田中さんは恋多き人だったのだが。
「好きな人とかいないの?」
「うん、恋に恋してたの私」
「おぉ」
「『キリマンジャロ虐殺』っていう恋愛小説のせいでそうなってたのかもね」
「タイトルからして一切恋愛要素ないのはツッコミ待ち?」
あと言われたらしい。
「何を?」
「お前はもう付き合ってるやついるだろって」
「あらら」
「不思議だね~」
(はぐらかした?)
そういえば最近の田中さんは少しキャラが違う。
「何か変なの食べた?」
「え、なに?」
「いや別に」
「そういえばね、テレビでやってたの。恋愛は経験だって!だから練習してるの!」
「は?」
「結婚式ごっことか、色々!」
「あ、そういうこと?」
「でも最近おかしいの」
「昔からあでっ」
「もー、真面目に聞いて!」
「はいはい」
「私ねたまに胸がドキドキするの」
「病気じゃないよね」
「うん、健康を絵に書いたような人ってよく言われるもん」
「だろうさ」
「だけど、ね。」
「うん」
「もしや恋かもって、この人かなって思うときがあるの」
「へー(誰だそいつ見つけ出して)」
「多分君かも」
「ふぇ!?」
「なーんてね!」
田中さんがウィンクした。冗談だったらしい。この野郎、可愛いから許す。
「もう田中さん、脊髄が折れたかと」
「心臓が止まるとかじゃないんだ!?」
「じゃあ誰なの?」
「わかんない」
「嘘こけ、その顔は嘘って顔してるよ?」
「え~、そんなことないよ~」
「怪しい、けど信じよう」
(嘘だもん)
どうでしょうか?糖分多かったですかね?




