最後のポテチ
ポテチがあと一枚残った。
「いくら田中さんでも、手は引っ込めないよ?」
「フフフ~、こっちだって絶対譲らないからね~」
「あらら」
「あ、UFOだ!」
「そんな手には引っ掛からないよ」
食べ物になると田中さんはしつこい。
「たまには僕に譲ってよ」
「や」
「あらら」
「勝負って非常なんだよ~」
「こりゃ長引くな」
ジャンケンにすることにした。
「ジャンケン、ポン」
「パー!」
「パー」
「ムムム」
「あいこだね」
「お前ら何してるんだ?」
木村さんが現れた。
「残り一枚のポテチを巡って勝負中なんだ」
「うん、白熱してるの」
「あー」
「どうしたの青い顔して?」
「実はな」
「あー!? ポテチがない!?」
「え、ホントだ!」
「わ、わりぃ、あたしが食べた」
こうして、醜い争いに決着がついた。
「こういうこともあるさ」
「うん。でも良い勝負だったね」
「そうだね。握手しようか」
「あ、でも油で汚れてるから手を洗おう?」
「木村さんがおわびに買ってきてくらるから、その時にしようか」
最後まで読んでいただきありがとうございます!今回は不毛な争いでした(笑)
ではでは、次回でまたお会いできますよう頑張ります!




