1ー12
なんかノリで書けちゃった☆
まあ、矛盾たっぷりグタグタ小説なんやけどね!
でわでわ、物語スタート!
「……ロアール、大丈夫?」
「はぁ……はぁ……。ん、もう少し、……まって」
「分かった」
オレンジ色に染まりつつある空。
地面へと大の字になって寝転び、乱れた息を整えているロアールとそばに座ってそれを待っている優。
ロアールの服には所々、土がついており、露出している肌にはかすり傷などが見える。
「どうだった?」
「きつい。……だけど、楽しかった」
「そう」
優もロアールの隣に寝転ぶ。
「やっぱり、明日行っちゃおうか」
「どうして?」
「これといって特にはないけど……」
「けど?
「ロアールにつききっきりで3日も教えていたら、俺の主人とその友達が追いつくのに時間かかっちゃうな、と思ったり」
「大丈夫。あの子たちは強いから」
上体を起こしたロアールは振り返り、微笑みながらそう告げる。
それに優は一瞬、驚いた表情を見せたあとにクスッと笑みを漏らす。
「ロアールがそう言うなら大丈夫なんだろうね」
優も上体を起こし、そのまま立ち上がって伸びをする。
「ん、ならば残りもロアールを鍛えてやろうではないか」
「……頑張る」
服に付いた土を払いながら立ち上がったロアールも優と同じように伸びをする。
「なら、明日は今日よりもすこしレベルを上げようかな」
「それは勘弁」
「冗談冗談」
あはは、と笑いながらロアールの転移でエガースの家へと帰る頃、オレンジ色に染まりつつあった空には星が散りばめられていた。
☆☆☆
先のことを考えると長いな、と感じることがよくあるが、振り返ってみるとだいたいはあっという間に過ぎている。
つまり何が言いたいかと言うと、だ。
気がつけばご主人と久しぶりの対面の日となっていた。
おそらく、いや、90パーセント以上の確率といっても過言ではないのかもしれない。
会ったらきっと……殴る蹴るはされるだろうな……。
下手すると無意識下で魔力強化付きかもしれない。
「おい、黒。いつまで飯食ってるつもりだ?」
「……もう、ロアールがいてもそう呼ぶんだな」
「ああ。嬢ちゃんは秘密を守るからな。どっかの誰かとは違って」
「はいはい、俺が悪ぅございました。ってか、ロアールのこと情ちゃんって呼ぶのな」
エガースの野郎め。あの時のことをまだ根に持っているとか。もう、この世界の時間軸だと五百年経ってるんだろうに……。
「それにしても、まだ信じられない。優があの黒だったなんて。エガースさんも子孫とかでなく、本人だったなんて」
「まあ……昔の話だ。今じゃただの老いぼれジジイさ」
「はいはい、わろすわろす。いまのエガースだって本気出せば国の1つ2つ潰せるくせに何言ってんだか」
「ちょっ!? 何言って……」
「気がついてないとでも?俺が?いまだって毎日欠かさずに鍛錬してるくせに」
「…………っち」
バカにしてるわけじゃ無いんだけどな……。ま、別に言う必要はないか。
相変わらず、エガースは分かりやすいことで。
「それより話を戻すけど、黒。いつまで飯を食べてるつもりだ? 今日は嬢ちゃんに連れてってもらうとこがあるんだろ?」
「そうなんだけどさぁ……会いたいけど会いたくないこの気持ち、分からない?」
「あ? 分からないな」
「そうだなぁ……例えると、惚れた女と仲良くなりたいけど、がっつき過ぎじゃないか不安になる気持ち、みたいな?……それなら分かるでしょ?」
「お、お前っ……!」
「……なんの話?」
「ちょっとした恋愛事情について、ね。そろそろエガースが不貞腐れると思うから、行こっか」
俺はすでに食事を終えていたので、皿はそのままテーブルの上に放置し、エガースが面倒なことにならないうちに家から出る。
続いてロアールが家から出てきた次の瞬間。
「ーーうおぉぉおおお! わぁあああああ!」
エガースの叫び声が聞こえた。
慌てて戻ろうとするロアールの腕を取り、なんで?と不思議そうに首を傾げながら見てくるロアールに首を横に降る。
「いまのは叫び声じゃなくてね、恥ずかしく、悶えそうなのを叫んで発散させているところなんだよ。床を転がっていることが聞こえるでしょ?」
ロアールは目を閉じ、意識をエガースの家にへと向ける。
しばらくして。
「ん、聞こえる」
おかしそうにクスッと笑みを浮かべながら俺と目を合わせる。
「さて、いつまでもここにいたら落ち着いたエガースにバレるからね。そろそろここから離れようか」
「分かった」
俺の左手にロアールは自身の右手を絡ませる。
転移させるのに体の一部が触れている必要はないんだけど……ま、いいか。
☆☆☆
「あー……しんどい」
ノールはいま、池に足を入れた状態で地面に横たわっている。
池の周りは、ノールが同じところを何度も走ったために踏み固められている。そのため、そこだけ雑草などが生えていない。
そのまま、しばらく目を閉じて息を整えていたが、ある程度整ったところで目を開けて上体を起こし、右手に杖を持って左手の人差し指を立てる。
「お? 簡単に出来るようになったね」
「ひゃあぁぁぁ!? きゃっ!」
人差し指の先に炎が灯ったとほぼ同時に後ろから声をかけられたため、集中が乱れて灯った炎が消える。それだけではなく、驚きすぎて立ち上がり、バランスを崩して前に倒れ、池にパシャンと音を立てて顔から入ったまである。
「…………え? 俺が悪いの?」
「うん」
「そ、そうですね……いまのは優さんが悪いかと」
聞き覚えのある男の声。それに加えて小さい頃はずっと一緒に遊んでいた幼馴染の2人の声。
濡れた髪や顔についた草など気にせず、おそるおそる振り返り見るノール。その目に映ったのは幼馴染2人と、2人に挟まれて立つ自身の使い魔。
「大丈夫?」
「…………ょ」
「ん?」
優たちを見たと思ったら俯き、前髪で表情を隠すノール。
心配した優が近づき、声をかけるがノールの声が小さくて聞こえないため、さらに近づいたところで――。
「いままで何してたのよ!!」
「うぐっ!」
――完全に油断しきっていた優の鳩尾にノールのパンチが突き刺さる。
しかもただのパンチではなく、身体強化に加えて魔力強化を施したおまけ付き。
ノールの立っている場所が池の中であったため、なれない足場でバランスが安定しなく、本来の威力を出しきれていないが、それでも生身の人間を屠るには十分すぎるほどの威力はある。
パンチを受けた優は吹っ飛び、そのまま木に体を受身も取れないまま打ち付ける。
「いたっ!」
「……っ! だ、大丈夫!? 優!!」
打ち付けられた時に漏れた声がノールの耳に届き、気を取り戻し、慌てて池から出て優の元に駆け寄る。
木に寄りかかり、眠るようなその姿はさながら死んでいるように見える。
「ゆ、優? じょ……冗談は止めなさいよ。いまので死んだとか言わないわよね? ほら、目なんか閉じてないで今すぐ開けて、嘘でしたっ! って言ってまたわたしをからかうんでしょ? そうよね? ね?」
肩に触れて揺さぶっても目を開ける様子の見えない優に、ノールは目に涙を浮かべながら先ほどのように揺するのではなく、思いっきり前後に優を揺さぶるが、それでも目を覚ますそぶりを見せない。
「お願い……名前を呼んだら返事をしてよぉ。……優……」
「何? どしたの?」
「…………へ?」
涙を流しながら優の胸に自身の顔を押し付け名前を呼ぶと、上から返事が返ってきたことに驚き、マヌケな声を漏らして固まるノール。
「なかなか効いたよ。約束を守って走り込みと魔力を練る練習をやっていた証拠だね」
「……………………」
「ノール?」
「――バカァッ!」
「んぐっ!?」
またも俯き、黙ってしまったノールに声をかける優。
再び身体強化に加え、魔力強化を施したパンチが優の頰を捉える。
今回もちゃんとしたパンチではなく、目を閉じて前に突き出しただけなので吹っ飛び、木に頭を打ち付けるだけで済んでいる。……殴られた頰は赤くなっているが。
「はぁ……、はぁ……。……心配して損した」
腕を前に突き出したまま乱れた息を整えたノールは最後の方を誰にも聞こえないように小さな声でつぶやく。
「今のも優が悪い」
「わ、私もそう思います」
そこでようやく、いままで黙って事の成り行きを見ていたロアールとエフィーがノールのもとにやってくる。
「そういえばっ! なんでエフィーとロアールが優と一緒にいるの!?」
「ノ、ノールちゃん、落ち着いて。私はさっき、ロアールちゃんと優さんが2人で家に来て、転移で来たんだよ」
「私がずっと優と一緒にいた」
「ノールに置いて行かれた後、ロアールをみかけてね。国とかに連れてってもらってた」
イテテ、と頭をさすりながら優もやってくる。
「まあ、色々と話したいことがあるとは思うけど、取り敢えず3人で走っておいで。――俺がいいって言うまで」
「「「――へっ?」」」
このときの3人の惚けた顔はものすごく面白いことになっていた。
「うん、いいんじゃない?」
日が沈みかけ、空はオレンジ色になったところで優は声をかけた。
優の前には3人が息を乱して大の字になって寝転んでいる。
走り始めた頃は日がまだ高く、ノールたちもすぐに終わるだろうと高を括っていたが、走り始めて5周目を終えたところでも優がニッコリと笑っているところを見てその考えをすぐさま改めた。
「ノールとエフィーもこの走り込みをさせた意味、理解できて嬉しいよ」
3人に優が声をかけるが返事はない。3人は息を整えるのにいっぱいいっぱいであった。
「それにしても、ロアールはもうちょい持つと思ってたけどそうでもなかったね」
「普通、鍛え……はぁ……ない。強化すればいい、思ってるから……はぁ……」
「なるほどね。だけどノールとエフィー、少ない日数なのによくここまで走れるね」
「私、も……ハァ、エフィー、も……ずっと、ダメ元……ハァ……で走ってた……から」
「うんうん、いいことだ。予定よりも早く強くなれるんじゃない?……ん?」
すぐに飛びつくと思っていた優だったが、反応がないことに首を傾げながらノールたちを見てみると。
「すぅ……」
「……ん」
「…………」
気持ちよさそうに寝ていた。
「まったく……」
それを見た優は優しそうに微笑むと――。
「アホ3人! ストレッチをしろ! それとこんなところで寝て風邪でも引いてみろ! 色々と遅れるぞ!」
――それぞれの頭を叩いて起こす。
「いたっ!」
「はうっ!」
「……痛い」
恨めしそうに優のことを見るが、言っていることを正しいと理解しているからか何も言わずにストレッチを始める。
「それにしても、ストレッチで通じるんだ」
「たぶん、私達だけだと思うけど」
「ん、まあいいや。ノールたちに通じればどうでもいいし。…………翻訳魔法が働いてノールたちには違った言葉で聞こえているかもしれないし」
ストレッチを終えたノールたちは優のことを見る。つぎにどうすればいいか聞くためだ。
「そうだね。この後は普通に風呂入って飯食べて」
ようやく終われる! と目を輝かせる3人にもはやお決まりのように優はニッコリと微笑む。
「食後の休憩を終えたら俺の魔法講座な」
「「「…………」」」
「頑張ろっか」
ガックリと肩を落とす3人と対照的にどこか楽しそうな優。
3人の夜は長くなりそうだ。
次はヤンデレもののほう書くから、次載せるん時間かかるかも!
ってことでまた次回〜




