爆乳って何カップから?
宣言通りほのぼのしてます。お母様は人間やめたくらいのレベルでお強いらしい。
「起きなさい、ホウキ。」
起きるって、何を言ってるんだよ。俺ってば、死んだはずだろう。そこら辺の人間じゃ体験できないようなホラー体験してさ。俺の精神はもう限界をすでに突破してるんだ。だからさ、もう少しでいいから。
「……たたき起こすわよ!」
声が聞こえた瞬間、何か固いもので頭を勢いよく殴られた。瞼の奥で火花が散る。意識が飛ぶほどの激痛って、なにで叩いたんだ。うっすらと目を開けるとちかちかとした視界の中に、綺麗な女の人が手にフライパンをもって立っていた。眦を吊り上げ、怒りのオーラを体中から発して。右手のフライパン。そして破壊的な爆乳。正に、その姿は。
「悪鬼だ……」
「誰が鬼ですってえ!!」
もう一発フライパンで殴られた。こどもを殴っちゃいけないんだー。と言ったらさらにフライパンで同じところを殴られた。解せぬ。
「いただきます。」
眼の前にあるのは日本で見たことのない料理の数々。惰性でその料理を口に運びながら頭は疑問を投げかけ続ける。なんで、俺は生きているのだろう。だって俺は死んだんだ。なのに、何で――?
俺の脳内が答えを出しているのには気づいていたのに、視ないふりをした。だって、『転生』だなんて。考えたくもない。なんで俺なんだろう。母さんとか、父さんとか、もっとほかの人を転生させてくれよ。俺なんかより、十分『第二の人生』を楽しんでくれたはずなのに。
「どうしたの?ホウキ。」
神様は俺をいじめることがよっぽどお好きらしい。『宝喜』だなんて。どこまで俺に『第二の人生』を謳歌させないつもりなんだろう。別にそんなことしなくても、謳歌する気なんて毛頭ないのに。どうしてそこまでするのだろう。
「大丈夫、気分でも悪いの?」
そう聞いてくる女性――きっと母親だろう――に「大丈夫」 と返す。この体の持ち主の母親だとしても、心配をかけたくはなかった。
「なら、いいけど。」
向日葵のような笑顔を見せた母は恐ろしいくらいに美しかった。俺がもしも熟女好きだったらきっと垂涎モノだろう。適度にくびれた腰に、すらりと長く、細い脚。しかも爆乳。笑うたびにぶるぶると揺れる胸は……止めよう。
さて、これかどうするべきか。できることなら今すぐ自殺でもなんでもして楽になりたいところだけど。
「本当に大丈夫~?」
じっ、とこっちを見つめてくる母さん(多分)に悪いからそれはやめよう。独り立ちできるレベルまでは育ててもらおう。
「……」
別に、ぶるんぶるんしてる胸につられた、とかそういうわけじゃない、ないのだ、絶対
次話は八月十六日に投稿予定です。