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言神さまに選ばれしワラシ子
よく大ばばさまは呟いていた………
彼女 氷河 美姫は……
「随分おおきくなったの~?
今はいくつになった?」
「…………16にございます」
畳に正座し、両手を付けたまま言い放つ
その言霊の力を強く身に寄せる異端者でもある
「そうか、16になったか
月日は早いものよのぉ~…………
大ばばさまが無くなって、早くも10年が過ぎてしまったか……………」
大伯父である樋村 正紀は、ポツリとそう呟く
「はい、時は短こうございますね……………」
すっと、身体を起こして中庭にある池を見つめる
大ばばさまがなくなった日……………
それは、美姫にかけられた封印が解けた日でもあった
大ばばさまは、ある日突然、
中庭にある池の中で倒れて無くなっていた
当時、まだ学校に通っていた美姫は、父からその話を電話越しで学校で聞いていた
あまりのショックに、美姫は、その場で、
『なんで気付かなかったの?なんで助けなかったの?見殺しにした奴、死んじゃえばいいんだ!《しんじゃえ!》』
使ってはいけないとわかっていた“言霊”を、発動させてしまったのだ
そして、
電話ごしで、声を聞いていた美姫の父が、そのまま不慮の事故亡くなってしまったのだ……………
初めて、この力で人を傷つけた瞬間であるのと同時に……………
今までにないくらい、強い言霊の力を感じるようになった日でもある