表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

とある世界

ある薄汚れた正午にて

男が一人、おりました

小さな管に口を当て

大きなシャボンを吹きました


虹色含むその珠は

ゆらりゆらりと浮かびます

男はなにか、切なくて

小さく泣いて、おりました


10月半ばの昼頃です

男が一人、おりました

小さな管に口を当て

大きなシャボンを吹きました


可愛い子供が無邪気にも

手を叩いてははしゃぎます

弾けた珠は霧散して

手を叩いてははしゃぎます


風邪を引くわと、妻君は

家から二人を呼びました

淡い気持ちのシャボン珠が

どうにも切なくさせるのです

胸を押さえた妻君が

家から二人を呼びました

木漏れ日、シャボン、揺れ惑い

どうにも切なくさせるのです



日も傾いた秋の日に

男が一人、おりました

小さな管に口を当て

大きなシャボンを吹きました

シャボンはじわりと膨らんで

青い空へと浮かびます

皆を捨てて、私を捨てて

青い空へと浮かびます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ