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乙女ゲームの第三者〜徒然なるままに

作者:
掲載日:2026/06/02

練習として、ゆるっと、ふわっと、ダラダラと書いてます。

 突然だが、俺の兄弟猫の話しをしようか。

 …俺は人間だが何か?

 話すのは兄弟猫の…あぁ、兄弟のように一緒に育った猫の事に決まってるじゃないか?

 は?知るか、だって?

 まぁ、これから知っとけ。

 ちょっとした付き合いになるんだからな。

 はっ?馬鹿馬鹿しいって言われても、それこそ知るか、だな。

 …なんだ?急にだんまりか?

 まぁ続けるぞ?


 兄弟猫の名前はミュー。

 黒猫で、腹の方に星模様の白毛が生えていた。

 短毛種で尻尾が長くて、かなりのイケにゃんだった。

 ん?イケてるにゃんこのことだが?

 人間でもイケてるメンズはそう言うだろ?

 あっ、メンズはないか。

 イケてる顔面だな。イケメン。

 まぁ、置いといて…お前急にうるさくなるな。

 突っ込まず、黙って聞いとけよ。

 どうせ他にやる事ないだろう?

 聞いとけ聞いとけ。


 イケにゃんのミューだが、勿論狩りも上手かった。

 一撃必殺で獲物を狩る姿の凛々しい事。

 俺がメス猫だったら間違いなく惚れてたくらいに、かなりの腕前だったな。

 しかもガキの俺にも優しいなんて…かなりモテてたに違いない。

 脱線したな。

 狩りが上手かったもんだから、俺にも狩りを仕込み始めたんだ。

 人間の3歳児の能力で狩りなんて無理なんだがな?

 心配してくれてたんだろうさ。

 親は俺に構いもしなかったからな。

 ミューが兄貴で、俺を育てようとしてくれてたんだろうな。

 

 ミューは時々、弱った状態のネズミを俺に運んでくれたんだよ。

 まぁ、猫的には狩りの練習だな。

 弱ったネズミに、とどめを刺すの見せてくれたな。目の前で。

 …口からネズミの尻尾が垂れてる様は、今でも夢に出てくるが。

 兄貴の心遣いだからな。文句は言えねぇや。

 何が言いたいって?

 まぁ、3歳児でもな?お膳立てされた練習だって気付くって話なんだが?

 猫の狩りとは全然違うって?

 はん。自分の力量も分からねぇ人間に言われたかないな。

 お膳立てされた試合で勝って有頂天になるなんて、恥ずかしいにも程があるぜ。

 兄貴が見てたら、猫パンチもんだぜ?

 …羨ましい。

 ん?猫パンチだぞ?羨ましいだろ。

 愛ある一撃だからな。

 幸せパンチだ。

 食らったら、結構胸に響くぞ?

 まぁ、兄貴の本気の猫パンチは壁に穴が開くほどだが、愛のパンチは胸に響く位に加減されてるからな。

 ん?壁か?本気で穴が空いてたぞ?

 兄貴の猫パンチ本気バージョンは、森ウルフを昏倒させる位の威力だからな。

 イケにゃんだろ?

 ん?猫の話しは、もう要らないって?

 つまんねぇな。

 猫最高なのにな。


 まぁ今回の事は、坊っちゃんの人生経験が乏しかったせいだな。

 普通はどこかおかしいって気付くもんだけどよ?

 今まで苦労なんかして来なかったんだろ?

 上手く行って当たり前で来てたんじゃ、騙されてる事に気付けないってヤツだな。

 しっかし、まぁ、よくもこんなに綺麗に騙されたもんだなぁ。

 どう考えてみても、坊っちゃんの頭の中身を疑う位だぜ。

 花が詰まってたりするのか?おが屑か?

 何が詰まってたら、騎士科のトップに決闘を申し込むなんて阿呆な事、考えれるんだ?

 平民だからイケると思ったって?

 そりゃ、馬鹿にし過ぎだな。

 生活かけてのし上がって来たヤツなんて、強いに決まってるって。

 その強さに全てを掛けてんだからな。

 しかも公爵家御令嬢の護衛なんだからさ。

 強くて当たり前なはずだぞ?

 公爵家舐めてんじゃねぇ?

 話を持って来た奴等も頭イカれてるな。

 根拠も何もあったもじゃねぇ。

 んで、負けた腹いせをしようとして、とっ捕まって?地下牢に放り込まれた?

 え?馬鹿なの?

 いやいやいや。正直な話し、何考えてたんだ?

 え?

 護衛くんを公爵家から、御令嬢から解放しようとしたぁ?

 本気で?

 えぇ…無理矢理護衛させられて可哀想って?

 うわぁ…残念頭…

 …そのハーレム女、激ヤバじゃね?

 ん?ハーレムな。

 ハーレムってのは、群れのオス一匹が複数のメスを囲ったグループの事を言うんだが、この場合は逆ハーレムか?

 群れで生きる動物の中には、確実に自分の子孫を残す為に、そんな習性があるのもいるんだがな。

 逆ハーレムなんざ、誰の種だかわからんけど大丈夫なんかな?

 蟻とかミツバチと一緒の習性みたいなもんかな?

 わからんけど。


 え?その女が、せいじょ?

 性に奔放な女性って事で、せいじょか?

 違う?聖なる女性で聖女…聞いてると、奔放な方が合ってる気がするけどな。

 ん?そんなんじゃないって?

 いや、第三者になれば皆んな間違いなく、そう考えるって。

  坊っちゃんだってハーレムの一員だろ?

 えっ?違うって言われたってなぁ…

 世間様の認識じゃハーレムの1人だぞ?

 女1人に翻弄された1人ってヤツ。

 ダセェ事、この上無しって話だな。

 …ん?なんだ?外野も騒いでるなぁ〜

 坊っちゃんのオトモダチかぁ~

 みんな自分は違うって思ってんの?

 頭イカれてんなぁ〜

 そもそも聖女様ってんのは、処女じゃなきゃならんって聞いてないか?

 ん?何故黙る?

 神様の嫁さんなんだから、手ぇ出した瞬間に浮気だわな。

 んで、その瞬間に神様から貰ってた力は消える。

 浮気された当たり前の結果だよな?

 天罰下らん辺り、神様って優しいよなぁ…

 あっ、後は人間側でケリつけろってヤツ?

 …これ見放されても文句言えないヤツだなぁ。

 お前ら7人のせいで、人間が見放されたってなれば、全人間の敵になるわけかぁ…


 んで?どうなの?

 実際問題、誰が手ぇ出したの?

 え?聖女の力が無くなったんだろ?

 力が弱くなってって言われて信じたぁ?

 味方を増やそうとしたぁ?

 うわぁ…頭大丈夫かよ。

 誰か手ぇ出したに決まってんだろ?

 坊っちゃんは?はっ?手ぇつないだだけ?

 そっちも?

 ん?王子は違うのか?お前か?

 えぇ…チューしただけかぁ…

 だから手ぇ出してないって?

 いやいやいや。

 浮気判定が下った時点でオシマイだろうさ。

 神様が浮気ですって認識持っちゃったら、ねぇ?

 まぁ、教会のお偉いさんに神託来たらわかるだろうけどさ?

 いやぁ~…ないわぁ…

 …ちなみに聞くけどさ。

 あんた等みんな婚約者いたんだろ?

 そいつらが別の男と手ぇ繋いだり、チューしてたら、浮気ってならないの?

 オトモダチって言われて納得すんの?

 …そう言う事じゃねぇの?


 え?俺の事?え?今更?

 俺、坊っちゃんの家の魔術師だけど?

 なんで魔術師が来てるかって?

 いや、普通さ、まともなお宅の息子さんが急におかしくなったら、魔術的なんかが絡んでんじゃね?って思うじゃん。

 そうそう。それ。魅了とかの精神干渉とかね?

 坊っちゃん達は、一応掛かってんだけどさ?

 かなり緩く掛かってんの?って位なんだよなぁ…

 かなりガバガバの掛かってんだかどうか、わからねぇって感じでさ。

 これって完全に本人の意志でどうこう出来る程度な訳よ。

 これって、アレだよなぁ…って。

 ん?アレはアレだよ。

 アレ?聞きたいの?考え付かんの?

 アレって、廃嫡に決まってんじゃん。

 えぇ〜…そんな頭も無かったのかよ…

 考えればわからんか?

 自分の理性も制御できねぇ獣に、家督を継がせようなんざ考えるか?

 いや、超優秀なら考えると思うよ?

 どっか1つ欠けても優秀なら構わんって家門も結構いるからさ。


 ほら、辺境伯なんか良い例じゃね?

 魔神の様な強さがあるけど、内政が壊滅的にダメで、お嫁さんに丸投げの所ね?

 あと、そっちのオトモダチの親。

 そう、君。

 君、宰相の息子だろ?

 見ててわかるよな?

 感情が死んでても、仕事出来りゃ許されんの。

 お嫁さんも、息子2人産んで解放されたから好きな事してるだろ?

 え?気丈に耐えてたなんて思ってたの?

 ぶはっ!いや…全然見てないのな。

 お嫁さん、推し活でブイブイしてんじゃん。

 あっ、あくまでも推し活な?

 えぇ…推し活の説明も?

 面倒くせぇ…はいはい。

 自分が認めた作家や役者、その他モロモロを支援して支える活動だよ。

 『コイツは私が育てた』をして喜びを得てるのな。

 …そりゃ、宰相と同じ様な感情出さない糞餓鬼に育てる喜びを求めれるかどうかは、本人しかわからんなぁ…

 君の所の弟くんも、同じ様な能力なんだろ?

 どっちでもいいんじゃないの?

 兄弟いるのに、なんで廃嫡が頭に無いかわからんわぁ…お花畑の住人さんかな?


 王子だって弟くんいるだろ?

 まだ小さいって…え?それこそラッキーだろ。

 だってさ。悪い見本がいて?

 改善点が挙げやすいだろ?

 『あんな人間になるなよ』って教訓に最適だろうに…

 今から教育してけば、今の王子なんか簡単に超えるだろうしさ。

 王子を残しとく意味がわからないわ。

 悪い見本って、ある時期まで大事だけど…要らなくなるのは、早いんじゃね?

 ん〜…まぁ、そんな感じ。

 今後放逐されたら、どう生きるか考えとく方がいいだろうなぁ。

 まぁ、頑張って生きてくれ。

 坊っちゃんも、覚悟を決めといた方がいいですよ?

 お館様も婚約者さんもカンカンですからねぇ…

 …オトモダチ、頭大丈夫?

 漏れなく婚約者さん達、怒髪天を突いてますよ?

 えっ?怒りの余りに髪の毛が立ち上がり、天を突く勢いで逆立っているような状態っス!

 どこかの戦闘民族みたいっスよねぇ…

 …しらんけど。

 まぁ、自分の悪かった事は誠心誠意謝るのが命を守る一手でしょうねぇ…としか言えないよ…頑張って、生き延びてな?

 んじゃ、そう言う事で!

 俺は阿鼻叫喚の地下牢を後にした―――


 ―――応接室。

 地下牢から、真っ直ぐに関係者の集まる応接室へと向かい、特に問題なく到着。

 糞餓鬼の親父さん達、プラスアルファ婚約者さん達の親父さん達。

 王様も加害者側ってのが切ない所だね。

 お館様、もとい侯爵家家長が口を開く。

「して。どうであった?」

 当然、坊っちゃん達の事。

「はい。かなり強い魅了が掛かっておりました。本人達の強い抵抗があったのでしょう。身体的接触は、手を繋ぐ・口吻までで押し留まっておりました」

「ふむ。して、戻りそうか?」

「…それは、当人達次第でしょう。1度、心を完璧に折りましたゆえ、回復は早いとは思いますが」

「…折ったか」

「はい」

 それはもう、盛大に。

 自死注意でお願いしておこう。


「…此度の事は、神託に従い静観していたが。皆には多大な心労を掛けてしまった。申し訳ない」

 うわっ!王様、急に頭下げちゃったよ…

 ほら、見て御覧なさいな。

 親父さん達の慌てる姿を。

 阿鼻叫喚。

 こっちも、カオスだよ…


 しばらくして、場が落ち着いた。

 親父さん達の心労は、いかほどか。

「とにかく、殿下達に被害が残らねば良いのですが…」

 そう話し出したのは、殿下の婚約者さんのいるお家の家長さん。公爵家なんだよな。

 陛下のお嫁さんが隣国のお姫様だったから、国内で縁を求めて〜の公爵家。

 血は少し遠くなったから、大丈夫よね?

 くらいで縁を結んだ家。

 ふむふむ。

 色々と大変ですなぁ〜…

 完全に鑑賞体制でいる俺。

 ポップコーンとコーラが欲しい所だ。

「まことに。王家から内密に概要が知らされていたので、娘の方は特に傷はありませんでしたが…」

 宰相さん所と縁を結んだ、伯爵家家長。

「はい。殿下方が必死に抵抗されていたのは、娘も存じておりました。例の娘の言葉に抗い切れずとも、害を与えないよう配慮していたと聞いております」

 お付きの人候補の伯爵家と縁を結んだ、同等の伯爵家家長。


 …そうなのだよ。

 実際は坊っちゃん達、滅茶苦茶頑張って抵抗してたんだよ。

 かなり強烈な魅了魔法に掛かりながらも、婚約者さん達を守る為にギリギリの手段で乗り越えて来てたんだよね。

 まぁ、それまで思春期の男子ムーブで愛情を示していなかったのを内心凄く後悔していたのも知ってるけどもさ。

 そもそもの話し、神様から来た滅茶苦茶なオーダーが悪いんだけどね…


『神託。申し訳ない事に、次回乙女ゲームの舞台として選ばれてしまった。力の弱い私を許して欲しい…平民の娘が男爵位の家に引き取られ、成り上がる物語だそうだ。ハッピーエンド、もしくはバットエンドを迎え無ければ、繰り返しが起き、同じ時の中から永遠に逃れる事が出来なくなる…我が愛し子達に多大な試練を課す事になるだろう…これより干渉は切られる。どうか無事試練を乗り越えて未来へと進めて欲しい…』


 …神様も大変なんだろうなって思う内容の神託。

 いやいや、この世界の神様が心優しい神様ってわかったの大きいからね?

 いや、マジで。

 毎回戻されるのも、神託が下されるタイミングだし。

 記憶を引き継ぎされるのも、王様と神託を受け取る司祭様と、何故か俺。

 転生者特典らしいけども。

 要らない特典だわって、正直膝抱えたぜ。

 だから3人で力を合わせて、頑張りましたよ。

 毎回、毎回…途中でリセットされましてなぁ…

 向こうもリセットしたら、繰り返し乙女ゲームの世界を楽しめるって知ってたみたいだしな。

 毎回、良い所でのリセット。

 何度も3人で膝を付いて涙も流したし、本気の喧嘩もしたっけ…懐かしいなぁ…

 通算20回目。

 程よくジレジレ感を残しつつ、中途半端な時期に逆断罪をかまし乙女ゲームのヒロインを排除出来たのだ。

 逆ハーかまそうと欲張ってくれて助かったよ。

 更に対象者を勝手に増やしてくれて。

 御陰様で、つけ入る隙が多々あった。


 勿論、リセットの口を切らせ無かったからね。

 もう物理作戦で。

 乙女大好きマカロンを開発して、ここ1番に口にねじ込む。

 可愛い男の子のフリをした影を忍ばせておいて良かった。

 逆断罪開始→マカロン男子登場→ニコニコマカロン攻撃→マカロンうまー!→乙女ゲーム終了。

 あ、修道院エンドね?

 処刑なんて一発で終わらせてあげないよ?

 しっかり働いて返して貰いますから。

 本当はオッサン3人で抱き合って健闘を称えたい所だけど、未来へと進めて行かねばならない。 

「魅了から覚め次第、経緯の説明だな…」

 心をベキベキにした俺へのヘイトは凄いだろうけども、これで俺も一歩踏み出していける。

 ようやく仕事辞めれるわ!

 ビバ・スローライフ!

 

 夢に向かってGO!な俺は、その時の陛下の表情を見逃していた…と気付いた時には遅かった。

 後に宮廷魔術師長が語ったとか語らなかったとか…

練習にお付き合い頂き、また、最後の所まで見て頂き本当にありがとうございました。



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