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これが私の答え

本作は『優しいだけの俺は捨てられた。』の裏側を描く、沙里奈視点の物語です。


ここで、この物語はひとつの結末を迎えます。


彼女が何を選び、何を背負うのか。


最後まで見届けていただけると嬉しいです。

その後のことは、あまり覚えていない。


ただ、私は動いた。


証拠を集めて。


確実な形にして。


誰にも知られないように――送りつけた。



結果は、あっけなかった。


リョウマは、すべてを失った。


噂は静かに広がり、


居場所を、少しずつ削り取られていった。


やがて、彼はその場にいられなくなった。


「……終わった」


ぽつりと呟く。


長かったようで、


振り返れば、ほんの一瞬だった気もする。



タケシは、理解している。


りえこが何をしたのかも。


何が壊れてしまったのかも。


でも。


――その裏で、何が起きていたのかまでは、知らない。


そして。


それを知ることは、きっとない。


それでいい。


それ以上知れば、


きっと、何かが決定的に壊れてしまうから。



りえこは、もうタケシの隣にはいない。


それが、すべてだ。


それ以上でも、それ以下でもない。



全部、終わった。


遠回りして。


間違えて。


傷ついて。


それでも、ここまで来た。


「……ほんと、バカね」


小さく笑う。



私は、全部知っている。


でも。


それを誰かに話すつもりはない。


――これは、私が背負うものだから。



それでも。


私は、前を向く。


もう、逃げない。


もう、間違えない。


……たぶん。



「ほんと、無理しすぎなんだから」


「いやいや、これでもだいぶマシになったって」


並んで歩く帰り道。


タケシは、いつものように笑っていた。


「……ありがとうな」


ふと、そんな言葉をこぼす。


「え?」


「いや、なんでもない」


照れくさそうに視線を逸らす。


――優しいだけの人。


でも。


それでいいのかもしれない。



「……ほんと、ずるいな」


小さく呟く。


聞こえないくらいの声で。


その時。


ほんの一瞬だけ。


口角が、上がった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


この物語における“正解”は、ひとつではないのかもしれません。


それでも、沙里奈は自分なりの答えを選びました。


それが正しかったのかどうかは――


読んでくださった皆様に委ねたいと思います。


少しでも心に残るものがあれば、嬉しいです。

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