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7. エンドラ王国両陛下へ謁見

婚約を決めた日は、大急ぎでエルドラ王国のマナーをセルヴィアは叩き込んでいた。

セルシア王国のマナーは勉強しているが、エンドラ王国でのマナーは勉強した事がないのだ。

セルシア王国での社交界デビューですら6歳でまだなのに、まさかエンドラ王国でこんなに早く社交界デビューするとは思っていなかった。


公爵もそのうち外交も必要だろうとは思ってはいたが、まずは自国内でと思っていたので、セルシア王国のマナーの勉強をさせていたのだ。


明日は謁見のみで突然のことでマナーも気にしないように言われてはいるが、それでもエルドラ王国両陛下に失礼の無いように注意をしなければいけない。


幸い、セルヴィアは水を吸収するスポンジのように飲み込みが早い上に、努力家である。

更にセルシア王国のマナーの勉強もしていたので、エンドラ王国のマナーを必死に勉強し、1日で謁見できるレベルになった。


当日、王城へ向かうと、クリストファー殿下が出迎えてくれて、私は完璧なカテーシーと挨拶をした。


「本日はお越しいただき、ありがとうございます。セルヴィア嬢の初めてドレス姿を見ましたが、まるで天使のように可愛らしいですね。思わず見惚れてしまいました。」


こんなに完璧な美貌の持ち主に言われると、なんだか恥ずかしく感じた。


王太子殿下にエスコートされ、謁見の間へ行くとにこやかな両陛下がいたので、完璧なカテーシーと挨拶を披露すると更に嬉しそうにしてくださった。


「想像以上に素敵なお嬢さんだね。婚約を受け入れてくれて、ありがとう。」


「私のことはお母様と呼んでね。」


「私の事はお父様と呼んでくれたら嬉しいな。」


想像していた両陛下とは全く違い、とても気さくで優しくて私はすぐに両陛下が好きになった。

両親は両陛下とは度々お会いしているので、お互いに信頼している様子が伝わってきた。


婚約を書面でもやり取りをし、2週間後の婚約披露に向けて妃教育を受けて欲しいと言われた。

それからは毎日私は妃教育で大忙しになったが、クリストファー王太子殿下は私が無理をしていないか度々気にかけてくださったり、少しの時間でも一緒に過ごそうとしてくだった。


2週間後の婚約披露は両陛下主催でエンドラ王国の貴族が多く集まり、嫉妬、羨望、お近づきになろうとする者など、様々な視線を受けながら滞りなく行われた。

クリストファー王太子殿下の心から嬉しそうな笑顔を見て、私も嬉しくなったが、明日には私がセルシア国へ帰国するのが寂しいと呟いていたが、1ヶ月後に会えるのを楽しみにしていると言われた。

翌日は蒸気機関車が出発するまでクリストファー王太子殿下が見送ってくれた。

蒸気機関車で片道4日間の旅だが、蒸気機関車がなければ馬車で片道1ヶ月近くかかっていた距離だ。

ここ2年間は大体1ヶ月毎にセルシア王国とエンドラ王国を行き来しているが、今回の1ヶ月はとても濃密な1ヶ月だった。

エンドラ王国の製糸場では、現地で雇った平民の中から最も信頼できる人物を新しい工場長として引き継ぎも終わったが、しばらくは定期的に視察へ行くことになった。

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