2-6.クリストファールート「最後の学園生活」
クリス様はセルシア王国へ来た翌日には帰りたく無いと言いながら、エンドラ王国へ帰って行った。
帰りも寝台列車を使って2日間で帰国するらしく、本当に無理をして私のために来てくれた事が分かった。
申し訳ないのに、自分のために来てくれたのを嬉しく思ってしまった。
クリス様には感謝している。
学園生活もあと2ヶ月。
2ヶ月したらエンドラ王国へ嫁ぐのだと思うと今のように皆に会えなくなるのが寂しいが、クリス様に本音を全て伝えてからは、エンドラ王国へ行くのが楽しみだと思えるようになった。
イーサン殿下もリチャード王太子殿下も、親しい友人として接してくれる。
リチャード王太子殿下には、何度もお礼を伝えたが、その度に気にしないように言われた。
リチャード王太子殿下は私の命の恩人だ
感謝してもしきれない。
自殺未遂をした日に、リチャード王太子殿下が優しく私の隠していた気持ちを全て聞いて受け止めてくれたから、私は救われた。
逆にイーサン殿下とリチャード王太子殿下から何度も謝られたが、私もその度に気にしないように伝えた。
2人は変わらずに仲のいい友人として接してくれている。
2人に会えなくなるのが寂しいと思ってしまう気持ちも、自分の正直な気持ちだと受け入れられるようになった。
この切ない気持ちも、いつか思い出に変わるだろう。
お互いに隠しきれない恋心は見ないふりをする。
2人が私の幸せを願ってくれるように、私も2人の幸せを願い続ける。
春には笑ってエンドラ王国へ行けるように、毎日を大切にしたい。




