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40.娘に謝罪(ダルヴァール公爵視点)

娘は親の贔屓目を抜きにして客観的に見ても、完璧な女性だった。

幼い頃から努力を怠らず、非常に優秀で、性格も良く、大人びていた。


手のかからない子で、よく学び、僕と妻の領地経営、商業、社交もよく学び、今ではエンドラ王国、セルシア王国の発展にも貢献している。

娘の発案でダルヴァール領内に庶民が自由に利用できる図書館を建設したり、エンドラ王国とセルシア王国で慈善事業にも力を注ぐようになり、医薬品の開発なども行われ、医療分野、教育分野でも活躍を始めている。


凄く大変である妃教育ですら完璧に学びながら、学園でもずっと学年一位の成績を納めた。

その功績と、娘の美しさから、エンドラ王国、セルシア王国の国民からも女神のような公爵令嬢と呼ばれている。


そんな娘は世界一の大国、エンドラ王国の当時8歳のクリストファー王太子と僅か6歳で製糸場で出会い、見そめられ、婚約をした。

パーティーなどで2人が幸せそうに微笑むのにも安心していたし、娘は大丈夫だと勝手に思い込み、娘の気持ちを知ろうともしなかった。

リチャード王太子、イーサン殿下と友人として仲がいいのも、好ましい事とすら思っていた。


娘は常にクリストファー王太子殿下の婚約者として相応しくあろうとしていたし、親しい人誰1人にも悩みすら打ち明けられなかったのだろう。

そして、周りの誰もが娘を完璧な女性だと思い、誰1人して娘の気持ちを考えなかった。



娘が体調を崩して学園を早退したから王宮で一泊すると聞いた時は、すごく驚いた。

娘が早退するなど初めてのことだし、更に我が家に娘が来ないで王宮に泊まるのを不思議に思った。


翌日に娘と共に我が家に来た、リチャード王太子、イーサン殿下から娘抜きで話があると言われ、応接間で人払いをして聞いた事実に倒れそうになった。


大切な娘の何を自分は見ていたのだろう。

死のうとする程悩んでいただなんて。


王族が頭を下げることなど無いことなのに、2人は跪いて頭を下げながら誠心誠意の謝罪をしてくる。

確かに娘に無理矢理キスをしたイーサン殿下に腹は立ったが、一番は自分自身に腹が立った。

リチャード王太子には娘の命を救ってくれた事に心底感謝をした。


クリストファー王太子には昨日の間に大至急事実の書いた書簡を送ったらしく、明日には届くだろう。

娘がこの状態で隠し通す事など無理なことだった。

今回の件は、国王、リチャード王太子、イーサン殿下、私、娘、クリストファー王太子のみが知る極秘事項となった。

王子2人はセルヴィア嬢を決して1人にしないで、常に侍女やメイドなりセルヴィア嬢の側にいさせて欲しいと頼んで帰って行った。


娘の部屋に行くと、娘が泣きながら謝ってきたが、私も泣きながら娘を抱きしめて謝った。

誰か1人でも娘の気持ちを気にかけていたなら、違ったのだろうか。

ただ、ただ、娘が生きてくれている事に感謝して、「生きてくれていて良かった」と何度も伝えた。

「これからは1人で抱え込まずに、私や誰かしらを頼ってくれ。約束だ。私はセルヴィがとても大切なんだ。私とお母様は何があってもセルヴィの味方だ。」


書簡を受け取ったクリストファー王太子がどう動くのか、例え婚約破棄となったとしても娘を守りたい。

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