4.クリストファー王太子殿下からのプロポーズ
翌朝、突然エルドラ王国王家の馬車が製糸場に来て、製糸場内は騒然となった。
すぐに両親とともに応接間へ行くと、青い瞳、金髪の驚くほどの美青年が立っているのを見て驚いた。
こんなに綺麗な人を見たのは初めてだ。
家族も、とても整った顔をしているが、神々しくも感じられた。
しかし、その顔には見覚えがあり、いつもと違う上等な服ではあるが、メガネを外して黒髪から金髪になったサムそのもので、腰を抜かしそうなくらい驚いた。
綺麗な少年だと思っていたが、メガネを外すとこれほどまで綺麗だとは。
唖然としている私たちに美青年は挨拶をした。
「エンドラ王国王太子、クリストファーです。騙してしまって申し訳ございません。工場長ご家族以外の方は、人払いをしていただけますか?」
一瞬にして他の人が退出し、その場にはクリストファー王太子殿下と私の家族だけになった。
「工場長、工場中はセルシア王国のダルヴァール公爵ですね。」
サムが王太子殿下であることに驚き、自分たちが世界一の大国の王太子殿下を騙していたことに気づいてしまった。
そして、王太子殿下に私たちの身分が気づかれてしまったことも。
家族全員すぐに肩膝をつき頭を下げ、謝罪の言葉を口にする。
「恐れ多くも王太子殿下に身分を偽り大変申し訳ございませんでした。いかような罰もお受け致します。」
「いいえ、謝罪など必要ありません。こちらこそ、身分を偽っていたのです。罰もありません。頭をお上げください。実は最初からあなたが公爵であることは分かっていました。ただ、どうしてもお願いがあるのですが…」
クリストファー王太子殿下がこちらへ近づいて来て、私の手を取り跪いた。
「セルヴィア嬢、どうか私の妃になっていただけませんか?」




