28.セルシア王国で下町デート、キスをしたい?
お茶会の翌日は、クリス様と下町デート。
クリス様との出会いが庶民としてだったから、私はクリス様と庶民デートが大好きだ。
クリス様と婚約してから、妃教育、勉学、視察と忙しく、下町に来れる機会は少なかったが、今日は私がセルシア王国の下町をクリス様に案内するのだと、いつも以上に張り切っていた。
2人で話をしていると、ついつい仕事の話になってしまう事が多いけど、そんな会話すら楽しい。
セルヴィア嬢とクリストファー王太子殿下は庶民の格好をしていても、どこに行っても注目の的だ。
美しすぎて、いるだけでも目立つのだ。
私のお気に入りの場所へも行った。
町が見下ろせて景色が綺麗で、1人で考え事をしたい時に来る、誰にも言った事がないから2人だけの秘密と言ったら、クリス様はすごく嬉しそうに微笑んでくれて、抱きしめられた。
「ずっと、こうしたかった。大好きだよ。セルヴィ。」
私は、クリス様に抱きしめられると安心するし好きだ。
ふと、お母様との会話を思い出し、クリス様は私にキスをしたいと思うのか気になり、何も考えずに「クリス様は私とキスがしたいと思いますか?」と口にした瞬間に激しく後悔した。
クリス様は今まで見た事がない程に驚いて、目を見開いて固まっていた。
いつも余裕たっぷりな彼でも、こんな表情をするのだと驚いた。
「す、すみません!今の話は聞かなかった事にして下さいませ!」
焦ってすぐに発言を撤回すると
「…思ってるよ。」
こちらを見ないで、クリス様が小さな声で言った。
「僕はいつでもセルヴィにキスをしたいと思ってる。」
と言われて、今度は私が驚いて固まってしまった。
クリス様がいつに無く緊張した面持ちで私を見て
「セルヴィも僕とキスをしたいと思ってくれる?」
と聞いて来た。
私は自分から聞いたくせに、返事に困って固まっていると
「困らせてごめんね。セルヴィがキスをしたいと思ってくれるまで、キスはしないよ。僕はセルヴィが大切なんだ。」
「でも、どうして突然そんな事を聞いてくるの?…もしかして、リチャード王太子殿下やイーサン殿下に何か言われたり、何かされたりした?」
私は動揺を隠せずに、これでは肯定しているのも同然だ。
「…リチャード王太子殿下とイーサン殿下に歓迎パーティーのダンスで告白されました。。」
「そうだと思ったよ。セルヴィがダンスで動揺しているのを見ていたからね。」
(あの、ダンスを見られていた…?クリス様もダンスを踊っていたはずなのに。)
「誰が相手であろうと僕はセルヴィの心を手に入れてみせるよ。」




