26.恋って何?
パーティーの翌日、恋について悩んでいた。
誰かに相談しようにも、友人に話せるような内容ではない。
悩んだ末にお母様に相談することにした。
「お母様、今少し2人きりでお時間よろしいですか?ご相談があるのですが。」
「もちろんよ。セルヴィが相談なんて珍しいわね。」
「ありがとうございます。…お母様はお父様がお好きですか?」
「もちろん大好きよ。」
「その好きは友人との好きとは違いますか?」
「そうね。友人との好きとは違うわね。私はお父様のことを愛しているもの。お父様も私のことを愛しているわ。」
「友人との好きと、夫婦の好きはどう違うのです?」
私はクリス様、イーサン殿下、リチャード王太子殿下からの告白の話をして、自分には恋が分からなくて悩んでいると伝えた。
「恋は恋をしようとして恋するものではないから、焦らなくて大丈夫よ。恋をしたら自然と分かるわ。セルヴィが可愛らしいから、みんなセルヴィが大好きなのね。」
「クリス様との婚約は、セルヴィが婚約破棄を望んだらできる契約よ。クリス様はセルヴィに恋をして、結婚したいと思って婚約をしたけど、セルヴィは違うでしょう。だから、セルヴィから婚約破棄ができる契約にしたのよ。私とお父様にはセルヴィの幸せが一番だわ。婚約者がいる間に誰かとと言うことはできないけど、他の誰かに恋をしてその人と一緒になりたいと望んだ時は婚約破棄ができるのよ。」
「私はクリス様の妃になるために妃教育も頑張っています。クリス様の隣に立っても恥ずかしくないようにと。クリス様と一緒にいたいから頑張っているのです。」
「そうね。セルヴィがとても頑張っているのは、みんな知っているわ。そして、妃教育だけでは無く、学業も頑張っている事も。セルヴィは頑張り屋さんだから、頑張りすぎなくていいのよ。」
「恋は恋したく無くても恋するし、恋したいからって恋できるものでもないの。気づいたら恋しているものだから、案外もうセルヴィが気づいていないだけで誰かに恋をしていることもあるのよ。例えば誰かといる時にドキドキしたりしない?ドキドキするのは恋する気持ちよ。」
私はびっくりした。
クリス様と一緒にいるとドキドキしてしまうことが多い。
もしかして、私はクリス様に恋をしている…?
「私、クリス様といるとドキドキしてしまいます。でも、クリス様にあれだけ好きと言葉と態度で示されてドキドキしない人なんているのでしょうか?」
「確かにあのクリス様にドキドキしない女性はいないでしょうね。イーサン殿下とリチャード王太子殿下からの告白の時はドキドキした?」
「ドキドキよりも困ってしまいました。私はクリス様の婚約者ですのに。」
「確かに婚約者がいる状態ではお互い良くないから困ってしまうわね。…セルヴィは、抱きしめたり、キスしたいと思う男の子はいる?」
「キ、キスですか?いえ、想像もできません。」
「恋するとね、その人と触れ合いたいと思うものよ。もし、抱きしめたり、キスしたいとセルヴィが思う男の子ができたら、自分が恋をしていると自覚した方がいいわ。凄く大人びているけど、まだセルヴィは8歳なんですもの。焦らないで。」
お母様は私をぎゅっと抱きしめてくれた。




