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7歳編・第58話:森の試練 ― 初めての村防衛演習

朝の光が森を淡く照らす中、リオンはレストとともに森の小道を進んでいた。


「さて、今日は君の初めての“村防衛演習”だ」


レストは木々の間に立ち止まり、指を差す。


「模擬侵入者を想定して、君が魔法で障害物や罠を作る。 森の奥から村までの一本道が舞台だ」


リオンは深呼吸し、胸の中で魔力を確認する。

前回の訓練よりも、少し落ち着いた感覚がある。


(大丈夫……できる……)


■ 模擬侵入者の出現


レストは手を振ると、森の茂みから複数の木の人形が現れた。

人形はリードで吊るされ、魔力で動くようになっている。


「これが模擬侵入者。 リアルさを増すために魔力で動く。 君はこれを遅らせ、村に到達させないようにする」


リオンは掌に魔力を集中させる。

小さな光が掌に集まり、前回の訓練で覚えた壁や槍、障害物の形を思い描く。


「よし……まずは防壁……!」


光の壁が森の小道に出現する。

木の人形は壁にぶつかって止まる。


「いい感じだ、リオン。 でも油断するな。 次は“複雑な動き”だ」


レストが指を鳴らすと、人形たちは壁を避けるように左右に動き出す。


■ 創造魔法の応用


リオンは目を閉じ、魔力を自在に操る。

光の槍を作り、道を塞ぐように配置する。

小さな障害物を組み合わせ、まるで迷路のように森を構築する。


「う……難しい……!」


動きが複雑になるほど、魔力の制御は難しくなる。


レストは横から指示する。


「左の壁を少し高く! 槍は交差させて足止め! 障害物の間隔を狭めて、逃げられないように!」


リオンは必死に魔力を押し込み、光を形にする。

汗が額を伝う。


「できた……!」


森の小道は、光の障害物と壁で複雑に入り組む迷路になった。


小さな人形たちはもがきながら進むが、光の壁と槍の連携によって、村に近づくことができない。


「すごい……! リオン、君は魔法を“戦術”として使えてる!」


レストの目が輝く。

リオンの胸も高鳴る。


(俺……村を守るために、魔法を使える……!)


■ 初めての失敗と学び


だが、模擬侵入者の中の一体が予想外の動きを見せる。

障害物の間をすり抜け、小道をまっすぐ村へ向かって進む。


「しまった……!」


リオンは驚き、魔力の流れを急いで補正するが、一瞬の遅れで障害物が間に合わない。


「大丈夫、落ち着け!」


レストは背後で叫ぶ。


リオンは深呼吸し、魔力をさらに押し込む。

光の槍が飛び出し、侵入者を止める。


「……あぶなかった……」


リオンの膝から力が抜ける。


「失敗してもいいんだ。 大事なのは、どう修正するかだ」


レストは優しく微笑む。


リオンはうなずき、再び森の道を整える。

失敗した分だけ、次の行動に魔力と知恵を注ぐ。


■ 村防衛演習の完了


数時間後、模擬侵入者は全て止められた。

森の小道は完全にリオンの魔力で管理され、村への道は安全に保たれている。


「やった……!」


リオンは拳を握りしめ、喜びの笑顔を浮かべる。


「うん、上出来だ。 君は7歳にして、村を守る術を身につけた」


リオンは少し照れながらも、胸の高鳴りを感じる。


(俺……やればできるんだ……家族も村の人も……守れるんだ……!)


森の木々の間を抜ける風が、リオンの決意をそっと揺らす。


これが、彼の“村を守る戦士”としての第一歩だった。

『森の怪異 ― 初めての魔力暴走の予兆』


村防衛演習で創造魔法を駆使したリオン。

だが、魔力を大量に使ったことで、体内に小さな暴走の予兆が現れる。

森の奥で微細な魔力の異変を感じ、リオンは初めて自分の力が制御限界に近いことを実感する――。

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