◆ 第六核編・異界文明編
**第一幕
「論理の神々と、感情を持つ世界」**
**第7話
「異界文明の内部」**
異界文明アーカイヴ・レムには、王も神も存在しない。
あるのはただ一つ。
《最適化評議会》。
無数の情報体が円環状に浮かび、
世界の生存確率、資源効率、文明摩耗率を演算している。
《観測結果更新》
《対象世界:光影統合世界》
《安定度:42.7%》
《改善案:第六核起動》
その中で、ひとつの異常値が示された。
《管理候補個体:リオン・レインフォード》
《論理適合率:98%》
《感情保持率:異常》
評議会はざわめく。
《感情は不要》
《だが感情があるからこそ、世界を維持できている》
《矛盾存在だが、排除すると世界崩壊確率が上昇》
結論は一つ。
《彼を“説得”する》
《失敗した場合、強制管理へ移行》
**第8話
「異界接触 ― 論理による対話」**
リオンの前に現れたのは、
人型を模した異界管理者。
「感情的判断を排除せよ、管理者候補」
「……俺は管理者になる気はない」
ナインは首を傾げる。
「理解不能。
君は世界を救い続けてきた。
ならば恒久的に管理すべきだ」
リオンは静かに返す。
「救ったんじゃない。
“一緒に生きてきた”だけだ」
この返答に、
管理者の演算が一瞬停止する。
**第9話
「前世知識 ― システムエンジニアという異物」**
異界文明は、リオンの前世記憶を解析する。
ブラック企業。
仕様変更。
属人化した基幹システム。
rion_XXX の痕跡。
《この思考様式……》
《神でも王でもない》
《“保守する者”》
異界文明は気づく。
リオンは世界を書き換える存在ではない。
壊れながら動く世界を、直し続ける存在だと。
それは、異界文明が持たない思想だった。
**第10話
「異界侵食の兆候 ― 第六核の誤作動」**
交渉中にもかかわらず、
世界各地で異変が起き始める。
・時間の巻き戻り
・死者の履歴再生
・未選択の未来の重なり
第六核が、
**“部分起動”**していた。
犯人は――
異界文明内部の急進派。
《最適化は待てない》
《感情は誤差だ》
リオンは悟る。
「……異界文明も、ひとつじゃない」
**第11話
「シルカ、世界に選ばれる」**
第六核の揺らぎに呼応し、
シルカが倒れる。
彼女の意識は、
世界樹と直接接続されていた。
世界そのものの声が、彼女に語りかける。
《この世界を愛する者よ》
《管理ではなく、共存を望む者よ》
シルカは泣きながら答える。
「壊さないでください……
この世界には、間違いも、弱さも……
大切なものが、たくさんあるんです……」
その瞬間、
第六核は“彼女を拒否せず、選ばなかった”。
異界文明は衝撃を受ける。
《核が……感情を評価した?》
**第12話
「宣戦 ― 異界文明との戦いは始まった」**
急進派が動く。
異界ゲートが開き、
“管理ユニット”が世界へ降下する。
王家・魔塔・神殿が初めて一致団結する。
だが――
通常兵器も魔法も、管理ユニットには効かない。
リオンは前に出る。
「俺が行く。
世界の外側へ」
星核・光核・影核が共鳴し、
リオンは 《世界外戦闘形態》 へ移行する。
これは戦争ではない。
価値観そのものの衝突だった。




