2. TP回線
奇人アントニオを倒した(精神的に)後、ルナと宅に向かっている。
「…。」
一時間以上山道を歩いているが会話はゼロ。
強いて言えばルナが木に足をぶつけて「痛…。」って言ったぐらい。
二人とも気まずいというかなんというか…。そんな気分じゃないというか。
カサカサカサカサカサカサカサカサ……カサカサ………
不意に生き物が動き回る気配がした。
普段のクリストリンガならスルーするところだが、今は普通じゃない。
ルナがこちらに目線をよこす。ルナも気づいているようだ。
「行くか…。」
「あぁ」
二人同時に静かに刀を抜く。
カサカサカサ……ガサガサガサガサガサガサッ
足音が大きくなる。向こうもこちらに気づいたようだ。
「好都合。蝕んでやる。」
ルナがつぶやく。
「壱 死毒襲波」
(あ、やべ。先輩本気…。よけないと死ぬな。)
私は飛び上がる。
するとその瞬間。
鬼の形相でルナが刀を力強く振ると大量のヘドロがあふれ出、渦を巻き、そのまま目にもとまらぬ速さで敵に突進した。
「GURUAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
怪物の叫び声が聞こえた。
五秒後、余韻を残して完全に叫び声が止まった。
(あーかわいそ。)
ヘドロに蝕まれた怪物の死骸はえらいこっちゃになってるんやろうなーー。
やっぱあの人エグいわ…。
すると一点を見つめていたルナが口を開いた。
「あのさ、優莉ちゃんの家にはTP回線繋がってないの?」
TP回線とは接続ポートが設置されている場所【TPステーション】まで瞬間移動することのできる超便利システムだ。
「あ、繋がってます……。スミマセン。」
「繋がってるんやったらはよ言って!接続!!」
「あ、はい…。接続接続せつぞくセツゾクsetsuzoku……。」
この人歩きたくなかったんか…。じゃあ言えよぉ…。
私は脳の神経に意識を集中させ、空間に【メインメニュー】を開く。
これを使えば、現在のHPやステータス、持ち物などが確認できる上に色々なシステムを利用できる。
【メインメニュー】から【TP回線】を選択し、そこから【接続ポート】を開いて、
「あぁもうおっそいおっそい!!十キロ先にTPステーションあるから走った方が速いわ!!」
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
ぎょえ!!!!確かにあの人ならそっちの方が速いかもしんないけど!?
急に走り出したルナに目をひん剥きつつ、操作を続ける。
【接続ポート】に住所入力して、同行者欄に『伊達彩葉』TPボタンぽちっとな
FUUUUUUUUIIIIIIIIIIIIIIINNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN
しゅぱっ
優莉が消えた。
「どおりゃあああああああ!見えた!ステーション!後10メート」
しゅぱっ




