第七話 勇者任命(使い捨て)
王、っつっても中身がどうなってるかはわからねぇ。
正直、鈍重なロボットにしか見えなかった。
結局言いてぇことは、俺を勇者──決戦での先鋒に使いてぇ、ってだけだった。
勇者って呼称には憧れるんだが、いかんせん捨て駒感が強くてな、断ろうと思った。
でも闘魂の規約がどうたらで、優勝者は断れねぇらしい。
仕方ねぇから、どうにか生き残ることを目標に、頑張ることにした。
だからって、他の奴等の命まで背負いたくはねぇ。
けどこれも規約にあったとかなんとかで、五百の義勇団員を丸ごと鍛えることになっちまった。
そういうのは王国の騎士団長サマとかがやるんじゃねぇのかと思ったが、そもそもその騎士団長を選ぶ大会こそが本来の闘魂だったらしい。やぶ蛇だ。
聖剣に目がくらんだ俺が悪うございました。
義勇団には決勝の相手、キャタピラ剣士や、準決勝のツインテも参加してた。俺の部下ってことになるな。
どっちも早々に修理を済ませて、元気に……ってのも変だが、稽古の名目で何度もリベンジを挑んできた。
返り討ちにする度にどっかしら壊すことになるから──でねぇと止まらねぇあいつらが悪ぃんだが──正直嫌だったんだが、五、六回重ねた辺りでやっとわかってくれたらしい。
どっちも予備部品持参するようになった。……ああ、もう、それでいいよ。