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落ちこぼれ研磨師ですが、冒険者をやっていたおかげで聖女と呼ばれるようになりました。〜でも、本当は……〜  作者: いとう縁凛
第三話 冒険者リオナ

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3.1 道中の注意事項


 翌朝。

 リオナたちは冒険者ギルドに集合していた。

「おはようございます、リオナさん。今日は格闘士の研修を行いますね。監督は私が担当します」

「はい! ララさん、よろしくお願いします」

「承りました。研修へ向かう前に確認しておきたいのですが、お二方はリオナさんとパーティーを組んでいますか」

 ララの言葉を聞き、アルフォンスがキラキラと目を輝かせた。勇んで答えようとしたアルフォンスを、ブライスが頭を掴んで制止させる。

「いずれは、パーティーを組みたいと思っています」

「かしこまりました。では、リオナさんの研修が終わるまではご自分の活動をしていてください」

「リオナについていっちゃ駄目なのか」

「それは問題ないですが……リオナさんの研修のため、手出しは無用ですがよろしいですか」

「了解した!! リオナなら問題ない。研修頑張れ」

「ありがとうございます、アルフォンス様。救っていただいた恩を仇で返すことがないように頑張ります」

「そうだ、ぼくは白魔術師なんだけど、リオナが怪我した時は治療しても問題ない?」

「そうですね……ギルドでも治療日が設けられるときもあります。治療は、問題ないでしょう」

 では向かいましょう、とララを先頭にギルドを出る。ララは、斜めがけの鞄を持っていた。大きさから判断すると、容量箱の小かもしれない。

「あの、ララさん。質問してもいいですか」

「はい、何でしょうか」

「ララさんが持っている鞄って、容量箱ですか!?」

 期待に満ちた目で聞いた。ララからすると想定外の質問だったようで、ふふっと笑みを浮かべる。

「リオナさんは、人とは違うみたいですね。仮とはいえ冒険者なら、これからどんな研修かが気になりませんか」

「そ、それも気になります! でも、容量箱って憧れで……アルフォンス様のやつは背負う形のもので、色々あるんだなって思っちゃって……」

「容量箱を渡してくれるジャッジベアは、友好的な鉱魔です。しかしジャッジベアがいるアルグネ山の地下迷宮は難易度が高いですからね。憧れはわかりますが、無理は禁物ですよ」

「は、はい。肝に銘じます」

 リオナはララと並んで歩き、その後ろにアルフォンスとブライスが続く。四人で南門の方へ向かう。

 冒険者たちが増えてきた。

「南門は、これから向かうコンコアドラン森林砂漠が近いです。門兵の方に挨拶しておきましょう。視認できる範囲ですが、何かあれば助けてくれますよ」

「はい!」

 ララが門兵の所へ行き、これから冒険者の研修に行くことを告げた。リオナも会釈して、南門を出る。

 少し歩き、ララが森林と砂漠を指差す。

「コンコアドラン森林砂漠は、森林部分と砂漠部分に別れています。森林は四種類、砂漠は二種類の鉱魔がいますね。森林には低ランクの鉱魔もいますが、熟練者でも苦労する鉱魔もいます。自分の階級を踏まえて挑戦してください。今日は、砂漠の方へ向かいますが……」

 ララがごそごそと容量箱から緑色の防具一式を取り出した。

「こちらをお貸しします。これも研修料に含まれていますので、たとえ壊れてしまったとしても弁償をする必要はありません」

「砂漠へ向かう……緑色の防具……も、もしかして、これってデューオルチョインからドロップするアンチゴライトが使われているやつですか!?」

「よくご存じですね。リオナさんが仰る通り、これは防具を作る際にアンチゴライトが使われています。耐火や耐熱の防具ということになります。コンコアドランの砂漠は、冬でも昼間は暑いですから。きちんと対策をしないといけません」

 渡されたのは、アームガードやチェストガードなど身につける防具と、持ち手のついた小さな丸い盾。

「リオナさんは格闘士として仮登録しているので、武器もお勧めしています。ただ、格闘士や拳闘士は極近接攻撃を得意とする職種のため、持つとしたら短剣がいいと思います」

「わぁ……すごい。研修なのに至れり尽くせり。あの、ララさん。盾だけ使うのでも、格闘士として成り立ちますか」

「成り立ちはしますが……これから戦っていただくのは、キャクタスフラワーです。Eランクですがサボテン型の鉱魔なので、素手では厳しいと思いますが……」

「キャクタスフラワー!? え、それならモルデナイトが欲しいです!!」

「モルデナイトとはまた、珍しいドロップ品を欲しがりますね。ですが、それもまたリオナさんらしいです。キャクタスフラワーで有名なドロップ品といえば、願いを助けるというレイジネスシードですが……昨日初めてお会いしましたが、リオナさんは自分自身の力で願いを叶えそうです」

「はい! 頑張ります!!」

「ところで、お二方は冒険者としてどれくらい経ちますか? 耐火、耐熱の防具はお持ちでしょうか」

「問題ありません。着ている服は、耐火耐熱仕様の防具です」

「かしこまりました。では、キャクタスフラワーが出現する場所まで向かいます」

 ララを先頭に、また進む。その道中、コンコアドラン砂漠での注意事項が伝達された。

 コンコアドラン砂漠に出てくる鉱魔は二種類。残りの、キングスコーピオンについてだ。岩に擬態する濃い灰色の巨大なサソリで、Bランク。研修生には、遭遇したらすぐ逃げるように周知されているらしい。極力、大きな岩には近づかないようにと。

(キングスコーピオンかぁ……どうせなら遭ってみたいな。ローズジプサム、生で見てみたい)

 キングスコーピオンが落とすのは、薔薇の形をした薄茶色の鉱石だ。それ自体を飾って観賞するもよし、粉末状にして解毒などの薬にしてもいい。

(はぁ……わくわくする! キャクタスフラワーも生で見るのは初めてだし、どんな姿なんだろう)

 これから冒険者としての生活が始まるんだ、と意気込んだリオナは大切なことを思い出す。

「あの、ララさん!! 仮でも冒険者だったら、ドロップ品は正規の量で出ますか!?」

「はい、出ます。しかしドロップ品は確率で落ちますし、時間が経つとその確率もどんどん下がっていきます。よっぽど早く終わらせない限り、仮の冒険者ではドロップ品が出る時間では倒せないでしょう。ですが、心配はいりません。研修では倒し方を学ぶためなので、倒せば一つ目のクエストが終了します」

「教えて下さり、ありがとうございます! 早く倒せば、ドロップ確率も上がるんですよね!」

「それは、そうですが……」

「では、行ってきまーす!!」

「あっ、リオナさん! キャクタスフラワーは針を飛ばしてきます! 盾で防ぎながら攻撃をして下さい!」

 ララが叫ぶ。そうしなければいけないほど、一人で飛び出して行ったリオナは遠くにいた。

 研修という名目上、キャクタスフラワーを倒す際に手伝いはできない。不安で落ち着かないララの隣を、アルフォンスとブライスが元気に、優雅に歩いていく。

「リオナの戦い、すぐ近くで見なくちゃ!」

「受付嬢さん、何も問題ないですよ。リオナ嬢の戦闘はすぐに終わってしまうので、早く近づいたほうがいいです」

「はっ? えぇ??」

 パーティーではないのになぜわかるのか。そんなララの疑問は、すぐに解消されることになる。




第三話、スタートしました。これから三話が終わるまで、毎日投稿していきます。もし、まだブックマーク登録をしていない方がいらしたら、登録していただけると作者が小躍りして喜びます。

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