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落ちこぼれ研磨師ですが、冒険者をやっていたおかげで聖女と呼ばれるようになりました。〜でも、本当は……〜  作者: いとう縁凛
第二話 研磨師への第一歩

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2.75 それぞれの考え


・-・-・-・-・


(……確認はしなかったけど、あの三人はパーティーということで良いのかしら)

 ララは、ローブを着ていても隠しきれないほど痩せたリオナを見送りながら首を傾げた。

 格闘士など近接攻撃を得意とする職業は、異常な強さがなければ遠距離攻撃職と手を組む。しかし今まで見てきた格闘士は、筋肉隆々の男性か、女性でも鍛えているとわかる体つきをしている。

 リオナは、そのどちらでもない。

 自分の身の丈に合ったクエストをこなしていても、鉱魔の出現に反応できなければ命を落とすこともある。それが、冒険者だ。研修の段階で諦めてしまう人を何人も見てきた。

(……リオナさん、冒険者をすぐに止めてしまわなければいいけど)

 痩せていた体。ローブから零れていた、痛んだ髪。そんな状態から、ララは勝手にリオナの生活が苦しくて稼がなければいけないのだろうと考えた。

(近接攻撃職は担当じゃないけど、研修の内容は把握している。深入りは良くないけど、ギルド長にお願いしてみようかしら)

 結果を見守らないと落ち着かない。そう思い、ララはギルド長へ直談判しに行った。




・-・-・-・-・


 フレメル・オトコルは、午前の日課であるアルマンディンの取り出し作業を一番に終わらせた。というより、リオナが抽出したアルマンディンを、片付けという名目で盗んでいたのだ。実際は一つ分しか研磨機で作業をしていない。

 しかし怪しまれないように研磨室には誰よりも先に行く。自室に隠しているアルマンディンを持ってくるためだ。

 また今日もオトコルが最初かよ、と他の徒弟達に言われても気にしない。オトコルが気にしなくてはいけないのは、アルマンディンの残量だ。

(もって三日分か……)

 リオナの抽出速度は異常だった。落ちこぼれのリオナのがいたからこそ、オルゴーラ工房は成り立っていたと言っても過言ではない。

 しかしリオナは、他で生活できないくせに工房を出て行った。

(まあ、残念なリオナはすぐに戻ってくる。リオナは、師匠の工房でしか生活できないんだから)

 そんな考えを持っていたが、万が一ということもある。リオナを連れて行った二人組から見放されたときには一番に声をかけよう。そうすれば、リオナはオトコルの指示を聞くようになる。

 ふひひ、と怪しく笑うオトコルは、自分の考えが正しいと疑わない。将来自分の工房を開くためには、徒弟として修行を重ねないといけない。工房を開くときは、リオナの異常な力が必要だった。

(僕は優しいからね。ちょっとリオナの様子を見に行ってあげよう)

 アルマンディンの抽出作業だけが午前の仕事のため、早く終わればそれだけ自由時間がある。オトコルは革の外套を着て、外へ出た。

 貴族男がいそうな所。将来のことを考えて、他の貴族と縁を繋いでもいい。

 そんな風に思っていたオトコルは、捜索初日にして衝撃を受ける。リオナを連れて行った貴族男、ブライスを発見した。いや、それ自体は何も問題ない。問題は。

(は? あの儚げな雰囲気で今にも倒れてしまいそうな美少女が、リオナ!?)

 もう一人のチビと一緒にいた美少女がリオナと呼ばれていた。その儚げな雰囲気はまさにオトコルの好みそのもので、抽出力だけでなくリオナも欲しくなった。


 そこから三日。毎日リオナを見に行ったが、宿から出てこなかった。何かあったのかと思っていたが、四日目。リオナが冒険者ギルドに入っていった。

 そして、聞く。リオナが明朝に街の外へ出かけると。

(ふひひ。一人になったところを……)

 桃色の妄想をしているオトコルは、スキップをしながら工房へ戻った。


・-・-・-・-・


 二話、これにて終了です。ここから二日ほどお休みをいただきます。ここまでお付き合いしてくださった読者様、ありがとうございます。また再開後にお会いしましょう! ……もしブックマーク登録をしていないということなら、登録をしていただけると幸いです。

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