表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

東一局 「もう終わりだよこの国」

俺の名は熊爪慶次。

今時流行りの真面目系の屑だ。

カネが無いので今日もゲームセンターに入り浸っている。


俺は格闘ゲームに絶対の自信を持っており、50円あれば20分くらいは時間を潰せるのだが…

最近はどこも格ゲーを撤去している。

(客層が悪くなるからね。)


『あれ?

店長、格ゲーは?』


「ああ、慶次クンか。

新しい麻雀ゲームが本部から無料支給されたからね。

格ゲーは全部撤去しちゃったよ。」


『え!?

無料?』


「うん、最初はボクも驚いたんだけどね。

設置するだけで奨励金が貰えるんだ。

今月からどこにおゲーセンもこの【麻雀ロワイヤル】ばっかりになると思うよ。」


『格ゲー無くなるのはキツいっすね。

あれで時間潰してたし…』


「ん?

この麻雀ロワイヤルは無料だよ?」


『え!?

無料でゲームが出来るんですか!?』


「ああ、何でも初期にユーザーを集めたいらしくてね。

優勝者には賞金も出るみたいだし、慶次クンも出てみなよ。

賞金1000万円だってさ。」


『マジ!?

おおお!

やります!』


「じゃあ、スマホでこのQR読み込んでユーザー登録ね。」


『はい! 

やります!』



麻雀のルールはよく分からなかったのだが、テーブルゲーム攻略用のAIソフトを駆使して1ヶ月ほどゲーセンに入り浸っていたら、簡単に総合優勝出来た。

(それも終始圧勝し続け、何名かのプロ雀士が引退表明したほどだった。)

運も良かったのだろうが、俺以外はこのAI戦術を採らなかったようだ。

ふふっw 世の中チョロいぜw



賞金の受け取りは何故か東京だった。

『口座を教えるから振り込んでくれ』

とメールしたが、「東京に来なければ賞金は無効である。」との返信があったので仕方なく新幹線に乗った。


間違えて品川で降りてしまったが、何とか東京駅に着くことが出来た。

着いたとたんに黒いスーツの男達に囲まれてしまった。


中央にパツパツスーツのお姉さんが居て、そのあまりのムチムチ具合に目が釘付けになる。



「はじめまして、熊爪慶次(無職)クン。

賞金係の藤宮と申します。

早速だけど、本人確認をしたいから付いて来てもらうわよ。」


『え?え?え?』



拒みたいのに、藤宮という女のスーツ姿があまりにエロいので、つい同意してしまう。

最初はこの女がAV女優で、これはドッキリ企画何かと喜びかけたが、その割に喋り方に知性を感じる。

周囲に侍っている黒服達もサングラスで顔を隠していたが、挙措に品があり下層の人間で無い事は何となく察せられた。



その後、俺は新宿の防衛相本部に連行され、地下で半年くらい麻雀修行をさせられた。

どうやら、あの麻雀ゲームは政府の差し金だったらしく、最強の雀士を探す為の作戦だったらしい。

怒られるのが怖かったので、AIの事は黙ってた。



『あれはまぐれですよ。

何となく光ってる牌とそうでない牌が見えた気がして…

その直感に従って、打ってたら優勝しちゃって…

ああ、今は見えませんけど。』



役人と言うのは余程アホなのか、俺がAIを使って大会を勝ち抜いた事を最後まで見抜けなかった。



「熊爪君!

予選大会のあの奇跡をもう一度見せてくれないか!

この一戦に皇国の命運が懸かっているのだよ!」



星のいっぱいついた階級章のオジサン(気の毒になるくらいいい人だった)が涙ながらに俺に訴える。

マジか…



『あー。

思い出した、あの初日に会った藤宮さん… でしたっけ?

あの女の人が側に居る時は、何かオーラが発動してた気がするんです。』




防衛省は余程追い詰められているのか、藤宮という女(三佐って偉いのか?)を俺の専属トレーナーにしてくれた。

ん?

そんなに日本ってヤバい状態なのか?



よくわからないが、香港で麻雀の国際大会が開かれ、そこに出場することが賞金の支払い条件らしい。

俺は大いに不服だったのだが、藤宮三佐の軍服姿があまりにエロかったので、ついつい我慢してしまった。


まあ、それから色々あったのだが、修行パートは割愛する。

点数計算が覚えられない上に藤宮はセックスさせてくれなかった。


あまりに理不尽で腹が立ったので俺は防衛省に最新のアップルウォッチを強請った。

軍服を着たオジサンたちに囲まれて「如何に我が国の防衛予算が乏しいか」を懇々と説かれた。



『じゃあ藤宮さんと愛人契約させてくれるかぁ!

アップルウォッチ買ってくれるかどっちかにして下さいよおおお!!!!』



俺も長い軟禁生活で余裕がなくなって来たので、泣きながら叫んだ。

軍服のオジサンも泣きながら何かを訴え返してきたが、そんな事は財務省と話し合ってくれ。


結局、凄い肩章のオジサン(多分、滅茶苦茶偉い)が突然部屋に入ってきて、俺にアップルウォッチを押し付けて去って行った。


「御武運を!」


と言い捨てて去って行ったので、戦うのはやはりオジサンではなく俺らしい。

事情がよくわからないなりに、アップルウォッチにカードゲーム攻略AIアプリをインストールしておいた。


案の定、AIを使ったら普通に勝てるようになってきた。

常時、軍人達に囲まれているのでアップルウォッチの方向を見ずにAIを使うのが上達した。



「おおお!!  流石だ!!」

「熊爪君! 調子を取り戻して来たじゃないか!」

「勝てる! これで勝てるぞお!!!!」



オジサン達があまりに無邪気にはしゃぐので凄く心苦しかったが、君達に国家を防衛する義務があるのと同様に、俺にも自己防衛の権利がある。




結局、情勢はよくわからなかったが。

大会の名が「陰陽トーナメント」ということだけはわかった。



どうやら各国が代表を出し合う形式の戦いらしい。

そして、俺が…  代表か…


終わったな我が国。

続きはDLSITEのAMSR作品で。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ