表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

筋トレでうつ病は治るか?

筋トレでうつ病は治ります、と主張している筋トレまにあを見かける。


本当に筋トレでうつ病は治るのだろうか。


筋トレで鬱病が治るという話の根拠は下記の通り。うつ病はストレスで脳の一部が萎縮し、心を安定させるセロトニンやノルアドレナリンの分泌が低下して、うつ病を誘発させる。筋トレはセロトニンやノルアドレナリンなどの分泌が増加させるので、うつ病の改善効果がある、という。


以前から有酸素運動が抗うつ効果があるという研究報告があったが、最近は筋トレでも抗うつ効果があるという研究報告がある。そういった研究報告を見る限り、筋トレでうつ病が治る、という話を否定はできない。確かに自分も筋トレしていた時に根拠のない自信があったから、以前ならうつ病に筋トレは効果があるという話をそれほど疑問に思わずに納得していただろう。


研究報告では肯定的だが、実際はどうだろうか?


しかし、実際にうつ病を体験した人の話だと、筋トレ程度では改善しない、というのが多い。筋トレまにあでも仕事関係でうつ病になって筋トレをやめてしまった、という話も出てくる。


考えてみて欲しい、根本的にうつ病になった人がそもそも筋トレなんてする気力があるだろうか。何もする気力がない、会社に行くのもおっくう、自殺衝動さえあるのに、うつ病が改善するからと筋トレなんてやる気が残っている訳がない。


筋トレがうつ病に効果がある、というのは、筋トレできる程の気力がある、その程度の症状ならば筋トレで改善するという話なのである。



実体験として、運動で精神的にストレスが溜まっている時は運動は有効である。それはセロトニンとかではなくて、運動に専念しているときはストレスの元となる雑念(仕事、パワハラ、人間関係など)が頭によぎる事がないからである。一時的にでもストレスの元を考えることがなくなる、というのはこのストレス時代には非常に有用なことで、そういう意味で筋トレも同じで有効だと思う。


しかし、これはストレス解消や軽度のうつ病の場合に有効なのであって、うつ病が進行すると何もする気がなくなる、頑張ってねと声をかけられても悪い方向に考えてしまう。そんな状況で、筋トレすればうつ病が治るとか言うのは無神経ではないだろうか。


私自身、上司のパワハラ(毎週2時間怒鳴られていた)でうつ病になり、10年以上続けていたトレーニングを1年半やめた時期がある。何もやる気も起こらない、自殺衝動さえある状態でトレーニングなんてする気力なんて起こる訳がない。



結論として、ストレス解消、軽度のうつ病には筋トレは有効性はあるが、医師にうつ病と診断されるような状態では筋トレは有効ではない。うつ病かもと感じたら、筋トレとかではなく心療内科に行って処方箋をもらうことだ、そっちが確実に効果がある。根本的にストレスの元を絶たないとうつ病は治らない、悪化するとストレスの元が絶たれても治らず社会復帰できないようになるのだ。


私は幾人もうつ病で苦しんでいる人を見てきたし、自身も苦しんだ。筋トレまにあの主張を見ていると無責任としか言いようがない。筋トレでうつ病が治るという主張を信じて、うつ病をほったらかして症状を悪化させたら、いったい誰が責任を取るというのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ