【絵本】メシアとメシス
絵本部分だけおさらいしたい方用にと作ってみました。
あるところに、やさしいひかりのかみさまメシアと、わるいやみのかみさまメシスがすんでいました。
メシアはこまっているひとを【まほう】でたすけ、むらびとたちに あいされていました。
そんなむらびとたちに こちらをみてほしくて、メシスは【まほう】でいたずらをして、よくむらびとたちをこまらせていました。
メシスのいたずらは、どんどんひどくなっていきました。
とうとうメシスは、むらびとのあしを けがさせてしまいました。そこまでするつもりのなかったメシスは、みえないところにかくれてようすをみていました。
そこへメシアがやってきました。あしをけがして うごけなくなった むらびとを、かわいそうにおもったメシアは そのむらびとのあしにふれると、みるみるきずがなおっていきました。
そのむらびとは「ありがとう」と、おれいに、もっていたりんごをメシアにあげました。
メシアは おれいをもらえると おもっていなかったので おどろき、うれしそうにほほえみました。
――つぎのひ、メシスがむらにいくと「でていけ!」と、いしをなげつけられました。むらびとたちは だれひとりとして、メシスをみむきもしませんでした。
なげつけられたいしで あたまをけがしたメシスが むらをでてあるいていると、メシアがやってきました。
メシスは メシアがきらいでした。メシアだけが あいされているからです。
だから、とうぜんメシスは、メシアも むらびとをこまらせてばかりのじぶんを きらっているとおもっていました。
メシスのあたまのきずにきづいたメシアは、あたまにふれてきずをなおしてあげました。とまどったメシスは「どうして?」とききました。
「メシスはほんとはわるいこじゃなかったのに……ごめんなさい」
メシアはメシスをやさしくだきしめ、そういいました。
「どうしてあやまるの? わるいことしてたのは わたしなのに……なんでほんとのわたしを わかってくれるの?」
メシスはメシアのうでのなかで、なみだをながしました。
――それからメシアとメシスは、どこへいくにも いっしょの なかよしになりました。
ふたりがいっしょだと、いままでメシアに「たすけておくれ」といってきていたむらびとたちは、メシスをにらみつけ、はなしかけてこなくなりました。
メシスは「わたしのせいでごめんなさい」と、メシアにあやまると メシアはメシスをだきしめ「だいじょうぶ、わたしにはメシスがいるもの」とほほえみました。
――ふときづくと、メシアがきずをなおし おれいのりんごをくれたむらびとがいました。
メシスは けがさせてしまったむらびとに おこられるのがこわくて、メシアのかげに かくれました。
むらびとは メシアのかげにかくれたメシスをみておどろき、あとずさりました。
メシアは、かくれたメシスと てをつなぎました。てのひらに あたたかなひかりをかんじたメシスは、ゆうきがでました。
「けがさせてごめんなさい」
メシスはむらびとにあたまをさげました。メシスはそれでも ふるえていました。
むらびとは、てをあげました。メシスは たたかれるとおもい、ぎゅっとめをとじました。
むらびとは、メシスのあたまをやさしくなでました。
おどろいてかおをあげたメシスがみたのは、むらびとのやさしいえがおでした。
――そのごも、そのむらびとだけが ふたりをみつけては わらってはなしかけ、やさしくしてくれました。
そのおれいがしたくて、メシアとメシスは むかいあい、りょうてをつなぎ いのりました。
すると、にじいろにかがやくひかりがうまれ、そのひかりはむらびとのなかにすいこまれ、ふしぎなちから【まほう】をさずかったのです。
――のちにそのむらびとは、かみのかごのもとおうさまになり、かみたちはすがたをかくしました。
すると、おうこくのひとたちに ふしぎなできごとがおこるようになりました。
いいことをすればいいことがかえってくる。
わるいことをすればわるいことがかえってくる。
――そう、かみはいまもどこかで、たみたちをみているのです。
――おしまい――
セリフとか「」や()で囲ってなかったのでわかりにくかなと囲ってみました。
最初セリフ部分を試しに小説風に改行したら、絵本っぽさがなくなったので、改行なしで繋げたままです。