異世界にいったら三角チョコパイが四角になっていた。え?
チョコパイ。
四角。
三角。
俺は高校2年生の榊原涼介。
学校ではおとなしい方で成績は普通。
趣味は読書。
特に異世界転生ものが好きだ。
「榊原!おい!何してるんだ!」
国語科の桜田先生の声が聞こえた。
俺はこっそり読んでいたラノベを机の中に隠す。
「すいません。教科書読んでました」
俺は制服のシミみたいな嘘をついた。
「はぁ?今は、演習の5だぞ。教科書は読む必要はないだろう!」
読書は国語だろ。国語の時間に読書して何が悪いんだよ。
「榊原!ちゃんと授業を聞け。わかったか?」
桜田はいつもうるさい。
めんどくさいので、返事だけして授業が再開した。
学校が終わり、帰宅部の俺はひとり帰路についていた。
ふと思えば、俺の人生は悲しい。
明日の昼。今日の朝。昨日の夜。
どれもこれもすれ違いざまに俺のことを否定してくる。
こんな高校生、終わってるよと自分でも思う。
こんな世界いやだ。
異世界に行きたい!
どうせ、排水溝の苔みたいな人生なんだろ。
アスファルトにもなれないんだ。
道端の花がいつもより、綺麗に見えて悲しくなった。
苔のむすまで生きるか。
苔には悪いが、俺はちっぽけな苔ひとつでしかない。
学校周辺の住宅街から商店街がある大通りに出た。
気分転換にどっかで食べて帰ろうかなと思った。
目の前にあったマクトナルト。
親に連れられてかひとりで、何度か食べに行ったことがある。
どこにでもあるファストフード店だ。
「おいしいマクト。たのしいマクト。すっとこどっこいショー♪」
変な音楽が聞こえてきた。
どうでもいい。気分転換に食べたことないメニューでも頼むか。
俺はメニュー表を眺めた。
サイドメニューはあまり頼んだことない。
というか、メニュー内容をこんなに見たことが無かった。
サラダ、ホットケーキ、ストロー、笑顔、シュプレヒコール、ルロイ。
よく見ると変な名前のメニューばかりだ。
辿っていくと、CMで見たことがあるのがあった。
それは三角チョコパイだった。
これにしようと思った。
俺はすぐにレジに並んだ。
「おいしいマクト。たのしいマクト。すっとこどっこいショー♪」
相変わらず意味の分からない音楽が流れていた。
前の客がどけて、俺の注文になった。
「ご注文はお決まりでしょうか」
「三角チョコパイひとつお願いします」
「え?四角チョコパイのことですか?」
え、四角があるの?
俺は少々戸惑ったがチョコパイならどうでもよかった。
「そうだったんですね。じゃあそれで」
「承知いたしました。お会計は390円になります」
少々高い気がしたが、とりあえず払って四角チョコパイを受け取った。
「おいしいマクト。たのしいマクト。すっとこどっこいショー♪」
変な音楽がまた聞こえてきた。
うけとった、四角チョコパイは四角かった。
これってもしかして、異世界なのかな。
歩きながら、チョコパイを食べた。
おいしい。
え?
気づくと、商店街のタイルが三角から、四角になっていた。
窓ガラスは丸くなっていた。
三角がない。
どこにもない。
異世界だ。
ここは異世界に違いない。
「いた!あそこだ!」
後ろから黒づくめの奴らが走ってきてなぜか俺は捕まえられた。
「三角警察だ。三角を口にしたものは死刑になると決まっている」
「すまんな。元首が三角関数が嫌いだったから変な法律作ったんだよ」
え?意味わかんねえ。
「え?」
「おいしいマクト。たのしいマクト。すっとこどっこいショー♪」
元首あほすぎるだろ・・・。
俺は両手首を縛りあげられ、持っていた四角チョコパイを落とした。
「三角警察により死刑執行します。みなさん離れてください」
周りがざわつき始めた。
「四角!」
その掛け声と同時に俺は気を失った。
目を覚ますと、周りの黒づくめは全員たおれていた。
目の前には三角のイヤリングを身に着けた赤髪の男が立っていた。
「三角のジョンだ。よろしこ」
ジョンは手を差し伸べてきた。
俺は泣きながら、その手をつかんだ。
なんで、こんな小説書いたのか謎です。