第十八話【7月23日・火曜日】
目が覚めた。
裸のゆうが相変わらず僕に抱きついてきている。
かわいいなぁ。
僕は彼女の背に手を回し、抱きしめ返す。
するとゆうは、
「……んん~」
と、かわいい声を上げた。
目を閉じているため、まだ眠っているらしい。
ごくりっ。
眠っているということは……。
不意に触りたい欲求に襲われ、思わずゆうの背中に回していた手をお尻へと移動させ、揉んでしまった。
生尻。
胸よりかは硬いが、それでも十分柔らかい。
少なくとも僕のお尻よりかはぷにぷにだ。
止めることができず少しの間揉み続けていると、ゆうが声を上げる。
「う~ん。雪くん~」
まずいっ!
僕はすぐに手を止めると、寝たふりをする。
まさか起こしてしまっただろうか。
触りすぎたか?
……お尻に当てている手、動かさない方がいいよな。
動かしてしまった時点で、起きていることがバレるかもしれない。
「あれ? 雪くんまだ寝てるの?」
そんなつぶやきが正面から聞こえてくる。
どうやら起きたらしい。
僕は目を閉じたまま寝たふりを続ける。
もちろん手はゆうのお尻に当てたままである。
「……ふふっ」
そんな笑い声が聞こえた直後、彼女はいきなり僕の横腹をくすぐってきた。
「あはは! やめろ、ゆう!」
「あ~、やっぱり起きてた」
そう言いつつも、くすぐる手は止まらない。
「おい! マジでやめてくれ」
「雪くんお尻好きなんだ~」
正確には胸の方が好きだけどな。
そんなことは今どうでもいい。
「とにかく勘弁して! ははは。もう無理」
くすぐられること数分。
死ぬかと思った。
もうあんなのは二度とごめんだね。
地獄の時間を終えた後、僕とゆうは一緒にアニメを見ていく。
今日は机の上ではなく、ベッドのなかでだ。
正直まだ歯磨きもしていない。
布団の中で絡み合っていた(くすぐられていただけ)僕たちは、CLANNA〇 ~AFTER ST〇RY~を最後まで見ようということになり、布団に入ったままスマホでアニメを見ることにしたのだ。
昼前。
全部見終えた。
CLANN〇D ~AFTER ST〇RY~さんよ。
参りました。
……絶対泣かない自信があったのに、結局三回くらい涙を流してしまった。
だって、ストーリーがずるいんだもん。
音楽も合わさって、もうチートだぜ?
あんなの泣くって。
ゆうに至っては、途中何度も号泣しながら僕に抱きついてきていた。
服で涙を拭かれていたような気がするが、まあ気のせいだろう。
「いい話だったな」
僕がそう言うと、目元を赤くしているゆうは、
「うん……子供が欲しくなった」
「お、おう。そうだな」
「このアニメ。人生そのものだったね」
「僕も同じこと思った。レビューにCLAN〇ADは人生って書かれてあったけど、まさにその通りだ」
結局その日の夜まで喪失感というか、ずっと虚無感がなくなることはなかった。
ゆうが作った晩御飯がご飯と味噌汁だけだったことから、彼女も同じ症状だったと思われる。




