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アリスゲーム  作者: いずも
85/88

八十五のお話


挿絵(By みてみん)


「どうぞ、鍵です」


死神さんは私に扉の鍵を渡した。その鍵は重いような軽いような…


「ありがと…」


この鍵で、あの扉を開ければ全てが終わる。この、悪夢のようで幸せな物語が。本当は…終わりなんて来てほしくない…


「みぃ……」


「………お…兄ちゃん…」


後ろから兄が現れた。あの剣はもう持っていない。その後ろにリアン、パパうさぎにモエカ、アールも…そのまた後ろには他の沢山の住人たち…


「みぃ…僕はずっと、君をこの世界の住人にすることばかり考えていた…。でも…それはものすごく間違ってた。闇の部分が戻ってきたんだ。そしたら…少し落ち着いて考えることが出来たんだ…」


兄は静かにこちらへ歩いてくる。


「自分の言葉に責任を持てないなんて…本当にダメな兄だ…」


「お兄ちゃん…」


兄は涙を流しながら、いつもの、昔のように優しくフニャっと笑った。


「最後に…最後にもう一度だけ…抱きしめさせて…」


そう言って兄は私をぎゅっと抱きしめた。優しい兄の香り、最後の…兄の香り…

私もぎゅっと抱きしめ返す。涙が止まらない。もうそんなの…どうでもいいや…


「…今度こそ…みぃ……、強く生きて…。僕は…僕らはずっと見守ってるから!!」


「うん!!頑張るよ!」


全てが最後。ここでの、思い出は…


「迷惑かけて…ごめんね…」


「ううん、怖かったけど…楽しかったよ」


私は後ろの住人たちの元へ歩いていく。


「リアン…お姉さんになってとか…無理言ってごめんね…」


「ん〜?いいのよ!こっちの方がいい!ゴツい男にはなりたくなかったし〜」


リアンはニコッと笑って私の頭を撫でた。


「パパはずっと、私のパパだよ!ずーっと元気でいてね!」


「うん!!パパは元気ぃぃぃ!!!」


パパうさぎはくるくる回る。


「アール、あのうさぎ…いじめすぎちゃダメだよ」


「へーい、ほどほどにするね」


二へっと笑うアール。


「うぅ…みっきー寂しいよおおおぉ!!」


「大丈夫、少し遠くに行っちゃうけど…きっとまたいつか会えるよ」


涙目のモエカ。

私は後ろの死神さんの方を見る。


「死神さん、今まで…色々本当にありがとう」


「いえいえ」


ニコッと笑う死神さん。


「チェシャ猫、元気出して!お兄ちゃんをよろしくね!」


「…分かりました」


チェシャ猫はいつもの薄っすら笑い。


「お兄ちゃん、みんなのことよろしく!私がいつか帰って来たときも、ずっとこのまま、楽しい世界でいてね!」


「分かった!」


フニャっと笑う兄。


私はみんなの方をもう一度向く。


「みんな、今までありがとう!この世界の思い出、全部絶対大切にする!みんなも私のこと忘れないでね!」


おおう!!と大きな歓声が上がる。後ろの方であのニセウミガメさんもジャンプしている。この世界の住人は、存在をしっかり思い出されれば死ぬことはないのだ。なんでもありの世界だからな。


「じゃあ、私行くね!みんな…元気でね!!」


「美月さん…」


「チェシャ猫…私、さよならは言わないよ?だって、またいつか会えるもん!それにずっと見守っててくれるんでしょ?チェシャ猫…お迎えよろしくね!」


「はい…ずっと見守ってます。お迎えに行くの…楽しみに待ってます…」


チェシャ猫は薄っすら笑った。

私は鍵をさし、ガチャリと回した。


「じゃあ…行ってきます!」


「…行ってらっしゃい…!」


最後に全員の顔をよく見て、私は扉を開けた。そして、真っ白な光の中へ歩いていく……


変なところ多いです…本当すみません…後で直します…。

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