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アリスゲーム  作者: いずも
8/88

七のお話



「行くぞお前ら!」


勢いよく東村が立ち上がる。どうしたのだろうか。


「東村…どうしたの…」


副島が聞く。


「アイツが歩いていった方について行くんだよ!そしたらお城に着くかもしれないだろう!?」


なぜそう思ったかはわからないが皆んなは立ち上がり歩き出した。





森の中は少しづつ暗くなってきた。足元で小さなキノコが光っている。



『美月……』



またあの声が聞こえる。一体誰なんだろう。私にしか聞こえないようだ。


「クスクスクス…」


「クスクスクス…」


小さな笑い声が聞こえる。これはみんなに聞こえているみたいだ。


「嫌だ…誰か助けて…」


副島がそう呟いた瞬間


「…あれ?」


時が…止まっている?動いているのは私だけ。東村も藤原も副島も、皆んなピクリとも動かない。


ザアァァー…


突然目の前を水が流れる。そして川のようになった。


「あ………」


流れの早い川だ。向こうで誰かが溺れている。小さい女の子だ。いや、小さいといっても小学生くらいの子だ。反対側の陸地で黒い影が四つ並んでいる。何で誰も助けに行かない?

私は急いであの子を助けようと川に入ろうとしたが、突然現れたチェシャ猫に腕を掴まれた。


「ちょっ、チェシャ猫さん!!早く助けないと…離して…」


チェシャ猫は首を横に振る。


「あの子は助かります」


チェシャ猫がそう言うと、バシャンと誰かが川に飛び込む音がした。川に飛び込んだ黒い影はどうにか泳いで女の子を捕まえた。そして流されながら岩にぶつかる。その岩の上に女の子を乗せた。


「あの人…」


なんだろう、このモヤモヤは…。


「あの人は助かりません」


チェシャ猫は言った。助からないって…


次に岩を見たときには遅かった。あの女の子を助けた影はなくなっていた。反対側の陸地にいた四つの影はどんどん小さくなっていく。

私は今目の前で何が起こったのかよく分からなかった。今のは…


「憎んでください。あの四つの影を…」


チェシャ猫がそう言った。あの四つの影…




「……い!おい出雲!!無視すんな!」


「はっ?はい?」


東村の声で目が覚めた…、違う、我に返った。今まであった川は跡形も無くなっていた。チェシャ猫の姿もない。キョロキョロしている私を藤原と副島が不安そうな顔で見ていた。


「なんか見つけたのか?」


「え…何も?」


東村はため息をついてまた歩き出した。何なんだよ。

それより今のは何だったのだろう、幻覚か何かだろうか。まだモヤモヤする何かが頭の中に残っていた。


「クスクスクス…光るきのこの森は思い出の森…クスクスクス…」


小さく誰かがどこかで呟く。


「…ぅっ、ごめんなさい…ごめんなさい……」


「なお?…どうした…」


突然藤原が謝りながら泣き出した。私は声はかけず、後ろをついて行く。副島が背中をさすってあげる。


「ごめんなさい、ごめんなさい…私…私…」


藤原はただひたすら謝っていた。もしかして私みたいに幻覚でも見ているのか?


「なお!!」


「えっ……」


副島の一喝で藤原は目を覚ましたようだ。藤原は涙目でキョロキョロする。


「何があったの!?」


「……なに…も…」


藤原はオドオドして答える。


「頼むから言ってくれよ、気持ち悪いだろぉ」


「だから何でもないって!!」


藤原が怒鳴った。私たち3人は少し驚いた。きっとただ事ではないなにかがあったのだろうと思う。


「ごめん…行こう…」


4人はまた歩き出す。

変なところあとで直します。雑ですみません。

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