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アリスゲーム  作者: いずも
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七十七のお話




「じゃあ、やっぱりあのずっと頭の中に話しかけてきてたのってお兄ちゃんだったんだ」


「うん、それも黙っててごめん」


私がここに来るまでの事を色々聞いた。


「みぃ、強くなったよね」


「え?私が…?」


何も強くなってなんてないよ…。だって一人じゃ何も出来ないし、さっきみたいに逃げ出しちゃうし…

兄は私をじっと見つめた。


「うん、僕、ちょっとだけ見てたんだ〜。みぃ…すごいよ…なんでも出来るようになったじゃないか」


「ううん、そんな事ないよ…チェシャ猫とかがいてくれたからここまで来れたんだよ」


兄は優しく微笑んだ。兄の目は、どこか遠くへ行ってしまった何かを見つめているようだった。


「ねぇ…みぃ…」


「ん?」


急に自信のなさそうな声で私を呼んだ。何かに怯えるような、そんな感じだ…


「みぃ…僕に会えてさ…、本当に嬉しい?」


「え?嬉しいに決まってるじゃん!!」


「本当に?」


「うん!本当に!!」


フワッと元の笑顔に戻ってくれた。安心して大きく息を吐いた。


「よかった〜、…みぃ…僕に会うの怖いって言ってるって聞いてたから…」


「…誰に?」


なぜそれを知っているのだろう?


「ん?チェシャ猫に聞いたよ?」


チェシャ猫に?どうして?

チェシャ猫は私より先にお兄ちゃんに会って伝えた?…さっき…かな…?


「いつ聞いたの?さっき?」


「いや、もっと前だよ?」


前って…


「多分、みぃが森で眠ってるとき…かな」


「え!?じゃあ、チェシャ猫は私より先にお兄ちゃんに会ってたの!?」


「うん?」


なんでそんな事が出来たのだろう?不思議なパワーを使ったとかかな…


「まぁいいや、ほら、お菓子とか食べて!!紅茶も美味しいよ!」


「えぁ、うん」


まぁ、そうだな。今そんな事気にしても何にもならないし…

私は目の前に可愛く飾られているクッキーを一枚取って食べた。


「わぁ、美味しい…」


「それね、僕とチェシャ猫で作ったんだ〜」


「へ〜、すごい…」


兄は少し料理ができるということを知っていたが、チェシャ猫も料理ができるとは意外だった。そしてとても美味しい。昔食べたことあるような…懐かしい美味しさだ。


「いっぱい食べてね〜」


「うん!」


兄はニコニコ、私が食べる姿を嬉しそうに見ている。ちょっとだけ恥ずかしいけど、兄が笑ってくれているから私もすごく嬉しい。


「みぃは…ここの住人のこと…全部思い出せた?」


「うーん…、多分、全部じゃないんだろうけど…結構思い出せてる」


「そっか、じゃあ後でみんなに会いに行かなくちゃだね!」


私が思い出せていない住人はどれくらいいるのだろうか?会ってすぐに思い出せるといいのだが…


「そうだ…あのね」


「ん?どうしたの?」


どうしよう、やっぱり聞かない方がいいかな…

でも…本当かどうかちゃんと知りたいし…


「あのね…、私がここに来る前にね、王子様は私を殺そうとしてるって言う人が何人かいたの……それで…怖くて……」


兄は「え?」と小さく呟いて、そのあと「アッハハハ」と笑い始めた。


「みぃ、そんなの誰に聞いたの?」


すっごく楽しそうに、でも、なんだかおかしな感じで兄は私に聞いた。


「ハハ…、僕そんな事しないよ〜」


「…本当に?…ちょっと安心した…」


大丈夫…だよね…?うん、兄はそんな事しないから、大丈夫。


「僕が殺すのは悪い4人のアリスだけさ〜」


「へ?」


やっぱり…やっぱり、兄は自分の手で東村を殺したのだろうか…


「奴らは絶対許さない、許さない…死んでも死んでも許さない……」


「…お兄ちゃん…」


「ここは不思議の世界、なんでもありさ。僕らの思い通り。だから、奴らはまだ殺さない。少しづつ痛めつけて、苦しませながら殺すんだ。命令すれば、心臓を貫かれようが、脳をぐちゃぐちゃにしようが奴らは死なない…」


さっきまでの優しい感じの兄じゃなく、殺意を纏った恐ろしい兄へと変わってしまった。あの4人の話をすると、ここの住人はみんなこんな感じになってしまう。


「お兄ちゃん…怖い…」


「…あ…あ〜、ごめん!!ついつい言い過ぎちゃった〜」


ハッと我に返った兄はいつもの感じを取り戻した。そしてニコニコして私に謝った。


「どうしても…僕は奴らを許さない…」


「…うん…」


私も、奴らを許すことはないだろう。でも、さっきの兄が言っていたみたいなことをしようとは思わない…

なんとなく、悪い空気になってしまった気がした。


「…そうだ!みぃ、この王冠覚えてる?」


兄はすぐに話を変え、頭にのっけている王冠を指差した。

おもちゃみたいだけど、キラキラしててとても高級感のある王冠。私はきっとどこかであの王冠を見ている。それが思い出せない。おもちゃ箱…いや、引き出しの中…


「これは、みぃが僕に作ってくれたんだよ」


「私…が?」


「うん!みぃは絵が上手だからね〜。僕に描いて作ってくれたんだ」


「…あっ」


思い出した。あれは確か…小さい頃の夏に…王子様とお姫様ごっこをしたとき描いたんだ…。不思議の世界ではなんでもあり、私が描いた絵を実体化させて兄にプレゼントしたんだ…


「懐かしい…」


「ね〜」


兄は王冠を頭から取り、ジーっと眺めている。

兄はちゃんと昔のことも覚えている。なんか嬉しいなぁ…

結構変なことろあると思います、すみません。あとで直します…

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