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アリスゲーム  作者: いずも
74/88

七十三のお話


挿絵(By みてみん)


「早く…行きましょうよ」


「待って…本当に待って…」


息がうまく出来なくなるくらい私は今緊張している。怖い…やっぱり行きたくない…


「さあ、王子様…待ってます」


「やだ…待って…待って…」


私はお城から目をそらし、大きく息を吸い込んだ。

大丈夫…大丈夫。このままじゃチェシャ猫に迷惑かけちゃう。早く…落ち着け…


「何も…怖いことはありません。大丈夫…」


チェシャ猫は優しく私の頭を撫でた。



「…うん。……行こう」


これ以上ここにいたって…何も進まない。先のことなんて……もう知らない。

私たちはお城に向かって歩き出す。



白いレンガの道を歩くとどこからかフワッと甘い薔薇のような香りがしてきた。


「……大丈夫…大丈夫…」


呪文を唱えるように私は小さく呟いた。チェシャ猫は心配して、私の右手を握ってくれた。もうすぐ大きな扉の前に着く。やっと、やっとお城まで辿り着いたのだ。




「……」


「開けますね」


チェシャ猫は大きな扉をゆっくり押した。扉は簡単に開く。


「どうぞ」


「え?あぁ…ありがと…」


私はお城の中に入った。

赤い高級そうな絨毯、大きなシャンデリア、真ん中に大きな階段。白く清潔感のある壁にはカッコいい額縁が飾られていた。額に入れてある絵は全て私と兄が昔描いた不思議の世界の絵だ。


「さ、行きますか」


チェシャ猫は私の手を取り歩き出した。


「王子…様のところ…?」


チェシャ猫はニヤッと意地悪く笑った。行き先は教えてくれない。

大きな階段を二人は上がっていく。


「どちらへ行きますか?」


「え?」


階段を上がり終えると、目の前に大きな二枚の鏡が現れた。右は銀の縁、左は金の縁。チェシャ猫はどちらかを選べと言っている。


「じゃあ…銀の方で…」


「はい、行きましょう」


私は適当に銀の縁の鏡を選んだ。特に理由はない。

チェシャ猫は私の手を握り、鏡の方へ歩き出した。まさか、鏡の中に入るのか?


「わっ」


鏡のすぐそばに行くと、私たちは驚く間も無くスルッと吸い込まれた。

今もう、鏡の内側の世界?に立っている。真っ赤な美しい絨毯の長い廊下、メイドさんがパタパタ走り回っていそうだ。だが、人がいそうな感じではない。


「そうだ、金色の方とは何か違うの?」


「金色は庭に出ます」


不思議な鏡だな。こっちを選んでよかったのだろうか?

私たちは美しい廊下をまっすぐ進んで行く。高い天井には小さなシャンデリアがいくつも下がっている。


「誰もいないの?」


「えぇ」


本当に人の気配を全く感じない。別の部屋とかにいるのだろうか…?


「……!?」


右側の細い廊下の前を通り過ぎたとき、その廊下の天井から無数の黒い手が垂れているような気がした。怖かったので、私は見なかったことにしてそのまま歩いた。




長い廊下はT字に分かれた。右か左か、どちらに進むのだろうか…

左の廊下はさらに長く奥が真っ暗、右の廊下は短く、奥に階段がある。


「どっちに行くの?」


「こっちです」


チェシャ猫は迷わず右に曲がった。短い廊下を進み、私たちは階段を上がる。ところどころに飾ってある私の絵。ちょっと恥ずかしくなる。



三階くらいだろうか、私たちは階段を上がるのをやめ、また廊下を歩く。今度はとても広い廊下だ。窓も大きい。


「もうすぐです」


「……」


また私は緊張してきた。手が震える。


「大丈夫…」


チェシャ猫はギュッと手を握ってくれる。病院に行くときと同じくらい…いや、それ以上の緊張。軽い頭痛と吐き気、寒気に襲われる。


「…うん……大丈夫…大丈夫…」


多分変なところあります。後で直します、すみません…

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