表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アリスゲーム  作者: いずも
44/88

四十三のお話


「これって何歳の私なんだろう…」


小学生?それとももっと下?自分の手を見ながら私は思った。それより服が気になる。こんな可愛いドレス…着ている自分を想像するだけでなんか恥ずかしい。


クスクス…クスクスクス……


こっそり笑う何かの声が聞こえる。一つだけじゃない、二つ、三つと聞こえてくる。


「大丈夫よ自分…」


そう自分に言い聞かせ、前だけを向いて進む。ここで、怖い幽霊とか化け物を想像したらダメだ。脳が勝手に作り出して、見えているような気がしてしまうから…。


クスクス…


何を笑っているのだろう。もしかして私を見て笑ってる?

小さな笑い声は薄暗い森の中に響く。木にぶつかって跳ね返り、それがどんどん広がって聞こえている感じだ。私は手に水色の猫のストラップを握っている事を思い出した。


「猫ちゃん、なんかあったら助けてよね…」


怖い時は何にでもいいから話しかける。そうすれば一人じゃないって思えて、ちょっとだけ安心できる。誰かが昔教えてくれたんだ。私はストラップを大事に握りしめた。


「?」


ふと足元に目を落とすと、そこには水で濡れた跡があった。ふわふわのクリーム色の地面が濡れて、茶色いチョコレートみたいな色になっている。それはずっと先まで続いている。


「なんじゃこりゃ、誰か何かこぼしたのかな…?」


もしかしてリアンの紅茶だったり?色が少し似ていたので私は思った。


「辿っていったら何かあるかも…!」


私は地面のシミを辿って進む。






「どこまで続くんだ…、はぁ……チェシャ猫ぉ…」


どこまで歩いても何もない。でもずっとシミは続いている。小さくなって体力がおちたのか、とても疲れを感じる。


「もーいやー!なんで何もないのー!疲れたぁー!」


見た目だけでなく、中身も子供になってしまったのか?口からは次々小さな愚痴が溢れていく。


クスクス…


「笑わないでよー!」


どうでもいい笑い声にまで八つ当たり。ダメだなー、自分。


「……はぁ…」


急にどうでもよくなり、大きなため息が出た。ダメだ…このままじゃ疲れきって倒れてしまう。どこかで休むか…?でもな…



「んわっっ!!!」


グワッと視界がブレて、私の体は宙に浮いた…いや、引っ張られるように下へ落ちてゆく。落とし穴にでも落ちたのか!?上を見上げれば青と紫の木の葉っぱと空が見える。どんどん空は離れていく。私はぼんやり空を見ながら、すごいスピードで落ちてゆく。このままでは死んでしまう…


「どう…しよ…」


いや、待てよ。ここは不思議の国だ。穴に落ちても無傷で無事、地面におりることができるのでは…?私は不思議の国のアリスの絵本の、最初の方のページを思い出した。

下へ下へと落ちてゆく。もう穴の入り口は見えない。一体どこに出るのだろう。もしかしたら反対側の世界に出てしまうかもしれない。絵本の中のアリスの気持ちがよく分かった。


「?」


横に何か一緒に落ちていくものを見つけた。正方形の付箋のような紙に、「もうすぐつくよ!」と書いてある。どこへつくのだろう…。怖い場所だったらどうしよう、無事に着地できるだろうか。私はどんどん焦ってきた。






「うわっ!!」


突如ドスンと尻餅をついた。痛みはない。冷たい大理石の床だ。ここはどこだろう。真っ暗で何も見えない。私は立ち上がってドレスを叩いた。長い時間宙に浮いていたので、ふわふわしている感じだ。


「えー…、それでは皆さん揃いました。今から裁判を行います」


その声と共に、バッとオレンジ色の光が上から降り注ぎ、辺りが一気に明るくなった。

私が今いる中央の広間をぐるっと360度取り囲む3階建ての客席。びっしりと席はうさぎたちで埋め尽くされている。私から少し離れたところに、私の想像する裁判所にある茶色い台があった。そしてその前に証言台のような物もある。そして、私の隣に金や銀の派手な仮面をつけた、帽子屋のリアンと料理長のモエカがいた。リアンの肩には眠りネズミのネムチーもいた。二人は黙ってまっすぐ前を向いている。


「それでは皆さん静粛に!裁判を始めます〜…ええ…と」


茶色い台の横で、アヒルのカイがざわめく会場に響く大きな声で言った。でもなかなか静かにならない。一体何の裁判を行うのだろう。


「今日は裁判長をチェシャ猫にやってもらいます〜!」


カイがそう言うと、客席のうさぎたちの歓声で会場はさっきより騒がしくなった。私はチェシャ猫と聞いてキョロキョロ周りを探した。


「そして〜…えーと…、あっ、皆さん静粛に!!まあ、よくわかりませんが裁判をはじめまーす!」


裁判がごっこ遊びのように始まった。どうしていいか分からない私は、とりあえず落ち着いてここに立っている。隣にリアンとモエカがいるが、話しかけていいのか分からない。


「…ぁ」


茶色い台の後ろに、いつの間にかチェシャ猫が立っていた。いつもの薄っすら笑いで台に手をついた。


「それでは、訴状を読み上げてください」


いつもの冷たい声でチェシャ猫が言うと、客席から一匹のうさぎが急いでおりてきた。あれはあの時会ったうさぎのパパだ。手には赤い巻物のようなものを持っている。そしてうさぎは証言台の前に立ち、その巻物を広げた。

色々雑ですみません。変なところ後で直します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ