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アリスゲーム  作者: いずも
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四十一のお話




光だ。真っ暗闇の中に、小さく光る場所が見えた。私は小走りでそこに向かった。きっと出口だろう。


後少し、やっと出られる。私はもう走り出し、光に飛び込んだーーー




「…?」


紫、青などの寒色系の色をした木、その木にはグニャグニャ変な形の懐中時計がくっついている。時間がない世界に時計?地面もグニャグニャしていて歩きにくそうだ。また不思議な森に出てしまったようだ。


「わ…」


一歩踏み出してみると、地面がふわふわしている事に気がついた。まるで大きくて弾力のある綿菓子みたいだ。まあ、それはいいが、どこへ行こう。副島はこっちに来ているのか、チェシャ猫もここにいるのか。


「歩いてみるか…」


私は独り言を呟き、歩き始めた。ふわふわぼよぼよしていて少し楽しい。色のある木、不思議な懐中時計を見るのも少し楽しい。


「あ…」


私は、目の前にトボトボ歩くうさぎを見つけた。耳だけが赤く、喪服のような格好のうさぎ…。あれは確か別の森で見たうさぎだ。私は隠れながらこっそりついていく。


「……、………」


また何かぶつぶつ言っている。ここからじゃなんて言っているか分からない。私は少し近づいてみる。


「僕のせい…僕のせいなんだ…ごめん、ごめんね…君は悪くないのに…悪くないのに…」


この声…ちょっと待って。焦らないで自分、ゆっくり、よーく考えるんだ。うさぎの声を聞いて私は何かを思い出す。


「ぁ…」


思い出せた。この綺麗で、どこか寂しい、そしてどこか懐かしい声…。あの声だ。どこからか、頭の中に語りかけてくるあの声だ。間違いない。じゃあ、今まで私に語りかけていたのはこのうさぎ?どうしよう、話しかけようか…


「僕らが殺す、殺す…、許さないから殺す、…僕らみんな君の味方…」


なんか怖い事言ってる…。今は一旦この距離を保っておこう。


「許さない、許さない…」


うさぎはぴたっと止まった。まさか気づかれた。私は息を潜めて木の後ろに隠れる。うさぎは…


「みぃ…いるの…?」


「!?」


気づかれた。こちらに歩いてきているのが分かった。どうしよう…


「みぃ…」


すぐそこまで来ている。


「大丈夫…大丈夫…、皆殺しにする」


私は、恐る恐る木の後ろから顔を出し、うさぎを見た。うさぎの真っ赤な目は、私をじっと見つめている。


「あなたが…私にずっと話しかけてたの…?」


「僕は一部、僕じゃない、話しかけていたのは僕の本体。僕は…僕の闇」


私は闇と聞いてビクッとした。あの自称チェシャ猫を思い出したから…。でも、彼からは全く悪い気を感じない。それと、一部って一体…?


「早く、僕に会って…」


「あっ…待って…」


うさぎはスッと消えてしまった。今までうさぎがいた場所には、あの水色の猫のストラップが落ちていた。私はそれを拾い上げ、顔に近づけてよく見た。


「これって…」


ニッと笑って見える白い歯、白で描かれたばってんの目。これは、私の宝物。そう、私の宝物だ。


「誰に…もらったんだっけ…」


もっともっと遠くの記憶を探る。私は大事にストラップをぎゅっと握る。


「なんでだろ…」


頭の中にあの影の男の子が出てくる。あの子は一体何者なんだろう。私の友達…?今日、何回も彼を見た。けれど彼のことが全く分からない。


「みぃ?」


「えっ!?」


私が考え事をしていると、突如後ろから声が聞こえ 、全身がバラバラになるくらい驚いた。私はゆっくり声の方へ振り向いた。


「ほら、みぃだよ!」


「ほんとだ!久しぶり〜!」


そこにいたのは、二足歩行の灰色の狼、金髪の魔女の格好をした小さな女の子、美しい真っ黒なドレスに真っ黒なティアラ、長いミルクティー色の髪のお姫様のような女性だった。


「本当に久しぶりね、元気だった?」


「あ…はい…」


悪い人たちじゃなさそうだ。この人たちも私の知り合い?狼に魔女に黒いお姫様。いろんな物語では悪役で出てくることが多い人たちだ。


「何してるの〜?チェシャ猫とかくれんぼ?」


小さな魔女が聞いてきた。


「チェシャ猫…どこにいるかわかるの…?」


「分かんないな〜、あの人色んなところにいるから」


私が聞くと、狼が答えた。どこを探せばいいのだろう。その前に…


「あなたたちは…私の知り合いなの…?」


三人は首を傾げ、不思議そうに私を見た。だいたいみんなこういう反応をする。


「みぃは私たちを作ってくれた大事な大事なお友達…いーや、家族だよ!」


「私が…作ったの?」


お姫様は心配そうに私を見て、頭を撫でてくれた。


「どうしたの?もしかして…私たちを忘れちゃった?」


とても寂しそうに言うお姫様。狼も魔女もみんな同じ表情だ。


「ごめんなさい…記憶…なくて…」


魔女が大きな声で驚いて、「記憶喪失なの!?大丈夫なの!?」と心配してくれる。狼もお姫様も驚いた顔で私を見ている。でも、お姫様はすぐに何かを思い出したようにハッとして寂しい目を私に向けた。


「そうね…そうよ、あんな事があったんだわ…可哀想に…」


そう言って私の頭を優しく撫で続ける。あんな事って一体なんだろう…

雑ですみません。後で直します。

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