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アリスゲーム  作者: いずも
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三のお話




「ハァ…ハァ…」


歩き出して三十分は経っただろう。全く進めている気がしない。


「どーなってんだよ!!」


キレる井上。非常にうるさい不愉快。


『キャッハハ!』


「!?」


どこかから甲高い笑い声が聞こえた。


「なに!?ねぇ何!!」


涙目の副島が藤原に抱きついた。東村もビビって井上の腕を掴んでいた。私も突然変な声が聞こえて驚いたのでとなりの人の腕にしがみついた。……となり…?


「うっわぁ!!」


「!?」


私がしがみついていたのはさっきのチェシャ猫だった。あまりに驚いて叫んでしまった。お恥ずかしい…。


「お前ら脅かすな!!」


井上がキレた。


「脅かしてなんてないですよ、ねぇ?」


「えぇ…へぇ…」


チェシャ猫は優しく出雲に言う。私は変な返事をしてしまった。


「お…おい、今の笑い声みたいなのなんだよ!!」


「あれは食材係のネズミの声です。きっと遊んでいるんでしょう」


食材係のネズミ…。食材係…どんなネズミだろう。あの笑い声がネズミの声?


「気をつけてくださいね、食べられないように…」


そう言ってまたチェシャ猫は消えていった。


「チッ、なんなんだよアイツ…ネズミなんかに食われるかって…バカにすんのも大概にしろよ」


不安と恐怖でいっぱいの井上が呟く。


「キャッハハ!いい匂いがするよ!」


「もしかして人間かな!」


可愛らしい高い声が薄暗い森に響く。結構近いぞ。


「ねぇ、これヤバくない…?」


藤原がボソッと呟く。木が風で揺れ、クスクス笑っているように聞こえる。


「あー!みっけ〜!!」


下の方から声がした。

そこにいたのは、ネズミ…ではない大きな動物。モルモットのような生き物でウエイトレスのような服を着ている。ペットボトル二本分くらいの大きさで二足歩行だ。


「キャァーーー!!」


副島の高く不愉快な悲鳴が森に響いた。


「あっ!ホントだ!」


「あの人がいいね!」


「うんそうしよう!」


変な生き物は三匹出てきて何かを話し合っている。


「はじめまして!僕は食材係のネズミ、テリーです!こっちはミリーであっちはイリーです!」


どう見てもネズミではないが…


「あのに…あっ、あの人で決まり!」


そう言ってテリーが井上を指差した。ミリーとイリーは両サイドで「おー!」と握った小さな拳を高く上げる。そして三匹は井上に近づいていく。


「お…おい!こっち来んな化け物!!」


井上はドスンと無様に尻餅をつき後ずさった。


「ば…化け…物……。うええええええぇぇぇぇえん!!!」


突然テリーが大声で泣きだす。


「化け物…化け物って言われたよぉぉ!!酷いよぉぉ!!」


化け物と言われとても傷ついたようだ。


「うぅ!!うぅっ!!皆んな!…


泣きながらテリーが二匹の手をギュッと握る。そして


その場でバラして持ってくよ!!!」


テリーが叫ぶと二匹はまた、いや、さっきより大きな声で「おーー!!」と叫ぶ。そして


「いや!!来んな化け物!キモいんだよオイ!!」


井上は足をバタバタして追い払おうとするが、ネズミ達は気にせず一斉に飛びかかった。


「いっ井上!!」


「やめろ!!いてぇ!やめろ!!うぎゃああぁぁ!!」


近くにいた東村は腰が抜けたのかドスッと地面に落ちた。副島は藤原を強く抱きしめて震えている。藤原もしっかり副島を抱きしめている。


「いぎゃああぁぁぁぁぁあああああ!!!」


井上の左腕が「ブチリッ」いや、「グチャリッ」と音を立てて千切れた。真っ赤な血の海が出来ていく。


「キャッハハ!次は右足だよ!」


テリーが二匹に命令するとまた「おー!」と楽しそうに返事する。井上は強烈な痛みに悲鳴をあげのたうちまわる。


「せぇーのぉ!!!エイッッ!!!」


「んぐわあああぁっぁぁぁっぁぁぁぁっぁあ!!!」


ネズミたちは簡単に井上の足を引き千切った。井上の周りの赤い海はどんどん広がって東村まで届きそうだ。


皆んな、助けないのかな?友達なのに。尻餅ついてただ見ているだけの東村、腰を抜かしガタガタ震える副島と藤原。私はただボーっと見ていた。四肢を千切られ叫び回り血を撒き散らす井上を。私は異常?こんなの普通に見ていられるなんて?


「美月さんは普通ですよ、それでいいんです。あれは死んで当然の人間ですから」


いつのまにかチェシャ猫が背後から私の肩に抱きつく形で側にいた。


「……っ」


突然頭に鋭い痛みが走った。なんだろう、モヤモヤする。

辺りの霧が濃くなる。


「大丈夫です。今はまだ、思い出してはいけない、まだ…隠して…じゃないと…」


「さぁー!行くよ二人とも!しっかり持ててね!」


テリーの高い声ではっと我にかえる。今のは幻覚だろうか…。チェシャ猫はいなくなっている。

三匹はバラバラにした腕や足、ダルマのようになった井上を軽々と持ち上げどこかへ運んで行った。

そこには血の海だけが残っていた。

文章変なところあったらすみません。あとで直します。

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