二のお話
「んぅ…」
私は目を覚ました。体を起こし辺りを見渡す。
「森…?」
大きな木がたくさん生えている。霧がかかって視界が悪い。
ふわっと風が吹いて私の横髪だけを揺らす。
私の髪型は横だけセミロングくらいで後ろはショートの不思議な髪型だ。私は好きで可愛いと思うけど、周りの人にはよく変って言われる。
「……。」
視線を下に向けると4人が転がっていた。それよりここはなんなのだろう。あの水たまりは?あの声は…?
「…っ」
副島が目を覚まし起き上がった。私は目を合わせないよう違う方を向いた。
「なお!!なお起きて〜!!」
副島は転がった藤原に声をかけ揺さぶって起こす。
「…え?ここどこ…」
目を覚ました藤原はキョロキョロする。うるさい副島の声で残り2人も目を覚ます。
「何ここ俺らどうなったん?」と、東村が言う。
「あ、出雲もいんじゃん」
見つかった。いや、こんだけ近くにいて見つからない方がすごいか。
「それよりここ何?ねえどうなったんだよ!」
「いや、知るかよ」
半ギレの井上。
5人は立ち上がり制服についた汚れをはたいた。
「で、ここ何?」
藤原が聞く。
誰も答えない。
「森っぽいね。なんでこんなとこに?てか、何があったんだよ」
「もういいじゃん」
「いや、いいってお前…」
井上と副島が喧嘩しそうだ。まあ私には関係…ない…
いや…
私の…せい…かも…。あの赤い玉…。
私は何も言わない。喧嘩に巻き込まれたくないし。
『ようこそアリスたち。不思議の国へ』
突然私の後ろから声が聞こえた。
私は恐る恐る振り返る。
そこには、青紫と紅桔梗色のシマシマの長いパーカーのような服を着て、同じ柄の猫耳がついた帽子のようなフードのようなものを被った人が立っていた。黒く長い前髪が邪魔で目はよく見えない。なんとなくチェシャ猫みたいな人だ。
「誰…?」
東村が聞いた。
「私はチェシャ猫です。あなた達を少しだけお手伝いしますよ」
やっぱチェシャ猫か。不思議の国とか言ってたし…。何を手伝ってくれるんだろう。
私はチェシャ猫と名乗る薄っすら笑った不思議な男をボーっと眺めていた。
「では、元の世界へ戻れるよう、頑張ってください」
そう言ってチェシャ猫はどこかへ歩き出そうとした。
「いや、待ってよ!アリスって何!?元の世界に戻るって何!?ここどこなの!?」
うるさい副島がチェシャ猫の服を引っ張って聞いた。
振り返ったチェシャ猫の顔は一瞬どこか不機嫌そうに見えた。
だがすぐにさっきと同じ薄っすら笑った顔になった。
「アリスはあなた達です。お城の奥の扉の鍵を開けて自分たちの世界へ戻ってください。それだけです」
チェシャ猫はよく分からない説明をしてどこかへ行ってしまった。
「なんだよアイツ怖…。俺もアリス?」
半笑いの井上、半泣きの藤原、ボーっとする東村、うるさい副島、ぼっちの私。
アリス、お城、チェシャ猫…。これって不思議の国のアリスだよね。ということはこれはもしかしたら夢かもしれない!今日変な夢見たし、まだ夢の中なのかも…
出雲はギュッと爪で自分の手を思い切り抓った。
「……」
痛かった。やっぱり現実なのだろうか…。抓った手がジンジンする。
「よし、じゃあアイツが行った方に歩いてみよ」
私が考え事をしている間に何か決まったらしい。
「おい出雲、もうコケるなよ」
東村がそう言うと皆んなが笑った。とても不愉快だ。
5人は歩き出した。
誤字、脱字、文章変なところあったらすみません。雑ですみません。




