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アリスゲーム  作者: いずも
23/88

二十二のお話



「……い、……さん…」


「……ん…?」


「美月さん…」


チェシャ猫の呼ぶ声で私は目を覚ました。


「はっ!!?」


私は勢いよく起き上がる。またチェシャ猫にしがみついて寝ていた。まさか…二度もこんな事を…。私は恥ずかしくて恥ずかしくて顔を上げる事が出来ない。


「あっ!?」


私は下を向いた時、制服の赤いリボンが目に入った。スカートも紺色だ。あの可愛らしいエプロンドレスじゃなくなっている。身体も多分元に戻っている。あれは夢だったのか…


「どうしたん…ですか…?」


チェシャ猫は起きた瞬間「はっ!?」だの「あっ!?」だのうるさい私を不思議そうに見ていた。あぁ、もう恥ずかしい事ばかりだ…


「変な…夢を見て…」


「どんな?」


チェシャ猫は楽しそうに聞いた。


「私が小さくなって…男の子とチェシャ猫とうさぎたちと隠れんぼして…」


「私とうさぎたちは全員見つかったけど、男の子は見つからなかった…」


え……。なぜ、チェシャ猫が知っているの?チェシャ猫は私の夢を覗いてた?不思議で不思議で私は目を皿のようにした。その様子をチェシャ猫は楽しそうに見ている。


「楽しかったですねぇ」


チェシャ猫は私をからかうように言った。まさかチェシャ猫は私の夢に入って来ていた!?どんどん分からなくなってきた。


「なんで知ってるの?」


「フフッ、内緒です」


とてつもなく気になる。というか怖い…。


「早く進みたいのですが、あの人たちが起きてくれません」


チェシャ猫は小さなため息をついて立ち上がった。そして木の裏側へ歩いていった。私は明るくなった空を見上げ、伸びをした。今は朝だろうか、昼だろうか、時間がないから分からない。

チェシャ猫の声と、東村の呻き声が聞こえる。3人を起こしているようだ。私も反対側へ向かった。


「さぁ、もう朝です。起きてください。朝食会に遅れます」


「まだ眠いよ…」


「起きてください。じゃないと…食材係のネズミたちに連れていかれますよ?」


3人はビクッとしてバッチリ目を覚ました。食材係のネズミたち、井上をその場で引き千切って連れていった子たちだ。ものすごいトラウマになっているのだろう。


「チッ、朝食会ってなんだよ…」


「朝食会は朝食会、朝ごはんを食べる会です」


東村は相変わらずの怖い顔。副島と藤原はぴったりくっついている。


「行きましょう」


チェシャ猫は歩き出した。私たちはその後ろを着いていく。私は最後に大きな木を見上げた。



『もうすぐだよーーー』



私にあの声は優しくそう言った。若緑色の葉の間に咲いたオレンジ色の花。風にのって甘い匂いが運ばれていく。私はそれを大きく吸い込んだ。

そして、私はみんなに置いていかれないようしっかり着いていった。

雑ですみません…。変なところ後で直します。

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