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アリスゲーム  作者: いずも
22/88

二十一のお話






「……、……!……!!」



「ん……ぇ…?」


今、誰かに呼ばれた?私はまだ眠たい目を薄っすら開いた。辺りは濃い霧に覆われていて視界が悪い。


「あれ…、チェシャ猫?」


隣にいたはずのチェシャ猫がいない。それどころか、反対側にいた3人の姿もない。それから…


「うっわ何この格好!!??」


ふわふわ可愛らしい白のレースのエプロン。水色のワンピース。白と黒のシマシマ靴下。私はまるで、不思議の国のアリスのような可愛らしい格好をしていた。


「あれ…なんか…私、縮んだ…?」


さっきと同じ場所、花のいい香りがする木の下。なのに、見える景色が少し違う。私は正面の木に鏡が掛かっていることに気がついた。どうしてあんなところに…?私はその鏡の方へ歩いていった。そして鏡を覗き込んだ。


「ぇ…ぇ……」


挿絵(By みてみん)


やはり私は縮んでいた。縮んだというより、小さい頃に戻ったという感じだ。

誰もいなくなり、身体も格好もこんな事になってしまい、どうしていいか分からず私は鏡の前を行ったり来たりした。


「どうしよどうしよう!!」


私があたふたしていると声が聞こえてきた。


「もー!××何してるのー!」


ちょうど名前のところだけ時間が止まったように聞こえなかった。木の下で誰かが私に手をふっている。

あれは…、あの時の影の男の子だ。


「早く!早く!」


男の子はぴょんぴょん跳ねながら手招きする。私は、その影の男の子の方へ歩いていった。


「今日はうさぎさんたちと一緒に隠れんぼするんだよ!」


「隠れ…うわっ、ちょっ…!!」


男の子は私の手を引っ張ってどこかへ走る。覚えてる、この感じ。あなたはいつもそうやって私を連れ出してくれた。

私と男の子は森の中を走った。木には色々な形の鏡が掛かっている。不思議な森だ。


「あー!チェシャ猫ぉー!」


「え?」


私たちは広場のようなところに出た。そこには沢山のうさぎと、チェシャ猫がいた。


「チェシャ猫!!」


私は思わずチェシャ猫に飛びついた。よく分からないけど…。そんな私をチェシャ猫は優しく抱きしめてくれた。


「××は本当にチェシャ猫が好きだなぁ〜」


男の子が楽しそうに言った。あの子はなぜチェシャ猫を知っているのだろう。


「チェシャ猫!どうなってるの!私縮んじゃった!!」


チェシャ猫は私の顔を見て首を傾げた。


「いつもと変わりませんよ?」


いや…、確かに私は背が低いけどぉ!!だけど、ここまで小さくなったらおかしいって思うだろう!


「よく見てよ!服だって制服じゃなくなってるし…」


「…一体どうしたんですか?××さんはいつもと同じ、変わった事なんてありませんよ?」


男の子とうさぎたちも不思議そうに私を見た。どうして?チェシャ猫…、さっきまで一緒にいたのに…。なんで分からないの?もしかして私をからかってる?


「早く隠れんぼしようよ!」


男の子が言った。うさぎたちもまたざわざわし始めた。私はチェシャ猫から少し離れた。


「じゃあ鬼は誰にする?」


「じゃんけんで決めよう!」


みんなは輪になった。この人数でじゃんけんをするのか…、なかなか決まりそうもないが…


「最初はグー!じゃーんけーん」


男の子の声でうさぎたちは利き手をグーにした。


「ポン!」


私の隣のチェシャ猫からぐるっと回ってみんなパー。私だけ…グー…。まるで事前に打ち合わせでもしたかのように私以外全員パー。おかしいだろうオイ…


「アハハ!××の一人負け〜!鬼だよ!あそこの木で目隠しして10秒数えてね〜」


みんな楽しそうに笑いながら走っていった。ぱっと見うさぎは全部で二十羽近くいた。あれを全部探すなんて気が遠くなる。今はそれどころじゃないのに…

私は言われた通り木の下で10秒数えた。


「もーいいかーい」


「もーいいよー!」


返事がちゃんと返ってきた。私はみんなを探しに歩き出した。






「ここだよ〜」


「…あー!見っけ!」


うさぎたちは、なぜかみんな私に居場所を教えてくれる。そのおかげでうさぎは全て見つける事が出来た。残るはチェシャ猫とあの男の子。私は目を凝らして二人を探す。





「う〜ん…」


なかなか見つからないなぁ…。森の中をたくさん歩き回った私は疲れてきた。


「ん?」


今、右側の木の後ろで何かが動いた。私はジッとそっちを見た。見覚えのある紫シマシマの服、きっとチェシャ猫だ!


「チェシャ猫見っけ!」


「見つかってしまいましたか」


チェシャ猫はいつもの薄っすら笑いで出てきた。あとはあの男の子だけ…


「頑張ってくださいね」


「うん!」


今度は反対側に行ってみよう。





「…手強いなぁ」


本当にこの森にいるのか?と、いうくらい見つからない。霧が少し濃くなった。


「うっ…!?」


突如、私の視界はグニャリと歪んだ。私は立っている事が出来ず、地面に崩れ落ちた。目眩がする。耐えられない…


「××〜!」


男の子の呼ぶ声が聞こえる。私は重力に逆らえなくなり、バタンと倒れた。意識が薄れていく…


「××!××〜!」




『…××…起きて…』




男の子の声は、あの正体不明の声へと変わった。

私は、とうとう意識を手放したーー

雑ですみません…。変なところ後で直します…

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