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アリスゲーム  作者: いずも
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十三のお話



二人は血を流し、お互い睨み合っている。止めるなら今しか…


「あ…あの…」


私が声をかけると、オネェの人に怖い目でギロッと見られた。が…


「やぁだぁ〜!アタシったら!ごめんね!!怖かったでしょう!!もう大丈夫よ!」


さっきまでの鬼のような形相は跡形もなく消え去り、優しい笑顔へと変わった。そして私の頭をポンポンと撫でた。

チェシャ猫もまだ不機嫌そうではあるが、もうオネェの人を攻撃しようとはしなかった。

喧嘩…意外と簡単にやめてくれてよかった…。


「この事、王子様には秘密にしてね〜、怒られちゃうから!」


オネェの人は小声で私に言った。私はもう、何も聞かずに頷いた。王子様とは…


「よしと、皆んな〜こっちに来なさいよぉ〜!お茶会しましょ〜!」


クルリと回って非難していた3人に向かって叫ぶ。お茶会か。不思議の国って感じだなぁ。

3人はビクビクしながらこちらへ向かって歩いてくる。


「ネムチーの事すっかり忘れてた…」


ネムチー?もしかして眠りネズミがいるのだろうか。じゃあ、この人は帽子屋さん?

気になることがいっぱいあるが今は黙っておこう。そういえばまだ名前を聞いてなかったなぁ。


「ささ!あっちあっち!」


彼は楽しそうにウサギの形にカットされた木の後ろを指差した。そして、その方向へ一人で走っていった。


「…ついて…行くのか…」


東村が呟いた。その後すぐに向こう側から「おーい!早く〜」と呼ぶ声が聞こえた。私たちは歩いてウサギ型の木の方へ行った。


「ようこそようこそアリスちゃんたちぃ〜!アタシたちのお茶会会場よ〜!ささ!座って!!」


白いレースのテーブルクロスがかけられ、フォークやナイフが散らばった正方形の大きなテーブル。可愛らしい椅子が向かい合うよう四つずつ並べられていた。私からみて左側にもう誰かが座っていた。いや、寝ている?


「あっ!そうだわ!アタシ自己紹介してなかったわね〜」


「あなたの名前なんてどうでもいいでしょ…」


また喧嘩が起こりそうな雰囲気だ。


「アタシはリアン、帽子屋よ〜!そしてこの子は眠りネズミのネムチー!」


リアン…リアン、昔どこかで聞いたことあるなぁ。まあ、また思い出せないんだけど。

リアンはテーブルで寝ている大きめのネズミも紹介してくれた。


「よろしくね〜!ささ!座って座って!」


私たち4人は右側に、チェシャ猫とリアンは真ん中に眠りネズミを挟んで左側に座る。私は一番手前の席を選んだ。


「あらら?アリスちゃんたちは5人って聞いてたんだけど……もしかして1人食べられちゃったり?」


そう言ってリアンはキャハハと笑った。それを聞いた東村、副島、藤原の顔が引きつった。


「まあ、いいわ!紅茶ロシアンルーレット始めましょう!準備してくるわ!」


突然リアンは立ち上がり、後ろのリンゴ型にカットされた木の方へ歩いていった。

ロシアンルーレットって、よく芸能人がやってるわさび大量シュークリームみたいなやつだろう。まさか、紅茶にわさびを大量に入れるのか!?すぐにバレるんじゃ…


「ねえ、紅茶ロシアンルーレットって?」


私は気になって前の席に座っているチェシャ猫に聞いた。


「紅茶のロシアンルーレットなんじゃないですか?あのバカの考えることは私にはわかりません」


チェシャ猫は頬杖をつき、つまらなさそうに言った。ホント仲悪いんだな…

リンゴの木の後ろでかちゃかちゃ音がする。そしていい香りがしてきた。


「おまたせ〜!アップルティーよ!」


リアンは、7人分の紅茶をお洒落なプレートに乗せて運んできた。そしてそれをテーブルの中央に優しく置いた。見た目はどれも同じで、どれか一つに何かが入っているとは思えなかった。変な匂いもしない。


「よしと!せーのでとるよ〜」


「ちょっと待ってください」


チェシャ猫がティーカップを眺めながらリアンに言う。リアンは舌打ちして「なぁに?」と答える。


「あなたも参加するんですよね?」


「ええ、もちろん」


「この紅茶、あなたが淹れたんですよね?」


「ええ、それがどうしたのよ…」


チェシャ猫は一体何を言っているんだろと私は思いながら二人を見ていた。


「あなた、どれがハズレの紅茶か知ってますよね?」


リアンの顔はにっこり笑っているが、怖い。リアンはゆっくりチェシャ猫の方に視線を向けた。

あぁ、そういうことか。私はやっと気付いた。この紅茶、リアンが淹れてきたんだ、ならどれがハズレの紅茶かわかるって事ね。こんな事に気付かなかった私って…


「いいえ、知りませんよぉ」


「嘘つくんですか?」


「だから知らないっつってんでしょ!!」


リアンはテーブルの上のナイフをチェシャ猫めがけて投げつけた。が、チェシャ猫はパッと避けてフォークを取り、同じく投げつける。フォークはリアンには当たらず、後ろにあるハート型の木に刺さった。また喧嘩が始まってしまった。


「食器を投げるなんて…お行儀が悪いですよ」


「あなたもね!!」


二人は立ち上がり、フォークとナイフで戦い始めた。これは本当に死人が出てしまう、と思い慌てて止めに入ろうとしたが…


ヒュヒュヒュンッ


「わ!!」


ものすごいスピードで二人の方に何かが沢山飛んでいった。二人は間一髪でそれを避けた。ダダダっという音を立て、二人の後ろにあった白鳥型の木に刺さり込んだ。


「…お行儀…悪いよ……ブッ殺すよ…」


そう小さく呟くように言ったのは、眠りネズミのネムチーだった。眠たそうな目で二人をギロッと睨んでいた。二人はやっと大人しくなる。

変なところ後で直します…雑ですみません…。

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