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ヒュライム

作者: 石窯小麦

寝ずのテンションで全く違うものをもう一本ぶん投げます。

 スライム、言わずと知れた雑魚モンスターの一角だ。

 ゲームなんかでは序盤に出てきてレベリングのために狩られる雑魚オブ雑魚だな。


 だが、こいつが現実に現れると非常に厄介だ。

 体内のほぼ全てが水分で、体表は柔らかく、非常に変形しやすい。

 それでいて弾性も強く、衝撃を倍にして返すことまで出来るのだから恐ろしい限りである。


 体表を槍などで突き破ったり剣なんかで切り裂けば良いのではないか?

 そう思うものも居るだろうが、これがまた厄介で、まず突き破れない。

 柔らかさと弾力により力が吸収されきってしまうのだ。


 剣なんかで切り裂いた場合は更に厄介で、破れたところから即座に分裂した状態で膜が再生する。

 体積が半分になったスライムが二匹になるというわけだ。

 

 どんどん細切れにすれば確かにある程度無力化できそうな気もするが、体に纏わり付かれれば行動が阻害されるし、結局くっつくと元通りになるので


あまりおすすめしない。


 そんなスライムを倒す方法は実は非常に簡単で、乾燥剤を適量振りかけるか、熱によって水分を蒸発させればいいだけなのだ。

 スライムの生息域を見れば解ることだが、こいつらは砂漠気候以外ではどこでも繁殖する。

 だが、砂漠気候では雨季でさえ出てこないのだ。

 これはスライムが乾燥に非常に弱いからにほかならない。

 だから、体内の水分を乾燥剤で取りきるか、熱で水分を蒸発させればあっという間に処理が終わるというわけだ。


 しかし、こんな奴らが一体どこから入ってくるのか不思議には思わないだろうか?

 台所や風呂場は春夏秋冬を問わずスライムが湧く。

 湧いた時は非常に小さいので塩を振りかけたりするだけでも十分退治できるからまあ、カビとかみたいなもので仕方ないものだと思うのが大半だ。


 私は非常にそこが気になって調べてみたのだが、実はこいつら、全員単細胞生物だった。

 種類によって細胞が違いはするが、同一種はすべての細胞が同じなのだ。

 ますます謎が深まる。

 何故単細胞生物なのにこの大きさまで成長できるのか、何故単細胞生物なのにどこにでも湧くのか。


 その理由が、一定以上に成長したスライムにあった。

 スライムはある体積まで水分を溜め込むと風の強くなる時期を選び広い場所で爆発四散する。

 するとその体は微生物レベルまで分解されて空気中を漂い、新天地を目指すのだ。


 菌糸類が胞子を飛ばして数を増やすように、スライムは体を爆発四散させ拡散し数を増やすような進化を遂げている。


 運良く爆発前のスライムを捕獲し、研究施設で条件を整え拡散を促した結果、大量の微生スライムを採取できた。


 そこから数々の実験を行いわかったことは、空気中に実は常に何らかのスライムが浮遊していること。

 微生スライムは生物の体内では消化吸収され即座に死滅してしまうこと。

 微生スライムは台所や風呂場などの水回りでは三週間ほどで小型スライムまで成長すること。

 それ以外の環境では湿度次第ではあるが、この国では春と秋は二ヶ月前後で夏は数週間、冬は三ヶ月ほどで小型まで成長する。


 また、微生スライムの間に環境対応をさせるように徐々に徐々に慣れさせることで環境への耐性を持つスライムも生まれる。

 その際に細胞が進化し元個体とは別の細胞の作りになることも判明した。


 その他、火に耐性を持つスライムや冷気に耐性を持つスライムなども作り出すことに成功する。

 だが、依然として乾燥に耐性を持つスライムは産まれなかった。


 まあ、体内のほぼ全てが水分である以上仕方がないものなのだろう。


 実験は続き、スライムの有用性なども発見した。


 スライムは水分を摂取することでそれを食事とし体内に溜め込む性質を持つ、ならば水分と共に他のものを混ぜ合わせれば掃除などに使えるのでは


ないかと思ったのだ。


 その結果完成した第一号がドクターフィッシュのように体についた老廃物を除去してくれるお風呂スライムだ。

 これがまた気持ちがいい。


 全身くまなく優しくひんやりとしたスライムに包み込まれ、むにむにと少しくすぐったさを覚える食事の後、体を離れるのだが、ぶっちゃけ性的に気持ち


いいし絶頂してもそれも吸い取ってくれるので床も汚れないのだ。


 事後は全身スッキリするし一々風呂に入らなくてもいいので研究室にこもりっぱなしの私には本当にありがたい。


 あれ以来私はいろいろな生活に便利なスライムを進化させていった。

 ホコリだけを重点的に食べるお掃除スライムや花粉やハウスダストを主食としたエアクリーンスライムなどだ。


 スライムたちのお陰で私の生活は非常に便利になった。

 難点は彼らに言葉が通じないため処分しても問題ないものにしか使用できないところか。


 だがまあ、良いだろう、私は彼らが好きだしな!

 この研究所も私が死んだ後でも彼らがよりよく生存できるようにしなければな。


 


 パタリと日記を閉じる。

 なるほど、この遺跡ダンジョンはスライムの研究所だったか。

 通りで出てくるモンスターはスライムオンリー、魔法が効かなかったり熱に耐性があったりと厄介なわけだ。


 しかしまあ、ここのスライムたちはどういうわけか人間を攻撃してこないし、襲わなければ襲ってこない理由もよくわかった。

 十匹ぐらい気づかずに倒してしまったのは少し悪いことをしてしまったな。


 まあいい、このままこの遺棄された研究施設を調査して異常な魔力の正体を突き止めてしまおう。


 たまにスライムに優しく纏わり付かれ、体を弄られた後に開放されたりするが本当に無害な奴らばかりだ。

 この日記を読むまで襲われたと思っていたがこの様子ならされるがままでも問題なのだろう。


 そうこうしているうちにやけに厳重鍵のかけられた扉を見つけた。

 異常な魔力の気配も此処から漂っているし、どういうわけかスライムたちもここにはあまり近寄ろうとしない。


 鍵を解除し扉を少し開ける。

 中は真っ暗で何かが居る気配がするということしかわからない。


 ライトの魔道具で内部を照らし、見つけた。


「きゃ!?」


 半透明の人型のスライムだ。


「あ、貴方だれですか!? ここは私とスライム達の家兼研究所ですよ?」


 驚いたことに人の言葉も解している。

 この日記の著者の最高傑作か何かだろうか。


「ってそれなくしたと思ってた父の日記じゃないですか!」


「え、父? え、この研究者ってスライムだったの!?」


「いえ、父は人間ですよ? 私は父によって作られた人型スライムのヒュライムです!」


「ネーミングセンス全くねぇなおい!!!」


「父からの名前にケチ付けないでくださいよ! 実際酷いですけど!!!」


これが俺と人型スライム、ヒュライムとの出会いだった。

このような駄文をお読み頂きありがとうございます。

寝てないって怖いですね。 何も怖くなくなって駄文投下しちゃうぐらいには怖いです。

誤字脱字、整合性取れない、生物ってそんな急激に進化しねぇよとかきにしないでください。

これはそういうファンタジーなんだって広い心で受け止めてください。

続きません多分。

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