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82 拷問……?

「じゃあ、おめぇらの持ってる情報、洗い浚い吐いてもらおうか」


 これ、もしやピンチ??


-------------------------------------


 時は数十分前に遡る。

 男達が、私に向かってこんな言葉を言ったんだ。


「……お前、もしかしなくても地位の高い奴じゃねえ?」


 多分、魔力量を見てそう思ったんだろうね。魔力量の多さは地位の高さも似たようなものだから。もちろん、魔力総量34の人も伯爵で居るんだけどね。

 しかも親族で魔力量の多さは大体決まる。


 だってほら、血の中に混ざって巡ってるんだから。

 

 だから、男達が私の親族の地位が高いんじゃないかと思うのに時間はかからなかったっぽい。

 でも、私の素性は分からなかった。国が総力を挙げて隠してたから。多分八歳になるまでは国民に公表できないんだろう。

 そこで、私は猿轡を外された。詠唱すれば喉を突き刺すと言われた。


『魔王、詠唱するの?』

『痛いのはやだ。それに詠唱しても喉を突かれるんじゃ、結局魔法は発動しないだろうし』


 あと、狐ちゃんとの話の中で分かった事が原因だ。

 この禍々しい瘴気?は、殺人によって渦巻いたものだとか。つまりこの人達は殺人に躊躇いがないって事だ。

 いやー、いくら死なないとはいえ、痛いのは嫌だし死ななくて次は狐ちゃん、ってなったら嫌だもん。


 だから抵抗はしない。出来たとしても大きい魔法は使えないだろうし、無駄に近い気がするからね。


「なあ、お前どこんちの子だよ」


 猿轡の代わりに、目隠しをされた。なるほど、標的が見えないようにか。

 いよいよやばい。真読魔法は相手の目を見ないとだめだから使えなくなった。


 てなわけで、冒頭に戻る。


-------------------------------------


「喋れ」

「嫌」


 バシャッ

 

 つめたっ!

 そう思っても声に出さないように最大限抑える。水責めとか、結構古いよ。けどこの寒い小屋の中、結構堪える。

 んー、公爵家だって言ってもいいんだけど、その場合公爵家の評判にもかかわるでしょ?


 お兄様の不幸は私の不幸。

 嫌だよお兄様の仕事増やすなんて。

 

 次に、魔王だって言ってもいいんだけど、言ってこの先どう扱われるかが怖い。裸にされればいやでも赤魔石が目に付くけど、それまでは黙っておこうと思うの。


「チッ、次だ次!」


『魔王、次は火を使った拷問っぽいの。肌に直接はないと思うの』

『サンキュ』


 目が無くても次の拷問は分かる!はっはっは、狐ちゃんが目代わりになってくれるのさ!

 ………。

 目代わりて身代わりみたいでやだな。


 松明か何かが近付くのが分かった。肌のギリギリまで火が近付く。え、熱いんじゃないかって?

 あったかいよ!すっげー気持ちいいよ!しかも一か所に集中じゃなくて所々やってくれるから、なんかエステみたいだよ!

 あー、分かった。

 

 こいつら、人殺しは慣れてても拷問は初心者だわ。


「喋れ。お前は、どこの、誰だ?」

「言うと思う?」


 一瞬、カッと熱くなり、すぐに火が離れる。え、ああ大丈夫、あったかくて気持ちいいから。

 男達、手加減してるのかな?そうなのかな?


『魔王、こいつら本気なの』

『……』


 ごめん、かける言葉が見つからないや。

 え、本気?これで限界?これ以上の酷い拷問なし?

 えーっと。


「頑張って」

「何がだっ!」


 殴られた。あまつさえ右側を。つまりこいつは左利きだ。

 狙ってやったわけじゃないけどね。でもこれで右側を注意してた方が良いって事が分かった。次は身構えられる。


『魔王、魔王、さすがなの!』

『ま、まあね』


 もう一度言うけど、狙ってやったわけじゃないよ。狐ちゃんが勘違いしちゃってるだけで。

 『以心伝心』の効能で、狐ちゃんがキラキラした目でこちらを見てるのが分かっていた。

 う、良心が。


「次だ次!」


『魔王、こいつら息を止めさせる気なの!』

『ハア!?』


 水に濡れたタオルが、口元に当てられる。

 やばっ、これはさすがにきつい!


「気泡から空気を取り入れよ、水中でも自由を手にす。水息」


 ちょっと曇った声になったけど、息は出来るようになった。

 はっはっは、標的を見させないように?甘い甘い!補助魔法ならいくらだってかけられると何故気付かない!

 はっはっはっはっは!甘い甘い甘い!

 そんな甘いもので私を倒せると思うなよ!


『魔王がまじで魔王やってるの……』


 狐ちゃんが引いていた。

 その間も、私は心の中ではっはっはし続ける。

 男がタオルを離した。それも、感触で分かっただけで息はそのまま。

 ホント、頭の足りない奴らだわ~。


「おいおいおい、今回はさすがに辛かったんじゃねーか?」

「でも言わないよ、お約束」

「ッ!」


 ガン。

 殴られた。けど今回は身構えられて衝撃を受け流せたからあんまり痛くない。

 しかもすぐに狐ちゃんが『以心伝心』越しに回復魔法をかけてくれる。

 まあ、回復魔法をかけてもらった後って漏れなく疲れた感じになるんだけどね。それも吸血鬼故かすぐ元気になる。


 ……吸血鬼&魔王の組み合わせ、最強じゃね?

 全然ピンチじゃなかったし。

閲覧ありがとうございます。

最近短めですみません。リアル事情が忙しくて……ってまあ更新は出来る程度なんですが。

とりあえず毎日更新維持できるようにします!

次回、拷問に(余裕で)耐え抜いたミルヴィアと狐ちゃんがひたすら話す回です。

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