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詩のサークル

オリオンに思いを馳せる

作者: 齋藤 一明

 今日は朝から蒸し暑い一日でした。

 にじみ出る汗を拭うとき、ふと冬の夜空が恋しくなります。

 冴え冴えとした夜空を、棍棒を振り上げたオリオンを。

 これから暑いあついと呟き続けねばならないのに、冬の星座などどうして眺められましょう。

 ちょっとそこまでアイスクリームを買いに行くのとは違うのです。


 でも、私には秘密の力があります。

 もちろん、あなたにも。

 それは、想像するということです。

 想像は時を超えます。光の速さを超えます。

 行ってみませんか、オリオンの空に。


 キーンと冷えた夜、私はオリオンを見上げます。

 行くぞ! 

 思った瞬間に私は地球を離れています。

 太陽系を脱し、虚無の空間を疾駆します。

 蝶の羽のような光が視界いっぱいに広がりました。

 オリオン大星雲を間近に見ているのです。

 写真でしかみえなかった暗黒馬頭星雲が、おいでおいでと誘っているようです。

 若草色のガスの中に、土色をしたキノコが生えていますよ。まるでモヤシのようにびっしりと。


 そのモヤシの先が強い光を放ちます。

 あっ、生れた! 

 暗黒の空間にガスが集まり、凝って新たな星が生れたのです。


 さて、そろそろ帰らねば。

 視界いっぱいに広がっていた光が一瞬にして遠ざかります。

 そのとき、光は七彩に輝くのです。


 さあ、もう一息で地球です。

 きっと私は、地球を取り巻く七彩を見るでしょう。

 なぜわかるかって? 

 何度も旅をしているからですよ。


一つ目の詩は、写実的にしました。

二つ目の詩は、物語という想像の中を描いてみました。

そして

三つ目の詩は、虚空を超えた想像を描いてみました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 想像の翼は無限。 時空を超えて刹那に永遠を捉える。 虚空の星々を繋ぐ見えない想像線が、 星座を浮かび上がらせる。 それは偉大な先人たちの主観。 それでも彼らは物語の役者であり、 太古不変の…
[一言] 星について書かれていたので、読ませて頂きました。 冬のオリオン座、カッコ良いですよね。 私も、旅をしてみたくなりました。
[良い点] 明快で、優しい語り口の、壮大な詩ですね。僕は小難しい言葉を使わなければ、こういう世界を創れないので、素直に素晴らしいと思いました。
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