オリオンに思いを馳せる
今日は朝から蒸し暑い一日でした。
にじみ出る汗を拭うとき、ふと冬の夜空が恋しくなります。
冴え冴えとした夜空を、棍棒を振り上げたオリオンを。
これから暑いあついと呟き続けねばならないのに、冬の星座などどうして眺められましょう。
ちょっとそこまでアイスクリームを買いに行くのとは違うのです。
でも、私には秘密の力があります。
もちろん、あなたにも。
それは、想像するということです。
想像は時を超えます。光の速さを超えます。
行ってみませんか、オリオンの空に。
キーンと冷えた夜、私はオリオンを見上げます。
行くぞ!
思った瞬間に私は地球を離れています。
太陽系を脱し、虚無の空間を疾駆します。
蝶の羽のような光が視界いっぱいに広がりました。
オリオン大星雲を間近に見ているのです。
写真でしかみえなかった暗黒馬頭星雲が、おいでおいでと誘っているようです。
若草色のガスの中に、土色をしたキノコが生えていますよ。まるでモヤシのようにびっしりと。
そのモヤシの先が強い光を放ちます。
あっ、生れた!
暗黒の空間にガスが集まり、凝って新たな星が生れたのです。
さて、そろそろ帰らねば。
視界いっぱいに広がっていた光が一瞬にして遠ざかります。
そのとき、光は七彩に輝くのです。
さあ、もう一息で地球です。
きっと私は、地球を取り巻く七彩を見るでしょう。
なぜわかるかって?
何度も旅をしているからですよ。
一つ目の詩は、写実的にしました。
二つ目の詩は、物語という想像の中を描いてみました。
そして
三つ目の詩は、虚空を超えた想像を描いてみました。