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窓は開けたら閉めなさいっ

俺、篠原京しのはらきょうの頬をもうじき夏が来ることを

教えてくれているかのような暖かい風が掠めていく。

俺は晴れて平均並の高校だが受験し合格し入学した。

俺の出席番号は6番。

席は窓際の一番後ろ。だいたい6番の人間はこの位置だ。

俺の横にある窓は誰かにいつのまにか4月の中旬で花粉の時期にもかかわらず開け放たれていた。

そのため、外で体力テストをしている生徒の声とその指導をしている教師の笛の音もよく聞える。

俺はというと聞いているのか聞いていないのか良く分からないが一応世界史の授業を受けている。

教室の中は慣れた手つきで授業を進める教師と

花粉のせいではなをすする生徒の音以外はほとんど聞えない。

『・・・・・閉めたほうがいいのか・・・??

いやっ!でも、でもっ!!この窓を開けた人はどう思う!?ちょっと

“あ、私迷惑なことしちゃったんだっ”と思うはずっ!!それに・・・』

俺は一度この視界の広い席から周りを目で見渡した。

『こんな静かなところで窓を閉めれば注目の的になってしまうじゃないかっ!

 それに窓を閉めて注目されるのは少しの間だからまだいい。

 しかし、この窓開け閉めしたことないからどんな音がするか分からん!!!

 うるさいと今は花粉症で神経質になっている人の神経を逆撫でするかもしれないっ』

俺自身がもはや窓ごときで神経質になっている。それに気付くことはないかもね☆

俺はとりあえず手身近にあった世界史のノートを開き(かなり前から授業が始まっているはずだが)

中一から使い込んでいるシャープペンシルを取り出し何度かカチカチと芯を出した。

その音に反応している人間がこの教室にいることに対して気付かずに、ノートに箇条書きで

作戦を考えて書いてみた。

考え、書き連ねだして早くも20分が経過し30分がきたところでやっと

納得ができる答えを見出せたようです。

そう。それは・・・

『誰かがくしゃみをする瞬間にしめてやろう作戦!

 窓の閉まる音よりもはるかにくしゃみのほうが気になるはずっ

 なにより今は花粉の時期っ!!これは高確率で成功するはずっ』

俺は、優越感にひたりイスにもたれかかりふんぞり返った。

目線の先には時計。あ、アナログね。

テンションは少しあがってる。

授業の残り時間をいつもの感覚でみると残り5分。

やっほーい!あっと5分っ!!

一人でこころのなかで舞い踊っていると深刻なことに気付き固まった。

なんていうんだろう・・・給料日が明日だと思って先月の残りのお給料を

飲みで使い果たしたあとに給料日があさってだったことに気付いたときの

脱力感?

あと5分で授業が終わるってことは誰かが五分以内にくしゃみをしなくてはならない

ということだ。

『なんてことだ・・・完璧、有頂天になってた・・・』

俺は急いで教室の生徒を見渡した。

鼻がぐずぐずな生徒はたくさんいるがくしゃみをしそうな生徒は見当たらない。

『くそっ!この役たたずめっ』

おい、さっきまでのやさしさはどこに行ったんだ京君・・・。

俺は誰か一人でもくしゃみをさせようと決心した。

俺は図工は得意なんだっ。

折りたたみ式の定規を持ち出し全部開いたら30cmの大きさに開いた。

もうひとつは今朝、通りすがる際に断りきれず受け取ってしまったティッシュをポケットから

取り出しのりで定規の先に引っ付け、そのティッシュの先を指先でころころして

細い形状にした。

それを隣の席の男子、河合かわいの鼻の近くまではこんだ。

彼は勉強熱心でずっと我を忘れて黒板に書いてあることをうつしている。

罪悪感は・・・ないとはいえんが一応みんなのためだっ!今回だけはっ

喋ったこと一度もないけど協力してくれっ。

体格もでかくとても大きなくしゃみをしてくれそうだっ!

俺は手元と河合の鼻元に集中した。

やっとフィットし、河合は鼻をヒクヒクさせだし、最後は衝撃的なくしゃみを

した。

そう。その衝撃的なくしゃみというのは・・・

めちゃくちゃ可愛いくしゃみだということです!!

漫画で女の子がくしゃみをする場面で出てくる効果音見たいな感じっ。

「へくちゅっ」

みたいなっ!!!

河合がくしゃみをした瞬間に授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。

俺は固まった。

そして最後には女子二人組みが窓際に歩み寄り窓を難なく閉めた。

変な音もひとつもない。

「だれよここ開けたのっ!」

女子はそういい捨てながら教室を出て行った。

俺は音が鳴らないことに関して気になり窓をあけようとしたところ、もう一度女子が

帰ってきて俺のほうを見た。

「あんたが開けたのねっ!花粉入ってくるんだから閉めなさいよねっ!ほんっと脳みそないんだからっ」

大声で俺に言ってまた教室を出ていった。

・・・俺はなんのために窓を閉めようと・・・

教室にいる生徒の目線は俺のものになってしまった・・・。

俺は机に突っ伏して呪文のように俺はできる子俺はできる子と連呼しだしたとさ。

ちなみに考えを箇条書きにしていたときにあった視線は

“はよ閉めんかいな、顔だけいいやつ”という花粉症感染者からの

恨みのめでしたとさ。


                    つづく☆

はいっ!というわけでいかがでしたでしょうかっ?この作品は私の初の作品です。少しひねくれているかもしれませんが好んでくれる方がいることを願います。

メッセージなど、どしどしください!

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