05 王国暦五九八年 コンセル 二十三日
今日は休み。
「どうした、カミーユ」
簡単に、一本取られた。
「腕が落ちたな」
「しょうがないだろ。テスト勉強で忙しかったんだから」
「学生っていうのは忙しいな」
「嫌味かよ」
「今日はこの辺にして、基礎トレーニングをやれ」
「わかったよ。…来週は、たぶん補習で帰れない」
「勉強も頑張ってもらわないとな」
あぁ、面倒くせー。
「そういえば、アレクシス様に会ったって、言ったっけ?」
「いいや。直接お話ししたのか?」
「あぁ。ほら、新入生が。エルロックって言うんだけど。そいつが、アレクシス様の知り合いで」
「アレクシス様の知り合いだって?」
あれ。フラーダリーの孤児だっていうのは秘密なのか?
「あー、なんていうか。縁があるらしくて。で。俺のこと知っててくれたんだ。エグドラ家のカミーユって」
「どう感じた?」
「アレクシス様は皇太子になると思う」
「そうか」
この国の制度。
次の国王が誰になるか決めるのは、王家に代々伝わる聖剣。
成人した王子が聖剣の儀式を行い、聖剣に選ばれると皇太子になる。
「俺、あの人の騎士になりたいよ」
「あの方は強いぞ」
「強い?」
「一度、手合わせをお願いしたことがある。見事に負けたよ」
「えっ。兄貴が負けたのか?」
だって。兄貴は俺の三つ上。
アレクシス様は俺より二つ上で、兄貴より年下なのに。
「俺も、あの方が皇太子になると感じたよ。お前の目に狂いはない。お前は魔法剣士としての技術を身につけろ」
「そのつもりだよ」




