08 一夜の邂逅
夜風が吹く。
馬の蹄鉄が街路の石畳を打ちつける音が、ポックリポックリとやけに響いて聞こえる。
人々はとっくに寝静まっているだろうひっそりとした街道を、ジュリアは独り馬を牽きながら歩いていた。
草木も眠る丑三つ時。
人家の灯りは既になく、夜空に浮かぶ天然灯だけが夜道を照らしている。
時折なでていく風の音と己の出す足音や衣擦れの音が、静かな夜の寂寞を際立たせていた。
「……星がきれいだな」
呟くと、隣で愛馬がブルルと鼻を鳴らした。ジュリアは相棒の打った相槌に軽く笑う。
「お前もそう思うか? ニコル……」
そう言って立ち止まると上空を見上げた。夜空には散りばめられたような星がきらきらと瞬いている。
ニコルとは、その昔騎士を夢見ながらも病のために死んでいった少年が、最後には空に輝く星になったという童話の中に出てくる、少年の愛犬の名である。
主人公の少年は、愛犬ニコルと約束をした。『もし僕達が生まれ変わったら、僕はきっと騎士になって、立派な軍馬になったお前と一緒に王様のためにかっこよく戦おう』と。
少年が元気な頃はその背に少年を乗せていたニコルは、少年の死後、星になった少年をいつまでも地上から見上げながら、その約束が果たされる日をじっと待っていたという。
「……もしかしたら、お前の昔のご主人様もあの中にいるのかもな」
己のつけた名の由来を思い出して、ジュリアは言った。幼少時代、母から聞かされたその話が、幼心にとても切なかったのを覚えている。
静夜の孤独に感傷的になっている主人に、ニコルは擦り寄ってその顔を主人のそれに近づけた。その鼻息を顔に感じながら、ジュリアはその鼻面をなでてやった。
「今夜は小望月というところか。明日は満月かな……」
すると、ニコルの耳がピクリと動いた。
ヒヒンと小さく嘶いたかと思うと、あらぬ方へと主を引っ張り始める。
「どうした? 城門はそっちじゃないぞ?」
パッカパッカと勝手に進路を変えて散歩を始めた相棒に、ジュリアは苦笑した。
「なんだ? 月に魅入られたか」
月の華に導かれるように、月影を踏んで進む相棒に、しかし、ジュリアは逆らわなかった。
「早く帰って休みたいだろうに……。お前も疲れただろう?」
そう言って、その背を叩いてやったが、ニコルは見向きもしない。それにまた苦笑したが、あえて逆らう気も湧いてこず、好きにさせてやる。
しばらく城を留守にして、事件の詳細を追っていた。夜遅くになって、今日は泊まって早朝に帰れとキーンやフィオスにも言われたが、主の顔をもう長いこと見ていない気がして、城に帰りたいと思ったのだ。ドリスがついていてくれると分かってはいるものの、長いこと離れているのはやはり不安だった。だが、それでも夜遅くに馬を走らせる気にはなれず、あえて徒歩でその帰路についていた。
ただ、月夜を歩いてみたかったのかもしれない。体は怠く、神経も衰弱していた。あれこれと懸念して、答えの出ない迷路に迷い込むことは、予想以上に気力を消耗するものだ。
今は一時の休息が欲しかった。張り詰めた緊張の糸を弛緩させて、明日からまた主の護衛をするための力を貯えるために。
「陛下は今頃ぐっすりとお眠りになっておられるだろうか……」
きっと、ドリスが扉の前で胡坐をかきながら寝こけているだろう。
月明かりの下を静寂の中、こうやって歩くのは不思議と心地よかった。
ジュリアは瞳を閉じると、ニコルに寄り添うように、彼の先導に身を任せた。
柔らかい鬣をなでながら歩く。
ニコルは主人のためにゆっくりと進んだ。
温かい熱を持った隣の相棒が歩くたびに、その震動が伝わる。それを心地よく受け止めながら目を閉じていると、その揺れがぴたりと止んだ。
瞼をゆっくりと開ける。
「……ここは……」
いつの間にか入り込んでいた細い路地、高い隔壁の向こうに聳える尖塔が月のかかった夜空に突き出ていた。王城内の辺境にあたる鐘楼だ。
蔦の覆った城郭ごしに、ジュリアはその尖塔を見上げる。
意識せず、郭に手をつけると、ギシリと鈍い音がした。
不審に思って、こんもりと茂った蔦を掻き分けてみると、緑の蔓の中に埋没して、外見からは全く分からないように隠されていた鉄柵が現れた。
少なからず驚いて、閂を外し、ジュリアはニコルと一緒に敷地内に入る。
「こんな所に入り口があったとは……。簡単に侵入できるな。点検箇所に取り入れよう」
だが、彼は知らない。
それは彼の主でもある男が、城をこっそり抜け出すときのために使っている秘密の抜け道であることを。後日、それを報告して、慌てた主になんだかんだと言い包められることになるが、それはまた別の話である。
「もしかしてここに来たかったのか? なんでまた……」
横にいるニコルにジュリアはそう呼びかけた。
王城の敷地内にあって、人の訪れることのないどこか心淋しい観のある場所だった。
鐘楼の近くにはもはや使われていない、寂れた井戸が一つだけ。石を一つ一つ積み重ねて天上に届くほどまでに組み上げられたその石塔も古く、所々が苔むして、蔓が巻きついている。それ以外には何も見るべきものはない所だ。鐘楼の鐘も、その存在意義を全うしなくなって久しい。
だが、誰もいないはずの忘れさられたこの場所で、どこからか、澄んだ音色が聞こえてきた。
「……これは……笛――、か?」
月明かりに照らされた楼上から、おぼろげな音色が風に乗ってジュリアの耳元まで届いた。
ニコルは気持ちよさそうに目を閉じて耳を動かすと、「どうだ、すごいだろう」とでも言いたげに鼻を鳴らした。
余韻嫋嫋として絶えざること縷の如し――
「これは、見事な――……よく息が続くものだ……」
門外漢のジュリアにも分かった。
風の音に和して、途切れることなく連なる笛の声は、あまり耳に馴染んだことのない不思議な旋律だったが、聴くごとに心に染み入るようだった。
「まるで風と合奏しているかのようだ」
その存在を主張する音色ではない。もっと儚く、むしろ幽寂としているのだが、夜風と溶け合って、それでもはっきりと余韻が残る、陶酔を誘う音色。静寂の中ひっそりと寝静まった樹木達をそっと慰撫する子守唄のように、空気の振動が澄んだ清音となり、夜気と同化して違和感なく天上から降り注ぐ。
笛の音と絡まり合った夜の風が、ジュリアの体をなでていった。まるで、その笛の声が風の指揮を執っているようだった。
どこか哀しい。哀愁を帯びた調べ。
なぜか胸が痛くなり、ジュリアは眉をひそめた。
訳も分からず、溜息が漏れる。こんなにも美しいのに、こんなにも哀しい。
哀しくなるのは淋しいからだ。
うらびれた場所。静まり返った深夜。聞いているのは眠りについた草木だけ。
それなのに、その音色はどこまでも優しかった。誰にも気付かれず、また、誰にも気付かれないように。己の存在を決して主張せず、ただ静かに。
哀しいのに、淋しくて溜まらないのに、果てしなく優しく、そして、愛しい――。
湧き上ってくる情感は一つだけではない。琴線にそっと触れるかのように、心の奥の繊細な場所をその音色がなでていく。
小さな星の光を散りばめ、夜空の月をそっくりそのまま映しとるほど、凪いで静かだった心の湖面を優しい風がなでた。震えながら広がっていく心中に生じたその波紋をなんと呼んでいいのか、ジュリアには分からなかった。きっと、言葉では言い表せない――。
「いったい誰が……」
ジュリアは音の主が気になって鐘楼の上を見上げ、そして、目を見開いた。
尖塔の天辺、三角帽子のような屋根の上に塔上の月が浮かんでいる。
そして、その月明かりを背にするように、黒い影があった。
「あれは……」
瞠目して、そう零すと同時に、ぴたりと音が止んだ。
同時に肌をなでる風も止む。
搭上の人物はジュリアの方へと振り向いたようだった。
天と地を隔て見詰め合うことしばし、すっくとバランスの悪い屋根の上に立ち上がったかと思ったら、その姿がフッと掻き消える。
「!!!」
ジュリアは驚いて、先程までじっとして耳を澄ましていたニコルの上に飛び乗ると、突然のことで少々不満げな彼の尻を叩いた。
鐘楼の下まで来るとさっと馬上から降り、辺りを見回して倒れている人間がいないかを探す。
(落ちていない……?)
不審に思い、塔内の螺旋階段を登ろうかと思った時だった。一緒になって地面に鼻面を近づけていたニコルがふと首を上げた。と、同時に声がかかる。
「誰をお探しか」
背後から聞こえたその声に、ばっとジュリアは振り返った。
「……サント…様……」
夜の闇の中にあっても黒衣を纏うその姿を認めてジュリアは息を呑んだ。
「――…先程、塔の上から落ちませんでしたか?」
「……屋根の上から中に飛び移っただけです。落ちたように見えたかもしれませんが――」
まだ呆然としたように己を見詰めるジュリアにサントは頭を下げた。
「……申し訳ない。驚かせてしまったようだ」
「…いえ……」
だが、そう言いながらもジュリアは二の句が継げない。
「……よろしければ、戻りたいのだが、貴方も戻られたらいかがか」
「あ…、はい」
そう言うと、サントは城の方へと歩き出した。
少し離れてジュリアも後に続く。
しばらく二人と一頭は静寂の中を黙々と歩いた。
ニコルがジュリアに身を寄せ、その顔をジュリアの顔に近づける。ジュリアはその鼻の上をなでてやりながら、意を決したようにサントの背に声をかけた。
「……あの笛の音は貴方ですよね」
サントは後ろを振り向くことも立ち止まることもせず、「ええ」とただ一言答えた。
「……月並みな台詞ですが、お上手でした。幽玄な音色だった……」
「……ドウモ」
どうやらサントに会話を続ける気はないようだ。
それを覚ってジュリアは立ち止まった。
それと察したサントもまた自然と足を止めた。だが、後ろを振り返ることはしない。
「……お聞きしてもよろしいですか?」
「何か?」
「貴方は、何者です」
「……ずいぶん唐突ですね」
「そうでしょうか。少なくとも私は貴方を一目見た瞬間からその思いを消せずにいます…」
「………」
「こんな夜更けにあんな場所で笛を吹いていたり…、とても普通の人とは思えない」
「……寝付けなかったものですから、その慰めにしていただけです」
「あんな所でですか?」
「高いところは嫌いじゃない。勝手に出歩いたことは謝ります」
「私が聞きたいのは貴方がいったい何者かということだ」
その言葉に、サントは溜息をついたようだった。
「……貴方は真っ直ぐな人だ。…昔の誰かを思い出す」
「……」
ジュリアはじっと己の望む回答が出てくるのを待った。だが……、
「残念ながら、その質問に私は答えることができません」
「なぜ」
「……貴方はご自身を何者かと問われた時、なんと答えますか?」
「なにを…」
「国王を守護する親衛隊長? 由緒正しきアストラリア? ユリウス=シーザー陛下の忠実な僕?」
「……」
「私はそのように答えられる、何物も有してはいない……」
「……貴方は誰なんですか」
「…昔、貴方と同じように問われた時、私はそれに答えられた。……だが、既にもう失くしてしまいました。自分が〝何か〟など、私自身が聞きたい…」
「…ごまかさないでください」
「……貴方が知りたいのは、私が何者かじゃない。貴方の主に害を為す者かどうか、ではないんですか?」
ジュリアは息を呑む。
「それは……」
「……私を信じろというのは無理でしょう。だから貴方の主にもこう言いった。『自分を信じてくれとは言わない。私は貴方の見る目を信じる者だ』と」
「!!」
「貴方は貴方の主が信じられませんか?」
「そんなのは詭弁です!」
「……分かっています。だが、人とは嘘をつくことができる生き物だ。貴方は私が語ったとして、私の言葉を信じることができるのですか?」
「……私とて人を見る目はあるつもりです。言葉の真偽や……貴方が善人か悪人かぐらいは、判断できる……」
「……」
「……貴方は、悪い人間には、見えない」
そう言われサントは喜ぶわけでもなく、むしろ淡々と言った。
「善悪など単純にはかれるものではない。そもそも立場や人によって容易にそれは覆る。そんなあやふやなものは基準になりえない。……あなたは何を以って善と悪を判断なさるのか」
「……そうかもしれません。ですが、あのように美しい音色を奏でることができる者が悪い人間だとは思えません」
ひたりと、揺らぐことのないその背を見詰めてジュリアは言った。
「……世の中には芸の達者な悪人だとているでしょう」
「……技術云々じゃありません。素人の私でも分かる。貴方のあの音は、〝心〟がなくては、出せないものだ」
しばらくの沈黙があった。そして、サントは言う。
「……貴方は私を悪人だとは思いたくない、そんな感じですね」
「……」
「答えが出ているのならそれで十分でしょう。信じたいものを信ずればよい。これ以上私に何を求めるのか」
「……私はあなたの正体が知りたいのです」
「……貴方は私がこの黒衣の装いを解けばそれが分かるとでも思っていらっしゃるのですか?」
「……外面ににじみ出るものだとてあるでしょう」
「……私はそうとは思わない。知っていますか? 自然界には隠蔽的擬態を得意とする生物がいることを」
ジュリアは怪訝そうに眉をひそめた。
「ある生物は外敵からその身を守るため、またある生物は被食者に気付かれないよう獲物を狩るために、己の体をそれと分からぬよう周囲の環境に馴染ませ、擬態してみせる。前者を保護色、後者を隠蔽色と言いますが、一見しただけでは決して気がつかない……。人とて同じだ。狡猾な者ほどさりげなく周囲に溶け込む術に長けている」
その言葉にジュリアはハッとした。
一連の殺人事件を起こした凶悪犯の犯人像が思い浮かんだ。
――よっぽど周囲に違和感なく溶け込む術に長けているんでしょう
そう言ったのはキーンだったか……。
「正体の分からないものを恐怖するのが人間の習性だ。貴方は私の姿を見ることでその不安を消したいだけなのではないのですか? だが、間違えてはならない。その者の本質など一見しただけで分かるものでは、決してない」
「……あなたはいったい何を知っているのですか」
「……言っている意味が分かりませんが」
背を向けたままサントは言う。
ジュリアはじっとその背を見詰めた。
「そんなに悩むようなら、答えを教えて差し上げようか?」
「……答え?」
「私は善人などではない」
「……悪人だと?」
「……私はこの世のあらゆる〝悪〟にも劣る、〝罪人〟だ。非情な略奪者や卑劣な殺人鬼、薄汚い詐欺師、彼らの方が私などよりよほど人道的でしょうね」
「……!!」
「だから私は貴方に言いましょう。貴方は私を信じるべきではない」
「それは!」
「王に害を為すつもりなど毛頭ありません。もちろんこの国にも。ですが、貴方の仕事はそれを鵜呑みにすることではない。王に近づこうとしている人間がいるのなら、たとえその素性が明らかで正当な者であろうと、疑ってかかるべきだ。それが王を守護する貴方の役目でしょう」
「……それが貴方の答え、ですか」
「ええ」
「……貴方は自分のことを信じて欲しくないようですね」
「人の一端を見ただけで全てを知っているように思うのは愚かだと言っているのです」
「……」
「私が言えることは、私は貴方の主に害を為すつもりはない、その一点のみ」
「ですが貴方はそれを鵜呑みにするなとおっしゃった」
「ええ、だから貴方に対して私は信じてくれとは言いません」
「……それでは、貴方の真実はいったいどこにあるのです!」
その時、それまで頑に背を向けていたサントは、初めてゆっくりと後ろを振り返った。
「……恐ろしいことをお尋ねになる。軽々しく他人の真実などに口を挟まぬほうがよろしいでしょう。それが時にどれだけの業苦を潜ませているものなのか、あなたは知っていらっしゃらないのか?」
雰囲気の変わったサントに、ジュリアはごくりと息を呑んだ。
押し寄せる圧力に、ニコルは怯えたようにサントから遠ざかろうと地を掻いた。
「業苦……?」
「……貴方が満足するかは分からないが、これだけは言っておきましょう。……私は貴方の主に会いたかった。だからこの地に来ました」
「……何のために……」
緊張のために喉を鳴らして、ジュリアは尋ねた。だが、返ってきたのは予想外の答え。
「……あの人の存在を、この身に感じてみたかったから……」
その声の持つ色に、ジュリアはギクリとして息をするのも忘れた。
掠れて零れ落ちたその声は今までと打って変わって弱々しく、まるで乞丐が施行者に救いを求めているかのような、そんな響きを持って耳に聞こえてきたからだ。
「……お話はこれで終わりです。これ以上語る言葉を私は持たない」
そう言うと、サントはさっと己の身を隠すようにその右腕を顔の前に翳した。
すると、ざっと、両者の間にあたかも互いを分かつかのような風が走った。
その突然の暗風に、ジュリアは反射的に目をつぶり、ニコルの手綱をぎゅっと握り締めた。ニコルは驚いて前足を高く上げて嘶き、暴れだす。
「ニコル!」
ジュリアは肌に刺すような冷たい夜風を感じながらも、その手綱をギュッと引っ張り、鐙に足を引っかけその背に飛び乗った。馬上から手綱を捌き、声をかけながら横腹を足で叩いてやる。
その内、風がやみ、ニコルがブルルと鼻息を鳴らしながらも、なでられる首筋の感触にいくらか落ち着きを取り戻した時、ハッとしてジュリアが顔を戻すと、そこにはもう、誰もいなかった。
「え……」
呆然とした態で辺りを見回す。
冷たい夜気と嘘のように静かな星空に、夢でも見ていたのかと錯覚する。
「いったい……」
ただ困惑するしかない彼を、円い月が見下ろしていた。
邂逅【かいこう】…思いがけなく出会うこと。めぐり合うこと。
蹄鉄【ていてつ】…馬のひづめの底に装着して、ひづめの摩滅・損傷と滑走とを防ぐ鉄具。
小望月【こもちづき】…望月の前夜の月。
鐘楼【しょうろう】…鐘つき堂。
郭【くるわ】…城・砦など、一定の区域の周囲に築いた土や石の囲い。
嫋嫋【じょうじょう】…音声の長く響いて絶えないさま。
縷【いと】…糸すじ。細い糸。糸のように細く続くもの。
門外漢【もんがいかん】…その物事にうとい人。専門家でない者。
幽寂【ゆうじゃく】…奥深くて物静かなこと。
慰撫【いぶ】…なだめること。慰めいたわること。
業苦【ごうく】…悪業の報いとして受ける苦しみ。
乞丐【かたい】…道路の傍らなどにいて人に金品を乞い求めるもの。こじき。
施行【せぎょう】…善根、功徳のために僧や貧民などに物を施すこと。